goo blog サービス終了のお知らせ 

八尾北医療センター労働組合

藤木 好枝 執行委員長

9・28八尾北明け渡し弾劾裁判 意見陳述

2011年09月29日 | 八尾北医療センター明け渡し絶対反対


意見陳述書
                   
2011年9月28日

医療法人 健進会
  
理事長 重松信子
  
 今回の陳述では当医療センターを利用されている患者さんの生の声を紹介したいと思います。
 まず79歳の女の方です。
幸生診療所の時代からずっとかかっている。 1965年に神戸から西郡に転居してきた。娘が障害を持っていて、他の病院では拒否されたこともある。きちんと診てくれず嫌な思いもした。ここはほんとに親切に、夜中に熱を出しても往診に来てくれた。娘は18歳で亡くなったが、ほんとに感謝している。5年前には夫が脳梗塞になり、この時も往診に来て病院に入院する手続きをしてくれた。自分も気管支喘息で毎日八尾北に通院している。40数年間先生も変わらないし、安心と信頼もある。言いたいことも言えるし、聞いてくれる。八尾北がなくなったらどこにも行けない。
 この方は気管支喘息以外にも骨粗鬆症や腰痛もあり、痛みの強いときは診てもらっている整形外科の通院もままなりません。送迎体制を敷いている当院ならばこそ治療を継続できているのです。また夫を亡くされて一人暮らしになってからは当院のデイケアも利用されて作業療法などのリハビリに励んでおられます。

 2人目の方も80歳の女の方です。
 昭和41年に高砂府営住宅に移り住んできた。以来「幸生診療所」、八尾北医療センターとずっと通院している。主人は心臓病を見つけてもらい、病院を紹介されてそこでペースメーカーを植え込んだ。自分も当初貧血で通院し、今は気管支喘息で治療を受け、甲状腺疾患もあるので定期的に血液検査、エコー検査を受けている。八尾市に一言言いたい、なんでここをつぶすんか、患者のことどう考えているのか、元気な人は遠くまで行けるが高齢者は行けない、ここは送迎もあり助かっている。家族全員が安心してかかれる診療所だ。なくなったら行くところがない。
 述べられているように昭和41年からですから45年間、半世紀近く当院を利用されていることになります。現在はヘルパーによる訪問介護も利用されています。加齢による整形外科的疾患で足腰が弱ってきて、医療だけでなく介護も必要となっています。
 3人目の方も高砂住宅に住む女の方です。
私は現在86歳です。若い頃は家族3人医者にもかかりませんでした。今はリウマチであちこち痛みます。八尾北医療センターは家から10分程の所に位置しています。今ではなくてはならない診療所です。送迎もして頂けます。院長先生始め皆様痒いところまで手が届く、有難いと喜んでいます。私たちはずいぶんお世話になっています。年と共にあちこち緩んできています。高砂住宅の方に同じような症状の方がたくさんおられます。
 どんなことがあっても診療所はこのまま続けて欲しいです。介護サービスのケアマネさん、ヘルパーさん皆様何くれとなく事細かに介護して頂いております。
主人も今年亡くなりましたが随分と皆様にお世話になりました。心よりお礼申し上げます。一人では何もできませんが皆様と一緒に医療介護もなくならないように頑張ります。

 1年前にこの方(Tさん)のご主人さんは寝たきりに近くなり、その時は入院もしていたのですが住み慣れた自宅に帰りたいと、帰ってからも自宅の畳の上で死にたいと最後まで入院は希望しませんでした。訪問看護、往診、毎日数回の訪問介護を行い、つきっきりで介護をされているTさんをサポートしました。
 Tさんも現在は一人暮らしです。息子さんは遠方に住まわれており、八尾北医療センターは近くにあって心強い存在でありたいと介護医療を担うものとして努力してきました。今後もそうした存在であると信じてご主人さんも安心して旅立たれたと思います。
 今回紹介した方々は80歳前後で長らく当院に家族ぐるみで通院されています。同じような方々が他にも多数おられます。みなさんの家族の歴史が当院の通院歴のなかに詰まっています。半世紀に及ぶものです。この事実は非常に重いもので簡単に他の医療機関に切り替えられるものではありません。
 またこういった患者さんに寄り添ってきたからこそ介護が必要となった時に当院で介護を行いたい、送迎を必要とした時に当院で安全に送迎をしたいと、その体制をとるべく闘ってきたのです。
 八尾北医療センターのようなプライマリケアを治療の内容とする診療所では近接性、包括性、協調性、継続性、責任性という理念を実践することが地域医療の本質となります。であるからこそ市がこの地の地域医療の責任を放棄しようとするにあたってそれはならぬと私たち健進会が引き受けたのです。八尾市もその当時は、地域医療そのものは否定していなかった筈です。
 今や全ては財政難と市民・住民の健康・福祉を切り捨て、医療・介護と契約は別物と土地建物の明け渡しを迫る八尾市、あなた方に聞きたい。この八尾市北部で営々と営まれた地域医療はどうなってもよい、土地さえ売ることができればということですか?
 となれば私たちの答えは一つ、そんな横暴がまかり通ってなるものか、ここで築いた八尾医療センターのすべてを守るのみ、です。