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「魔除け〜身にまとう祈る心」

2016-03-01 | ■世界史

新宿駅からオリセンに向かう途中にある文化学園服飾博物館で、「魔除け〜身にまとう祈る心」という企画展をやっていました(2/17で終了)。これが意外と面白くて、勉強になりました。

  

世界各地の衣服に込められた「魔除け」の願い。たとえば、悪魔や悪霊の侵入口となる袖口とか裾とか襟口には結界を築く。単にデザインとか布地の強化のためだけでなく、魔除けの意味があったとは。特に目を引かれたのは、パキスタンのコヒスタン人の女性用衣装。濃ピンクの真綿糸で刺繍された菱形が一面に散りばめられ、袖口と裾は金属ビーズで守ってありました。

特に子どもは悪霊がやってきやすいので、背中にも魔除け。日本の子ども用の着物の背中に見られる背守り糸、アフリカの子どもの服の背中には、一面に大きな赤い目をかたどった模様が描かれていました。「赤」は世界共通で魔除けの意味があるらしいですね。共通と言えば、「菱形」も各地で魔除け効果大と考えられていたようです。アルジェリアの肩掛けには、幸運の鳥、ヤマウズラの目をかたどった菱形が。逆に、その土地ならではの魔除けアイテムとしては、サソリやヘビ、ザクロの実、ヒルにトカゲ、サンショウウオなんてのもありました。

津軽のこぎん刺しも1点展示されていました。人がひと刺しひと刺し心を込めて作った衣服には、それ自体既に魔除け効果があるんじゃないのかなあとふと思いました。機織り機で1本1本糸を織り込んで作られた衣服も。もちろん手編みのセーターなんかもね(^_^*)

考えてみれば、かつてはすべての衣服は「手作り」だったわけで、今やほとんどの衣服が機械で作られていることを思うと、もしかしたら、総体として「魔除け」効果が薄れてきてるのかもしれませんね。危ない危ない(≧∇≦)


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