軽音楽談話室(廃屋)

「琥珀色に魅入られてしまった人生・・」

Waiting for the Moment / Johnny Case

2007-10-12 23:23:51 | 音楽
Johnny Case : Piano
Byron Gordon : Bass
Duane Durrett : Drums

1.Sister Sadie
2.I Want to Talk About You
3.Nica's Dream
4.Lewis Worrell
5.I Remember You
6.Soft Winds
7.Blue Clay
8.I Wish You Love
9.Waiting for the Moment
10.You Leave Me Brathless
2003

崩落現場第4弾。間違いなくジャケ買い(外れてもジャケットぐらいは救われる)をした物だと思いますが、あまりのオーソドックスさに印象がない。

1曲目 スイングするドラムにしっかりとウォーキングするベース、そしてピアノも軽快に楽しげに。ご機嫌な演奏ですが、今の音ではない。二昔前の定番ピアニストだったらこの手の演奏に拍手喝采ですが、知らないジャケ買いは決まってエバンス派だっので・・・・・・逆に当たりか? アドリブパートも一直線にご機嫌な演奏、もの上がりは無く最初からハッピーハッピーって感じですね。ベースソロも如何にも普通。ドラム回しも古典的。視点を変えればノリを楽しめる素敵な演奏。
2曲目 これは・・・・・・どう聞いても「ミスティ」の偽物・・・・コード進行も盛り上げ方も・・・・作曲は「B.Eckstine」と書いてありますので有名な曲なのでしょうね・・・・・どっちが先。シットリとした演奏は実に素晴らしい、これで「ミスティ」ならもう100倍素晴らしいに違いない。ミスティらしく弾きこなす・・・・この聞かせ上手は何処ぞのハウスピアニストか。
3曲目 シルバーの定番、曲特有のノリで軽快に走るテーマ、とてもゆとりがあるというか、落ち着き払った演奏です。ピアノパートに入っても変わることなくゆとりの演奏。抑揚というか盛り上げることがないので、聞く人によっては少しつまらないかも知れませんね。シンプルな構成のドラムソロも力強く手慣れた感じ。この曲にしては大変落ち着いた演奏でした。
4曲目 悲しげなアルコに落ち着きどころのないピアノ、テーマはモンク風、微雨ニストのオリジナルですね。まずはベースパートから、モッタリとゆったりとした演奏が長々と・・・・つまらない。結局テーマ以外はベースパート・・・・6分17秒
5曲目 曲調の違いで作品に抑揚を出している。モッタリの後は定番曲を明るく楽しげに。スタンダードを料理するのは上手ですね。アドリブも曲の雰囲気を決して崩さない外れない演奏です。手堅いそして懐が深いけれど奥は見えない。ここまで安心して聞いていられるアドリブも久しぶりですね。
6曲目 少しゆったりとしたテンポの定番曲、テーマは無難に、そしてアドリブパートはゆったりとしたテンポでも飽きが来ない。ベースも無難な演奏。曲としては前の曲の様な雰囲気がこのトリオには会っているかも知れません。
7曲目 ミディアムでブルージーな曲、一定の左手パターンを繰り返すテーマ、アドリブパートに入って今までとは違った雰囲気のアグレッシブな展開に少し驚く。ドラムも・・・・タイプが違うぞ・・・・別人の様。何でもこなせる器用ほにゃらら・・・かな。頭が先行している様なベースソロは面白みが全然無い。ドラムソロも今一つ。
8曲目 軽くドラマチックなピアノのイントロから、シットリと落ち着いた曲が始まります。決まっていますねぇ、文句の付けようがない素敵な演奏。このピアニストはどんな間も疎かにしないというか、間を持てあますことが絶対にない。
9曲目 再びピアニストのオリジナルはやはりモンク・フレーバーが香る曲です。あっ・・・・奥が見えた。そうかこの人の間の取り方・扱い方はセロニアス・モンクなんだ。絶対に走ることもなく一定のペースで淡々と進む。まさにモンクの奏法なのですね。で、音は外さないからスタンダードではモンクを全く意識させない。なるほどねぇ。
10曲目 最後もゆったりとしたスタンダード、実にはまりすぎた演奏です。アドリブパートもシットリじっくりと、絶妙な間が聞き手を飽きさせることなく引きつける。癒しにも通じる演奏ですね。

第一印象が想像とかけ離れていたので積み上げていましたが、なかなか私好みのオーソドックスな渋い作品でした。ミディアムで明るい定番曲は実に達者な演奏、円熟味が滲み出ています。でも人によっては辛いかな。

今日は何となくブログネタを書く気が起きずに、秋の虫の鳴く感傷的な夜をピーター・ハミルのボーカルでも心に染み込まそうと考えていましたが、0時前に何とか滑り込みました。書き貯めを止めていますので、気分次第で気の向くまま更新と言った感じですね。さて、「スティル・ライフ」でも聴きましょうか、CDではなく当然LPで。



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