軽音楽談話室(廃屋)

「琥珀色に魅入られてしまった人生・・」

Good-Bye / 森田童子

2018-06-12 16:01:07 | 音楽
A1.早春にて
A2.君は変わっちゃったネ
A3.まぶしい夏
A4.雨のクロール
A5.地平線
B1.センチメンタル通り
B2.淋しい雲
B3.たんごの節句
B4.驟雨
B5.さよならぼくのともだち
1975

朝のニュースで森田童子の死去を報じていましたが、もの凄い違和感を感じました。テレビ主題歌さえなければ世間にとっては超マイナーな存在であり、私にとっては心の中の片隅に40年近くひっそりと生き続けていた存在、「全国ニュースにせず、そっとしておいていただきたいな・・」と言うのが正直な気持ちです。

このブログでもTVドラマの主題歌になって世間で流れているのを聴いた時にネタにしていましたが、13年前はまだ若い頃の熱が冷めていなかったのかなと、音楽に対しては凶暴さは維持しながらも、すっかりと枯れ果ててしまった自分の感性に加齢という重圧を感じてしまいます。

媒体としては再発アトランティックのLP4枚が存在したはずですが、1枚目-3枚目しか確認できませんでした。追悼の気持ちで3枚のLPを聴いています。今回の再ネタの1枚目はやはりトッチラカッタ感が少しあり、ヒット曲はあるものの纏まりとしては2枚目3枚目の方が上の様な気がします。

A面
1曲目 イントロのチェロが私を40年前に引き戻します、歌詞も青春哀歌の様な歌詞ですが、エロスは一切感じません。ピアノとギターと室内弦楽器、怠惰と挫折と別離・・・沸々と滾っている悲哀感が心にまとわりつきます。

2曲目 舌足らずの中性的な歌声、甘ったるい歌声ですが、歌詞がどん底を這いずり回っています。この頃の典型的なフォーク調の演奏、悲哀感がドップリの歌詞ですが、まだまだ童子の世界ではない。

3曲目 ゆったりとしたギターのアルペジオにゆったりと棚引く歌声、盛り上がりを見せて登場する「太宰」「睡眠薬」と言う言葉。太宰の本は形見になったようですので、睡眠薬で自殺したと言うことですね。「僕」は生きていますが。

4曲目 異質な曲です。明るく浮遊感のある楽しげな曲ですが、明るく「二人は今日別れる」、暗く「ぼくはもう決して、泳がないだろう」と言うことで、これも水死したと言うことですね。

5曲目 ギターのアルペジオ、淡々とつぶやく様な歌声、当然悲しみに満ちドップリと沈み込む曲ですが、ダイレクトな表現はありません。

B面
1曲目 バイクの音に、泣きのギター、軽快なフォークソング、「ロックハドソンのジャイアンツ」古い西部劇を見るそうです、離別の曲ですが悲壮感は感じません。

2曲目 これも軽い、アンニュイなボーカルが炸裂、青春の思い出を淡々と語る様に、B面ここまでの2曲は異質ですね。

3曲目 尺八が炸裂、和な曲、ゆったりとした展開から盛り上がりを見せ、祭り太鼓が暴れます。陽水の「夏まつり」に雰囲気が似ていますが、これも異質な感じがしますね。ファーストは意外と冒険が多い。

4曲目 この曲も悲哀感がタップリの沈み込んだ曲、雨の冷たさが感じ取れる様な。

5曲目 代表曲、この作品では「死」による別れの曲が何曲か出てきますが、自殺願望は「ぼく」には無い。友人が死んだことをきっかけに歌い始めたというエピソードを思い出します。この曲の歌詞の内容がダイレクトに彼女の気持ちを表しているのでしょうね。

星付けなきゃ・・・☆☆☆☆☆、神の領域ではありませんので最高位の☆5。

久々に3枚続けて聞き込むと、気持ちがドップリと沈み込みますなぁ・・・・・それがある種の快感なのですが、人によっては聴かせられない世界なのでしょうね。ついつい山崎ハコあたりと比較してしまいますが、あの人は「怨」の極み、森田童子は「哀」の極み。

昔何故か私は森田童子のファンクラブ会員になっていました。記憶はほとんど無いのですが、ある時期まで色々紙媒体が残っていましたが、今となっては何処に行ったやら・・・・ご冥福をお祈りします。








「二弦 撮影 高梨豊」LPのブックレットの他に写真が二枚入っています。これは「77年4月1日 金沢北国講堂」裏に詩の様なコメントが書かれています。



同じく「二弦 撮影 高梨豊」、これは「78年12月7日 京都会館にて」と同じく詩が書かれています。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 町村農場 | トップ | 八紘学園 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

音楽」カテゴリの最新記事