ベスパとロックと猫。

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ついにブログ開始から四年経ちました。

ベスパのエンジン。

2010-03-01 08:53:01 | ベスパ
小さい画像で見にくいですが、確認できます?




これは、ベスパのエンジンとそれに取り付けられた後輪です(フライホイールカバーは外してあります)。





なんと、これがベスパが走行するのに必要なものの全てなんです(ガソリンタンクは付いてませんが)。





こんなにコンパクトなエンジンに直接タイヤがくっついてる姿は、まさに「特異」ですね。





このエンジンとタイヤをセットにする機構は、「ダイレクトトランスミッション」とよばれ、ベスパが始めた後に世界中の後続スクーターの基礎となりました。





しかし、ベスパのエンジンにはそれを真似して作られた他のスクーターとは明らかに違う点があります。





それは後輪の駆動にチェーンやベルトを使わないという点です。





ではどうやってタイヤを回しているかというと答えは単純明快、変速ギヤ中心のドライブシャフトに直にタイヤをくっつけてあるんです。





なんと大胆な(笑)。





しかしこれによって煩わしいベルトやチェーンを必要としなくなったエンジンは、格段に整備性、耐久性が向上したわけです。





しかも、このエンジンユニットにリアサスペンションをこれまた直に取り付けてボディに吊るし、タイヤとエンジンが一緒にスイングする仕組みとしたことで不快なエンジン振動がボディに伝わり難くなり、スムーズで快適な走行感覚を手に入れることにも成功したのです。





もちろんこれらのアイディアは、あのダスカニオ博士を中心としたピアジオ社の技術者達のひらめきから生まれたもの。





あんたは神か!?ダスカニオ博士!?





…あ、このエンジンの方式は「クランクウェブ式ロータリーディスクバルブ」採用の「強制空冷2サイクル」です。





要するに、燃料と空気の混ざった「混合気」を低、高回転域どちらでもバラつき無く安定してシリンダー内に供給できるシンプルかつ合理的な方式で、写真中央のフライホイールと呼ばれる扇風機みたいのでエンジンヘッドに直接風を送って熱を冷やすというもの。
「ボンボンボンボンボン…」というリズミカルな排気音が特徴です。





ちなみに給油にはガソリンとエンジンオイルを混ぜ合わせる「混合給油」が必要なんですけど、その話はまた後で。





しかしこのエンジン、設計されてから今までの半世紀以上全く基本構成が変わらないまま、現在の「PXシリーズ」にも使われ続けているのは素晴らしいの一言ですね。
いかに優れた作りであるかがわかります。

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