
日頃のご支援に心より感謝いたします。
大きく歴史が動くときが来ました。
今こそ労働組合が時代の先頭に立ち、貧困と戦争の社会を打ち破ろう。
1047名解雇撤回、外注化粉砕・非正規職撤廃、そして反原発、闘う労働運動復権を!
本年も全力で闘いぬきます。
2015年1月1日
国鉄千葉動力車労働組合
執行委員長 田中 康宏
執行副委員長 繁沢 敬一
同 大竹 哲治
書 記 長 長田 敏之
執行委員一同
*2015年団結旗開き 1月10日 (土) 13時から DC会館

新春インタビュー田中委員長に聞く
▽あけましておめでとうございます。
今日は新たな年の闘いの課題や抱負を伺いたいと思います。

労働者にとって困難な状況が続いていますが、JRにしろ、安倍政権がやっていることにしろ、積もり積もった矛盾が爆発的に噴き出しています。いよいよその虚構が暴かれ、崩れ落ちるときが近づいている。だから、われわれが団結を守りぬき、敵の矛盾を突いて闘うことができれば、新たな展望が必ず開けてくる。そういう情勢がやってきたと感じています。
例えば、3月ダイ改でJR千葉支社が提案した特急列車の全面的な廃止・削減攻撃が房総全域を激震させています。プレス発表されるや瞬くまのうちに沿線自治体から嵐のように反対の声や決議が一斉に上がっている。館山市、南房総市、安房鴨川市、銚子市、香取市、成田市、神崎町、東庄町、旭市、匝瑳市、鹿嶋市、潮来市などが提案の撤回を求めています。JRに対する地域の総反乱と呼ぶべき事態です。
これは必死の叫びです。全国の地方自治体の半分・896都市が消滅する。千葉では、銚子市が2017年、富津市が18年度に破たんが避けられないと言われている事態です。それなのにJRは「地方創生」どころかローカル線の全面的な切り捨てに動きだした。今度の列車の切り方を見れば、特急列車だけで終わらないのは明らかです。
しかも、単に列車の問題だけではない。地方では、学校も病院も保健所も水道も、人が生きていくうえで必要不可欠な社会的インフラ全てがもう限界ギリギリです。JRによるローカル線の切り捨てはこうした現実に最後の一撃を打ち下ろすような意味をもつ。
これが、「社会的連帯を断ち切って全てを競争原理の中に叩き込む」と称して進められた国鉄分割・民営化以来の政策の末路だったのです。労働者の団結や雇用、社会保障制度をはじめ、社会の隅々までがメチャメチャに破壊され、そしてついには戦争しか延命の道がないというところまで行き着いた。
だけどもう全てが限界です。私は、時代が動きだす条件が全部出揃おうとしているとみています。われわれが貫いてきた30年に及ぶ闘いは何ひとつ無駄なことは無かった。いよいよその全てが生き生きと甦り、闘う労働組合を自らの手にとり戻すときです。
▽1047名解雇撤回闘争では、結局、最高裁は判決を出せなかったですね。
そうです。高裁判決から1年3ヵ月が経ちますが、最高裁は昨年判決を出すことができなかった。今も予断を許さない状況ですが、明らかにわれわれの闘いが最高裁を追いつめている。われわれが暴き出した真実、つまり、
①動労千葉の12名は採用候補者名簿に搭載されていたにも係わらず、組合潰しのために策定された「不採用基準」によって採用決定の直前に外されていたこと、
②「不当労働行為の責任はJRには及ばない」どころか、その不採用基準はJR設立委員長と旧国鉄幹部(葛西、井手)が密議して決めていたこと、
この二つは戦後最大の労働運動破壊攻撃であった国鉄分割・民営化、国鉄改革法そのものを揺るがす決定的な手がかりです。
昨年は、この地平の上に「今こそ国鉄闘争全国運動を本格的に発展させようの呼びかけが全国に浸透し、現在の情勢とも結びついて、国鉄闘争を労働運動再生への不可欠の課題として甦らせることができたのが何よりも一番大きな成果だった。それが、8万4千筆の署名となり、全国33箇所での国鉄集会となり、11月集会を「新たな出発点」という雰囲気で成功させた。さらには、民営化と闘う日韓の鉄道労働者同士を結びつけ、深い交流が始まるなど、国際連帯闘争の大きな発展も生み出した。
私がこの1年間の闘いを通して改めて感じたのは、今日まで国鉄分割・民営化攻撃に真正面から立ち向かって団結を守りぬき、敵を追いつめて前進していることが、国内でも、国外からも、大きな信頼と説得力・獲得力をもとうとしているということです。
▽外注化粉砕闘争も新たな一歩を踏み出しましたね。
現場は今も分断された現実をいかにのりこえて団結を守りぬくのかを模索し続けています。でも、この1年間の闘いを通して、その苦闘の中から確実に新たな展望をつかみとることができたと感じています。
「外注化粉砕・運転保安確立、仕事と仲間をJRに戻せ、CTSプロパー採用の仲間たちを守れ」と訴えて立ち上がった5月2日と10月1日のストライキをきっかけにCTSの3名の仲間たちが動労千葉に結集してくれたことがそれを示しています。
外注化は、雇用を破壊し労働者を非正規職に突き落としていく最大の核心的攻撃です。しかも職場をズタズタに分断し団結を破壊する。何よりも犠牲にされるのは下請け労働者と安全です。
でもそこにこそアキレス腱がある。外注化によって仲間が指を落としたり、床下機器の検査中にひき殺されそうになったり、
CTSでは、わずか1年程度の促成栽培で仕業検査をさせたり、構内のハンドルをもたせたり、この間の起きた事態は、外注化攻撃の本質とその弱点を改めて浮き彫りにさせたのです。
JR―CTSを貫く団結をつくることができれば外注化は粉砕できます。一歩は踏み出しました。今年はどんな困難があろうとその組織化を全力でおし広げたい。
▽第43回大会で、組織の総力をあげて「大量退職問題」と対決する方針を確立したことも大きかったですね
そもそも大量退職問題とは、分割・民営化が生み出した深刻な歪みを逆手にとって、分・民以来最大の労組破壊攻撃として使おうとする卑劣な攻撃です。JR総連革マルも、国労も、JR連合も、その攻撃の前に全勢力がガタガタになっている。でも、それが職場にもたらそうとしているのは「去るも地獄、残るも地獄」の現実です。より直接的には、大量退職に突き動かされて際限なく外注化攻撃がエスカレートし、それが安全をさらに崩壊させる。だから、外注化反対闘争の強化を中心に、鉄道で40年以上働いてきた仲間たちをボロ雑巾のように使い捨てるようなことは絶対許さない闘いに総決起することを決意したわけです。残された職場だって権利と労働条件と安全が徹底的に破壊された地獄のような職場になる。だからこの闘いは、組織拡大闘争の中心課題でもあります。
▽情勢全体も激動の渦中に入ろうとしていますね。
どの国の政府も明日への確信をもっていない。世界全体が噴火山の上に乗っているような情勢だと言っても過言ではない状態です。とくに、リーマンショック以来延々と続く出口のない危機、世界恐慌がより深化し、いたるところで一触即発の戦争の危機を生み出そうとしている。中東で、ウクライナを巡って、そして東アジアで……。アメリカも、EUも、日本も、中国も、ロシアも全部崩壊しようとしている。三たび戦争を繰り返してはならない。資本主義の歴史的な生命力が尽きようとしています。全世界の労働者の連帯した闘いで戦争を止め、労働者が真の主人公となる社会を創る。それは決して不可能なことではないと思います。
様々な幻想が剥がれて国家の本質が剥出しになっています。誰もが「与党も野党も同じ穴のむじなだ。今の政党や政治家、国会に期待できることなど何ひとつない」と思っています。一方、昨年末の解散・総選挙では、誰も政治に見向きもしなくなった結果、史上最低の投票率のなかで皮肉にも自民党が「圧勝」した。この現実のなかにこそ、今われわれが生きている時代の本質が鋭く表れているのではないかと思います。おそらく現実と政治がこれほどかい離したことはこれまで無かったのではないか。こんなこと絶対に長続きはしない。全てを呑み込んでおし流していくような激動の時代が始まる。その入り口に立ったんです。
問題は労働運動の止めど所ない後退「労働運動の不在」というべき現実です。それこそが、怒りの声がこれほど深く、広く積み上がっているのに自民党を勝たせてしまった最大の理由です。
一握りの資本家たちが巨額のカネの力で築いた国家権力に対抗しうる現実的な物質力は、労働者の闘い以外ない。マスコミなどは「野党が余りに酷いから選択肢がない」というが、その本質は、労働者の闘いに依拠した政党がひとつもないということです。共産党だってそうです。
▽安倍は「国民の信任が得られた」と言って突っ走ろうとしていますが。
安倍自身が一番恐怖しているはずですが、日本経済は、いつ、何をきっかけに破滅的事態に陥ってもおかしくない状態です。「三本の矢」は、その虚構が表わになり、実際はすでに全部折れています。異次元緩和は、株価をつり上げただけで設備投資にも賃金にも全く回っていません。それどころかいつ国債が暴落するともしれない事態です。巨額の財政出動は、1千兆円超の国家財政赤字という時限爆弾を生み出しながら日本経済はマイナス成長に落ち込んだ。社会を丸ごと民営化するという「成長戦略」は、成長どころか社会を破壊して暴れ回る国家暴力そのものです。
さらに安倍政権は年金資金まで株につっこんでしまった。異次元緩和バブルでつりあげた株価はいずれ暴落する。そうしたら年金が吹っ飛ぶということです。
安倍政権は、危機にかられて、この春には原発を再稼働させ、5月には集団的自衛権関連法を国会に一括提出して改憲と戦争に突き進もうとしている。だけどその一つひとつが、生きることもできない現実と結び合って、これまでは抑えられてきた怒りの声を呼び覚ますことになります。何が起きてもおかしくない情勢が始まる。
▽やはり鍵を握るのは労働運動が力をとり戻すことができるか否かですね。
安倍政権も、「戦争をする国」をつくるには労働運動を潰すしかないと考えています。安倍の側近の位置にいる桜井よしこがサンケイ新聞に「連合分裂させよ!」という記事を書いていますが、安倍政権の意志を代弁したものだと思います。戦争をするには連合のよう存在だって中途半端でダメだ、現代の産業報国会が必要だということです。改憲と愛国心、原発推進を労働運動の崇高な理念とせよという主張です。それともう一つ、桜井がもちあげるUAゼンセンは、非正規職労働者の怒りを抑圧し、圧殺するための支配機構そのものと言っても過言ではない存在です。
だけど、安倍政権にそんなことを貫徹する力はない。官製春闘で何とか「好循環」なる幻影を見せようしています。でも逆に、896自治体の消滅だとか、教育や医療の崩壊など社会の全面的な崩壊が始まる。この時に、鉄道、自治労、日教組、医療などで労働組合が力を取り戻すことができたら社会的大反乱が始まる。全てが沸騰点に向かって煮つまろうとしています。
■JRでも分割・民営化の矛盾が噴出していますね。

「JR崩壊」と言っても過言ではない。その最大の象徴的事態がJR北海道における安全崩壊であり、JR貨物の経営破たんです。莫大な追加支援で1兆円近い経営安定基金を積んでも経営破たんは止まらず線路を直すことも車両を直すこともできず、社長が2人自殺する北海道の現実。もう鉄道会社の体をなしていない。しかも、来年新幹線が開業したらその借金の返済も始まる。すでに大規模な廃線以外に打つ手がないと考えているふしがあります。30年経っても、民営化が地域社会を全部殺して暴れまわる。
しかも、安全崩壊の深刻な危機は北海道だけの問題ではない。JR全社を蝕んでいる。京浜東北線・川崎駅の脱線転覆事故はそれを明るみにだしました。保安担当、線閉責任者、重機安全指揮者、重機オペレーターなど、鉄道業務の基本的な作業が6社もの関連会社にバラバラにに外注化されていた。事故が起こらない方が不思議です。
貨物会社も、「日航の次はJR貨物だ」というかけ声で、日本郵船から「再建屋」を会長に送り込んだものの、すでにほとんどサジを投げてしまった状態で、ひたすら賃下げと要員削減をやっているだけ。一時金を削り、福利厚生費を削り、今度は諸手当の全面的削減、人事賃金制度や動乗勤改悪が画策されています。しかも、いよいよ大量退職が始まろうとしているのに再び新規採用を停止してしまった。二進も三進もいかない状態です。
さらに、安倍政権が成長戦略の軸にすえ、JRが「第4の柱」とした鉄道パッケージ輸出もほとんど破産しています。何もかもがうまくいってない。
■大量退職問題も国鉄時代に民営化に向けて新規採用を長期間ストップさせたことに端を発する問題ですね。
「57年採用」(1982年)が国鉄時代の最後の採用です。それがゆがんだ年令構成をつくり、この8~9年の間に4割以上が定年退職を迎える。この大量退職問題に突き動かされてJRは大再編攻撃にふみ出しています。大量退職に追いたてられるように、際限のない外注化が進められている。例えば、東京駅の新幹線出改札業務など、中枢的な業務がボンボン丸投げ外注化されている。さし当たり退職者を超低賃金で再雇用し動員する。そして、今後の採用は全部下請け会社にする。その労働条件は生涯3度しか昇給しない「名ばかり正社員」です。
一番恐ろしいことは、安全上の問題など何も検討されないまま外注化が強行され、その場しのぎと無責任が横行していることです。
さらに最悪なのが、大量退職問題を千載一遇のチャンスのように見て、国鉄的なものを一掃する労組破壊に利用しようとしていることです。
JR東日本は、民営化の手先として利用し尽くした東労組革マルすら使い捨てようとしている。革マルは居たたまれなくなって、会社の譲歩を引き出そうと「ストライキ方針」を掲げてみたものの突っぱねられてなす術ない状態だし、日貨労革マルは「汗を流すだけでなく血も流す」と、会社に全面的にへつらうことを選択した。国労本部も全国組織を解散して会社ごとに連合に潜り込むしかないという方向に舵を切ろうとして大混乱している。東日本ではJR連合の組織まで消滅してしまった。
闘わなければまさに「去るも地獄、残るも地獄」の現実がのしかかる。そうした意味でも2015年は国鉄闘争の正念場です。
■3月ダイ改が当面する闘いの焦点ですね。
ダイ改での特急列車廃止・削減だけでなく、秋には千葉運転区廃止・運輸区化が画策されています。3月ダイ改から3年くらいかけて大規模な再編攻撃が画策されている。すでに本社は「ハンドル率をあげろ」「列車キロに対し行路・要員数が多すぎる」と、各支社に徹底的な労働強化を命じている。「本線運転士が担当する入出区は全部委託する」という話まで出ています。ローカル線切り捨ても特急列車だけで終わらないことは明らかで、「東京から70~80㎞以遠の運行は切り離す」というこの間進められている構想も本格的に動きだそうとしています。 さらに、千葉支社では昨年秋にも9駅の丸投げ外注化が強行されました。外注化攻撃もこれまでとは全く次元の違う段階に入っています。こんなことを許したら権利や労働条件、安全は間違いなく地に堕ちる。生み出されるのはまさに地獄のような職場です。
でも、地域の総反乱が起きているように、あらゆるところから矛盾が爆発することも間違いない。職場に闘う労働組合が絶対的に必要な情勢です。労働運動復権のチャンスでもある。当面、3月ダイ改に向けて全力で闘争体制を確立しなければなりません。
■職場に闘う労働組合を甦らせるチャンスだと言われましたが、そのその点についてもう少しきかせて下さい。
韓国での理念交流集会でも議論になったんですが、「階級的労働運動とは何か」という原点を今こそ考えなければいけない。その答えは、自らの闘いの中に全部あるように思います。
何よりも、われわれは日本の労働運動がトラウマのように繰り返してきた「闘えば分裂する」という歴史をのり越えられることを示しました。資本と労働者は非和解的関係です。だけどそれは、例え国家権力が全力で襲いかかってきても打ち砕かれない団結をつくることは可能だと示せなければ簡単には言えないことです。動労千葉の30年余にわたる闘いはそれを示しました。
第2に、資本の攻撃に対し、労働組合は常に受動的な力関係でしかないという「常識」をひっくり返しました。それはとくに反合理化闘争において顕著でした。日本の労働運動には反合闘争を攻勢的に展開できた例がほとんどない。だから、労働者こそ社会の主人公であり、変革の主体だと実感できる階級的団結が生まれようがなかった。われわれはそれをのり越える闘いを実現した。その基礎を作ったのが反合・運転保安闘争路線です。
第3に、15年に及ぶ外注化との闘いの中で、非正規職に突き落とされた結果に対してだけでなく、非正規化されていく過程に非妥協的に闘いを挑み続ける新自由主義攻撃下での新たな闘いのあり方を生み出しました。
第4に、個別の要求だけでなく「労働組合はいかにあるべきか」ということ自体が労働者にとって何よりも大切なことであり、強い団結をつくる課題だという運動のあり方を確立したことです。そういう闘いの中でこそ時代認識や政治闘争が自らの問題になったのです。それは分離・独立の過程から今日まで貫かれています。
第5に、これまでに前例のない階級的な労働者の生きた国際連帯運動をつくりだしました。それも国鉄分割・民営化攻撃と対決して団結を守りぬいていることへの信頼が土台となって形成されたものです。
こうした闘いの路線は、世界中で新自由主義攻撃が崩壊しはじめた今こそ必要とされるものです。それは、本格的な組織拡大が実現できたとき必ず全労働者を獲得する力をもちます。
■やはり組織拡大の実現こそ2015年の最大の課題ですね。
現場の必死の努力で動労千葉に加入してくれる仲間が毎年途切れることなく続いていますが、今年は何としてももうひとつ壁を破りたいですね。
この1年間の闘いは、何よりも激しい組織破壊攻撃との攻防戦になると考えています。分割・民営化以来の組織破壊攻撃が画策されている。それを打ち破って逆に組織拡大を実現する。できると思います。職場は間違いなく矛盾の固まりみたいになるからです。職場だけじゃない。労働者が置かれた現実、社会全体が沸騰点に近づいている。
JRの労働者の意識も絶対変わってくる。千葉ではCTSから3人の仲間が結集してくれた。間違いなく動き出しています。
外注先のCTSでは、普通に生活することすらできない超低賃金と苛酷な労働条件が強制されています。その一方でJRから天下ってきた幹部たちは1千万円からの高給を手にしている。JR―CTSを貫く職場闘争を全力で強化し、組織拡大を実現したい。そうすれば外注化も粉砕できます。
われわれが組織拡大という一番困難な課題を成功させることができれば、これまでの労働運動の限界をほぼ全部のり越えたと言えるんじゃないか。そのくらい大きな挑戦だと考えています。そして、動労総連合を全国につくりあげたい。
■最後に当面する課題について聞かせて下さい。

戦後70年という歴史の分岐点です。戦争と民営化を絶対に許さない。安倍政権を打倒する。そのために全力をふり絞って労働運動を甦らせる。これが全ての基礎です。その上でいくつかの課題について述べたい。
第1に、1047名解雇撤回、最高裁勝利判決獲得の闘いへの総決起をあらためて全国に呼びかけたい。
不当解雇から28年の2月15日に集会を開催しますが、そこまでに10万筆の署名を集めきって、さらに最高裁を追いつめる。 さらには、韓国の鉄道労組との交流をもっと深め、民営化・労組破壊、新自由主義攻撃を粉砕する国際的な戦線もつくりあげて、国鉄闘争の本格的な発展をかちとりたいと考えています。
第2の課題は、外注化粉砕闘争の前進をかちとることです。
その最大の力は組織拡大の実現です。今年は強制出向から3年目を迎える。ものすごい勢いで外注化が拡大されようとしている。それが雇用と安全を破壊して暴走する。裁判闘争もついに委託契約書を出させるなど重要局面です。不払い残業代請求の闘いなどCTSでの新たな闘いも始まっています。あらためて外注化粉砕闘争を全ての闘いの焦点におし上げるときです。
第3の課題は、大量退職問題を逆手にとった組織破壊攻撃を粉砕し、65歳まで働ける職場・労働条件を確立するために全力で闘いぬくことです。
われわれは、外注化を直ちに中止して定年延長を実施するようを求める。40年以上鉄道で働いてきた仲間を使い捨てるようなやり方、外注化推進の道具にしていくようなやり方を許さない。とくに本線運転士の高齢者対策はもはや一刻の猶予もならない切実な問題だ。
3月ダイ改、千葉転統廃合攻撃に対してストライキを含む闘争体制を確立します。ローカル線廃止には地域の総反乱をつくり出したい。それは、労働運動再生に向けた不可欠の要素をなす闘いです。基地統廃合攻撃に対しては、組織破壊攻撃を粉砕するために絶対反対の立場で臨みます。
第4の課題は、貨物の賃下げ攻撃を粉砕するために全力で立ち上がることです。賃下げの手先・日貨労を許さない。分割・民営化体制を粉砕する決意で臨みます。貨物会社は、55歳で賃金が7割に削減される制度を放置し続けるだけでなく、扶養手当や乗務手当まで削減し、賃金制度や乗務員勤務制度も変えようとしている。一方、職場は年休が一ヵ月一つも入らない現状です。我慢も限界だ。全力で15春闘に立ち上がります。
第5の課題は、戦争・改憲、原発再稼働に突き進む安倍政権を打倒するために全力で闘いぬくことです。
水戸の仲間たちが職場からのストライキをもって先頭に立っています。福島がおかれた現実は今年ますます非和解的になる。仮設住宅など劣悪な現実の中で「関連死」がすでに3000人を越えています。子供たちが次々に甲状腺ガンになっている。原発推進・原発輸出に延命をかける安倍政権は、全てをなかったことにするために原発間近まで帰還を強制する。「3・11」4周年が大きな転期になろうとしています。
さらに、5~6月が「安保国会」「戦争国会」になる。声をあげては収束してきた怒りはどこかで大爆発する。これまでの延長線上ではない事態が間違いなく起きる。起こさなければならないですね。東アジア・朝鮮半島をめぐる戦争の危機がいつ爆発するかもしれない情勢です。第三次安保闘争をつくり出さなければならない。戦争を止めるために労働者の国際連帯闘争が決定的な意味をもつ時代です。
あらためて訴えます。全組合員が組織拡大闘争にたち上がろう。組織拡大で階級的労働運動を甦らせよう。動労総連合を全国につくりあげよう。