かって第二次世界大戦中に日本の最大の友好国だったチベット。
経済封鎖された日本との交易を止めず、アメリカの中国への兵器輸送通行を拒否したチベット。
中国のチベット侵攻はその時の報復ともいえる。
日本はいつから情や恩義を忘れる国民になりさがったであろうか。
チベット人の苦悩はチベットを見捨てた日本にも大きな要因がある。
1950年頃から度々侵攻を繰り返し、とうとう1958年「開放」と称して本格的な侵攻を開始した。
1950年から1974年までに殺されたチベット人
戦闘や蜂起による死亡者 432,705人
処刑死 156,758人
獄死、強制労働収容所での死 173,221人
傷害致死 92,731人
餓死 342,970人
自殺 9,002人
チベット人死者 1,297,387人
但しこの数値はいわゆるチベットの3州のみの数値での死者数であり、いわば「これがすべて」ではない。それ以外での死者数も行方不明者も含まれていない。
チベット国民の同意無き儘、「中国」はチベットに対する占領統治と社会主義建設を強要。中国全土で数千万の死者を出した大躍進政策の時期、農業改革の失敗を契機に、中国政府による併合に抗議し遂には、国家元首であるダライ-ラマ14世の身柄確保を図ろうとした事で、怒り頂点に達したチベット民衆が一斉蜂起。動乱の最中、ダライ-ラマ14世がチベットを脱出。「世界の尾根」と称されるヒマラヤを越え、北インドのダラムサラに亡命政府を樹立し今日に至っている。
「チベット問題」を「我が国の内政問題」と嘯く「中国」の姿勢は、侵略の事実を正当化し開き直る詭弁以外のなにものでも無い。
1966年にはチベットにも「文化大革命」の波が押し寄せ、多くの寺院が破壊された。
中国のチベットでの情け容赦のない宗教破壊は、文化大革命時の6千を越える僧院と、膨大な数の宗教芸術品の破壊に見て取れ、そして、今日でも共産党当局の宗教に対する態度は少しも変わっていない。
チベットの学究と熟考の中枢である僧院には、中国当局の「工作隊」が駐在し、力ずくで僧や尼僧に政治的・宗教的信念の「愛国再教育」をしている。彼らの手法は文化大革命時に強いたものと同様で、1996年から1998年の間に、中国当局による「厳打」キャンペーンで492名の僧尼が逮捕され、9,977名が僧籍を剥奪された。
チベットの精神的・政治的指導者であるダライ・ラマ14世と、法王が認定したパンチェン・ラマ11世は公然と非難され、チベット人は中国政府への忠誠を誓うよう強制されている。忠誠を誓わない場合は、投獄やその他の形での処罰が科せられる。ダライ・ラマ14世の写真を所持することは、現在、チベットでは違法となっている。
チベット暴動
2008年3月10日に中国チベット自治区ラサ市において、チベット独立を求めるデモをきっかけとして発生した。
ラサ市内での暴動は16日までに鎮圧されたが、チベット民族が居住する四川省・青海省・甘粛省に暴動が飛び火し、欧米や日本、インド等でもチベット難民とその支援者達による中国への抗議活動が繰り広げられた。
デモはチベット自治区のラサ市で、1959年のチベット蜂起から49年目に当たる2008年3月10日に合わせて開始された。
英エコノミスト紙マイルズ記者の「私がラサで見たのは、計画的で特定の民族グループを標的とした暴力であり、対象とされた民族グループは、ラサで最も人口の多い漢族と、少数派の回族だった」との証言のように、3月14日に漢族・回族を標的とする暴動へ転化したとものであろう。
暴徒達は長剣やナイフで武装し、銀行、漢族や回族の商店を襲撃して略奪・放火・暴行を行い、その様子はCCTVを通じて世界中に配信され、中国側の鎮圧行動の説明に利用された。
近年、継続する中国人のチベットへの人口移入によって、チベット人が自らの地で少数派になっているという現象がおきている。現在、チベットでは、チベット人600万人に対し、中国人は750万人で、中国人人口の方が勝っている。経済開発・社会開発という口実で、計算され、政府が推奨している移住政策は、チベット人の経済・教育・政治・社会構造を軽んじたもので、それは、チベット文化を押しつぶす脅威となっている。
3月16日、四川省アバ州において、ラサ市内でチベット人が回族を襲撃した事への危機感と、回族犠牲者に与えられた残虐行為の噂が回族住民の怒りに火を付け、独立派チベット族の開いていた集会を襲撃した事に始まり、銃撃を含む衝突が発生した。
◆犠牲者数
中国当局はこの暴動全体での死者数を23人と発表。死者の民族別内訳には触れていない。
チベット亡命政府は死者数203人、負傷者は1000人以上、5715人以上が拘束されていると発表した。
死者数については、亡命政府は、独自の集計に加え、NGOチベット人権民主化センターの発表(死者数114人)、中国国営メディア(死者数23人)、米政府系のラジオ・フリー・アジアの発表(死者数237人)などの5団体の内容を照らし合わせて死者数を確定したと伝えている。
◆逮捕者
新華社によると、ラサ市暴動での逮捕者は953人、うち362人が自首。116人が裁判中であり、4月29日に30人の裁判が結審し、最も軽い者で懲役3年、重い者で無期懲役が言い渡され、6月19日・20日に12人の裁判が結審し、放火、窃盗、社会秩序騒乱罪、国家機関襲撃罪など19の罪状が認定された。
08年8月、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、08年3月のラサ暴動以来、当局の弾圧に対する抗議行動に参加したチベット族300人以上が秘密裁判で有罪になったと伝え、このうち5人が死刑、10人が終身刑の判決を受けた。
中国による占領と大量の中国人のチベットへの移住により、チベット語より中国語が有利になりつつある。中国政府は、すべての分野においてチベット語を無用な状態にすることで、チベット文化を抑圧している。中国人と共産主義イデオロギーによってコントロールされている、チベットの教育システムは、中国人移住者と妥協したチベット人達によって管理されている。チベット人学生は、法外で差別的な授業料を支払い、辺鄙な地域の設備の整っていない施設に追いやられている。