カクレマショウ

やっぴBLOG

クリスマスの意味

2005-12-21 | ■世界史
もうすぐクリスマスです。

クリスチャンでもないのに、クリスマスなんかカンケーねーや、と思っている方もいると思いますが、そもそもクリスマスってキリスト教とはあまりカンケーないところに起源があるのです。

"Christmas"の語源は"Cristes masse"(クリーステス・マッセ)。クリーテスはもちろんキリスト、マッセというのは、「ミサ」(聖餐式)のことです。「キリスト」という言葉は、イエスの苗字、ではなくて、ギリシア語の"Χριστοs"(クリーストス)つまり「油を注がれた者」という普通名詞なのです。「お釈迦様」を表す「仏陀」(ブッダ)という言葉が、「悟りを開いた者」という意味であるのとよく似ています。

「油を注がれた者」というのは、現在のイスラエルにあった古代ヘブライ王国の習慣で、王の即位の際に頭に油を注いだことからきています。つまり、「油を注がれた者」というのはユダヤ人の王を意味するのです。今から2,000年前、ローマの支配下にあったユダヤ人たちは、自分たちを救うために神が遣わす救世主として「油を注がれた者」=メシアを待望するようになっていました。「クリーストス」は、そのギリシア語訳というわけです。

ですから、「クリスマス」という言葉の本来の意味は、救世主を讃える聖餐式、ということになるのですが、いつのまにか「救世主」の誕生を祝う「救世主降誕祭」となっていきます。これはどういうわけなのでしょう?

「クリスマスの日」とされる12月25日は、冬至の前後にあたります。この日から太陽が力を取り戻す(昼が長くなる)というわけで、古くから豊饒祭、収穫祭など太陽の復活を祝う祭りが各地で行われていました。そこに関わってくるのが「ミトラ教」です。

ミトラ教とは、インドから中央アジアを起源とする古代宗教で、光の神ミトラ神を最高神とします。ローマのポンペイウスの小アジア遠征をきっかけにミトラ教がローマに伝わり、男性的で倫理的な特徴から、軍人の間に急速に広まっていきます。実は、そのミトラ神の「誕生日」とされたのが12月25日だったのです。太陽の象徴として崇められたミトラ神の誕生日が、太陽の復活の日である冬至の日に設定されたのは当然といえば当然だったのかもしれません。

しかし、当初ローマ帝国領内で迫害されていたキリスト教が4世紀になると公認宗教からついには国教になり、ミトラ神は「異教」とされてしまいます。当時のキリスト教は、布教のために「異教」の信仰や習慣を認める方針でしたから、ミトラ神の誕生を祝う祭りもそのまま「イエスの誕生日」として祝うようになりました。これが「救世主降誕祭」つまりクリスマスの始まりです。

クリスマスは、キリスト教が拡大する中で、「異教」の風習を「乗っ取って」作られた祭りであるといえます。

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3 コメント

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キング・コングからクリスマスへ (jane air do)
2005-12-27 22:42:57
映画のコメントを読みに来て、

いつのまにか、クリスマスについての解説を・・・。

なるほど、X'masのXがギリシャ語からきているという

ことまでは知っていましたが、

>実は、そのミトラ神の「誕生日」とされたのが12月25日だったのです。

知りませんでした。その博識ぶりには脱帽です。



「キングコング」は草食恐竜が小型恐竜から追っかけられ

ついでに人間まで巻き込まれて逃げ惑うところを

大画面で観たくて映画館に行ったんですが、

巨大昆虫の襲撃は予想してなかったので、身をよじりながら

観ました。(堪忍して~。)

ダイナミックでしたが、ドラマ性は前作、前々作の方があったと思いました。

ナオミ・ワッツ起用は大成功でしたね。

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同感! (やっぴ)
2005-12-28 00:16:14
jane air doさん

こんばんは。コメントありがとうございました。



私もあの昆虫、というかゲテモノ、予想だにしていなかったもので、ぎょえーと思いました。



それに、前作、前々作の方がドラマ性があった、とおっしゃるのも全くその通りだと思います。今回は泣けなかったですから。CGの技術にたまげてしまって、素直になれなかったのかもしれません。
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クリスマスの意味なんて? (ジョエル)
2007-11-26 16:24:42
イエス・キリストはアナタを愛していますから、2007年前に、この世界に入って、弱い人になった。アナタを救うために、十字架で死んだ。

クリスマスは、イエス・キリストが世界に生まれた日を記念するため。でも、時が経って、クリスマスの真実、意味がゆっくり消えている。

僕の希望、祈りは、あなたがこのクリスマスの中で、イエス・キリストの深い愛を探すことが出来る。
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