フランス人観察記録

日本人から見て解ってきたフランス人の考え方、行動についての覚書

「老後は京都に住みたい」と言って両親を驚かせた彼

2013年02月09日 | プロヴァンス

ちょうど奈良では「おんまつり(春日大社若宮の祭礼)」があったので、一緒に出掛けた。

時代行列を見て、たくさん写真を撮っていた。 

大阪へはフグを食べてみたいということで、クリスチャンと一緒に行ったお店を教えたがシーズンで「高かったので、ひれ酒と白子だけ食べたが、絶品だった」と言っていた。

白子なんてフランスでは食べるのだろうか? 

彼はとにかく食べるものは軍隊で鍛えられているので、なんでもトライする。

帰ってくるなり「最高においしかった」と、嬉しそうに言った。

最後の日に京都へ出かける前、「京都はそんなにいいところ?」と聞いてきた。

「長く都があったので、日本文化が集約されている」と答えた。

金閣寺、銀閣寺、南禅寺を見て帰ってきた彼の感想は「京都は素晴らしい」だった。 

実はつい最近のメールでは、両親と将来のことなどを話し、「老後は京都に住みたい」と言って両親を驚かせたそうだ。

彼はすっかり日本のとりこである。

 

こんな彼の二度目の滞在は、スムーズに見えた。

しかしやっぱり最後に一つの出来事があったのだ。 

実は彼のクレジットカードが使えなくなって、九州で滞在費を払うとき、その家の外国人の奥さんがフランスの銀行に電話を掛けて、口座間移動のような形の手続きをしてくれたので、払うことが出来たということだった。

キャッシングも出来なくて途方に暮れていた彼を信用して、少しの日本円を貸すことにした。 

「帰ったら必ず送る」という彼の言葉に嘘はないと思ったが、フランス人は「帰ったらプレゼントを贈る」と言っても送られてこないことが多い。悪気がなくても忘れることもあるから一抹の不安はあったものの、信用した。 

実際は帰国してから、すぐに送ってくれたのだが、このことについて彼だけでなく、ご両親が「自分の息子を信用してくれてありがとう。言葉が見つからないほど感謝しています」と言ってくれたのだった。

このことで私とジュリアンだけでなく、ご両親との絆も出来、リタイアしたら二人で日本に来たいと言ってくれている。

そして彼が両親の家に帰るたびに、私のことが話題になるそうで、嬉しい限りである。

 

三度目の来日はこれから半年もたたない、翌年の四月だった。

それは東日本震災後、多くのフランス人も来日をキャンセルしたなか、彼はやってきてくれたのであった。

この彼の気持ちは、日本へのエールに思え本当にうれしく、心からおもてなしをさせていただくことになる。

 

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