軽音楽談話室(廃屋)

「琥珀色に魅入られてしまった人生・・」

Quatro / Suzi Quatro

2011-09-17 02:00:00 | 音楽
Suzi Quatro : Bass, Lead Vocals
Dave Neal : Drums
Alastair McKenzie : Keyboards
Len Tuckey : Lead Guitar

1.The Wild One
2.Keep A-Knockin'
3.Too Big
4.Klondyke Kate
5.Savage Silk
6.Move It
7.Hit The Road Jack
8.Trouble
9.Cat Size
10.Shot Of Rhythm & Blues
11.Friday
12.Devil Gate Drive
1974

黒のレザースーツを身に纏いロングスケールのベースを自由自在に弾きまくる・・・「姉御!気合い入ってますね!!」
スージー・クアトロのセカンドアルバムです。プログレ全盛期にこの作品を聞いていたのはいったい何故なんでしょうか。ハスキーな声と容姿(このジャケットのお姿は少し痛い)、姉御的な魅力に取り付かれていたのでしょうか?1曲目とラストが大ヒットしました。で興味はここまでで・・・後は知りません。アルバム2枚で終わってしまった印象があります。

1曲目 一番好きな曲ですね。イントロはうなりを上げるベースに叫びまくる姉御、テーマはミディアムながら痛快そのもの。一緒に歌いたくなります。サビも気合いが入り自然と体がリズムに乗ってしまう。間奏のギターパートは中の下、テーマをなぞるだけ。後ろのテーマはいつの間にか転調してキーが高くなっています。音域の広いボーカリストです。ううっっ・・懐かしい。

2曲目 入りは1曲目と同じ姉御の熱い語りから始まるロックン・ロール。似たようなテーマですが工夫が足りない。短いテーマ後まずはエレピのパート、ライブ仕立てのぴらぴらっと下ソロは及第点。テーマを挟み続くギターパートは先ほどとは違いウニャウニャペケペケといった感じで・・・再びの熱い語りを経てテーマを転調させながらの曲展開、中々カッコイイですよ。

3曲目 確かこの曲もシングルカットされていましたね、ミディアムなブルース・ロック、重量感があるボーカルがくねりながらうねりながら、そこらに転がっている男どもを蹴散らして闊歩するがごとく。1曲目2曲目はストレートな感じの歌い方でしたが、この曲はボーカリストとしての力量が発揮されています。そしてピアノも本領発揮と言ったところでしょうか。ううん・・・この曲良い曲ですね、気だるい重さが心地よい。

4曲目 ミディアムなブルースロックが続きます。コーラスはドゥーワップ(だったらブルースではなくドゥーワップじゃないか・・・・)、ボーカルは少し処理(ハスキーさを強調するためボーカルにエフェクトをかけています・・・ほとんどの曲は)をしていない生の声、艶っぽいですね。サビからは少し処理を施した気合いの入った歌い方。ロック姉御ではない魅力が味わえます。

5曲目 イントロはドワーッとオルガン、テーマは前の曲と同じ曲調、シャウトする場面でエフェクト処理が施されますが、そこがやはり盛り上がりますね。音域が無茶苦茶広く高音部の伸びが凄いですね。オルガンは結局スライドするだけ・・・

6曲目 軽快なロックン・ロール、イントロは中々カッコイイ演奏ですよ。テーマも軽快に、姉御のボーカルも最初から高音域を駆け巡る。インストパートはギターとエレピのソロ回し、テクは無いが意外と無難だぞ。外連味のあるリフ使いが功を奏しています。ギターとしてはここまででは一番の聞き所、もしかしてシングルカットしたのか?終わり方が酷い。

7曲目 ソウル・ナンバー、タイトな演奏に女性コーラスが雰囲気を作り出す。どこかで聞いた事のあるナンバーですが、ドスのきいた生の声で(ロック調ならばエフェクトかけるのですが)気合いの入りまくった歌い方が凄い。この人の本業はどこなんだ??ドラムは軽いけれど結構旨い。

8曲目 典型的なブルース・ナンバーです。タイトで重々しい演奏をバックに切々と歌い上げるボーカルは意外とライト?ピアノ・パートも工夫が足りない。全体としてリズム隊とギターが雰囲気盛り上げているのにフロントが軽め。後半テンポアップしてガシャガシャっとなりますが・・・面白味に欠けます。

9曲目 シットリとしたバラード、テーマの入りは松田聖子、生の声はハスキーと言えば言えなくもないけれど、それほど枯れた感じはしません。優しいバックの演奏に寄り添うようなボーカルが素晴らしい。1曲目やラストでシャウトする姉御とは一線を画す「お嬢様」ナンバー。ギターが珍しく感情のこもった素敵なソロを披露しています。同じ人間か?サビで目頭が熱くなる・・・これは名曲です。

10曲目 タイトなリズム・アンド・ブルース、少しファニーなボーカルが盛り上がりシャウトしまくるカッコの良さ。最初のギターパートはエコーをうまく使った良い音色の演奏・・・前半と同じ人間か??2回目は普通。語りと併走するキーボードパートは今一よく聞こえない。

11曲目 コーラスがドゥーワップなのでそうなんか?ブルース・ロックでしょう。続けて何曲か聞いていると生の声は別の歌手のようで、別の魅力がタップリとあります。ヒットした曲は本来のスージー・クアトロのスタイルではなかったようですね。ソロパートはキーボードからギターに流れる力強い演奏、後半にきてフロント陣のテクが向上しているのは何故なんだ?

12曲目 大ヒットしましたね、気合いの入った台詞からテーマに、これがとてもカッコイイ曲なのです。入りのうねるようなボーカルが聞き手の心臓を深くえぐります、そしてサビが最高「ダーリン、デビルゲイト!ダーリン、デビルゲイト!ダーリン、デビルゲイト、ドライブ!!」根底にはドゥーワップがありますが、圧倒的なハスキー・ボーカルの魅力が大爆発。この曲と1曲目は70年代女性ロック・ボーカルの金字塔です。

ヒットしそうな曲が盛りだくさん、捨て曲がほとんど無い素晴らしいアルバムです。元々ロックではなく畑違いの人なのでしょうか。ロックナンバーで聞かれるエフェクトをかましたハスキー・ボイスも最高に素敵(不良の姉御っぽくて)ですが、ロック以外の生のボーカルの魅力も素晴らしいボーカリストです。

大昔聞いていた箸休め的(当時はプログレのフルコース)な作品、作られたロック・アイドル的な存在だと思っていましたが、実力派だったのは今初めて知りました。前後1作品ずつ聞いて編集アルバムでも作りましょうか。






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