A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

リーダー作の少ないスタジオワークの重鎮達・・・

2011-12-29 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Seldon Powell Plays


古いサドメルの映像を見ていたら、黒人のテナー奏者が目に留まった。特に、ソロがあった訳ではないが、この時代であればそれはSeldon Powellの可能性が高い。記憶が正しければ、彼はちょうど1968年に日本に初来日した時のメンバーにも加わっていた。サドメルのアルバムでは、ソリッドステート時代の初期のアルバムに参加していたと思う。
設立当時のサドメルバンドは、ニューヨーク在住のベテランスタジオミュージシャンの集まりからスタートした。リーダーの2人も色々なレコーディングに参加していた。そして、ボブブルックマイヤーも。サックスセクションの真ん中には、ジェロームリチャードソンが陣取っていたが、彼もスタジオワークの主のようなもので参加したアルバムはクレジットのあるものだけでも多分数百枚だろう。そして、テナーのセルドンパウエルも同様である。2人の共通点は、自分がリーダーとなったアルバムが少ないということだ。どちらも4、5枚しかないので、せっかくの名人芸を聴く機会は限られてしまう。

このセルドンパウエルの数少ないアルバムの一枚がこの一枚。スタジオワークが多いプレーヤーは出番こそ多いが、当然他のリーダアルバムのバックの録音ではソロの出番はほとんど無い。特に、歌伴の大きな編成では。では、このようなプレーヤーがソロが魅力的でないかというと決してそういう訳ではない。このセルドンパウエルも、実にノリのよい、これぞテナーといった感じのプレーをする。中間派というのは確か大橋巨泉の命名だったと思うが、いわゆるスイングとモダンの間の中間派といった表現がピッタリな演奏だ。アップテンポな曲だけでなくバラードプレーも上手い。バックで参加しているアルバムを見ると、R&B、ソウル系の黒っぽいアルバムも多い。同じ中間派といっても、スコットハミルトンよりも多少灰汁が強いといった感じであろうか。

ジェロームリチャードソンにしても、このパウエルにしても、普段はあまり陽の当たらないミュジーシャンの溌剌としたプレーを聴くと、それだけでも気分が良くなるものだ。このアルバムは、パウエルをリーダーにセプテットの演奏だが、他のメンバーのソロは殆どない。いつもと反対にパウエルを前面に出してもっぱら他のメンバーは裏方に廻っている。ということで、このアルバムは全体を通じてパウエルのプレーが全編に渡って聴けるという貴重盤だ。タイトルどおり、「Seldon Powell Plays・・・・」に偽りは無い。



1. Go First Class          Powell 3:03
2. Why Was I Born?          Hammerstein, Kern 4:02
3. Love Is Just Around the Corner  Gensler, Robin 3:17
4. Someone to Watch Over Me     Gershwin, Gershwin 3:47
5. Count Fleet            Powell 4:28
6. Autumn Nocturne          Gannon, Myrow 5:19
7. Swingsville, Ohio         Powell 4:54
8. Summertime             Gershwin, Gershwin, Heyward 5:08


Seldon Powell Flute, Sax (Tenor)
Jimmy Nottingham Trumpet
Robert Alexander Trombone
Haywood Henry Sax (Alto), Sax (Baritone)
Pete Mondello Sax (Alto), Sax (Baritone)
Tony Aless Piano
Billy Bauer Guitar
Arnold Fishkind Drums
Don Lamond Drums

Recording Date on October 24, 1955 & November 14, 1956

セルダン・パウエル・プレイズ
クリエーター情報なし
EMIミュージックジャパン

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