(朝刊より)
福島第1原発事故の収束作業をめぐり、作業を請け負った福島県の建設会社「ビルドアップ」(和田孝社長)の役員が昨年12月、作業員が個別に装着する警報付き線量計(APD)を鉛板のカバーで覆うよう強要していたことが21日、分かった。同社は作業員9人に使わせたことを認めた。
累積被ばく線量が高くなった役員が、遮蔽(しゃへい)効果が高いとされる鉛でAPDを覆い、被ばく線量を偽装しようとしたとみられる。厚生労働 省は労働安全衛生法違反の疑いもあるとみて調査を開始、福島労働局などが同日、第1原発内の関係先を立ち入り検査した。
強要していたのは50代の役員。昨年12月、作業員宿舎で作業員に鉛板で作ったカバーを示し、翌日の作業で装着するAPDをカバーで覆うよう求めた。
ビルド社は東京電力グループの東京エネシスの下請け企業。請け負っていたのは、汚染水を処理する設備の配管が凍結しないよう、ホースに保温材を取り付ける作業。作業時間は3時間程度だった。
第1原発では、作業員が作業開始時に東電側からAPDを渡され、作業が終わったら返却する。東電はAPDを基に、1日の作業時間、被ばく線量を管理している。
(下請け業者作業員の悲哀!東電本社は知らなかったのか?)