自然とデザイン

自然と人との関係なくして生命なく、人と人との関係なくして幸福もない。この自然と人為の関係をデザインとして考えたい。

自然と人類の一員である我々の幸福と永続性とは

2017-06-01 13:22:52 | 自然と人為


金子みすゞ大漁(たいりょう)は、私の大好きな詩だ。

朝やけ小やけだ          浜は祭りの          
大漁だ                ようだけど               
大ばいわしの            海の中では          
大漁だ                 いわしのとむらい
                     するだろう               

 祭りの人には言えないけれど、魚の気持ちに心がいく金子みすゞが愛おしい。その金子みすゞは夫との心の戦に敗れ、死しても自分の世界を守る道を選んだ。世間では死んだら何もかもお終いと思うけど、死んだ後にも残したい世界があってもおかしくはない。金子みすゞは詩の世界で残してくれた。生の欲動より死の欲動が強くなる時、いや死の欲動とまでは言わないまでも、自分の死が近づき自然に戻ることを意識する人は、自分の大切にしたい自然と生きる世界の永続性を死後に、次の世代に求めるのではないだろうか。

 現実の世界は「建前」と「本音」で成り立っている、と言われる。多くの人が住む国も社会も基本的には競争社会であり、勝者の為の「建前」と「本音」があり、政治も経済も勝者に属するための「建前」と「本音」で踊り狂う。しかも日本の政治の世界では権力という暴力で親分(総理)のご意向だとして、「本音」を「建前」として押し付ける支配欲に生き、人の心を持たない野獣・ヤクザの様な寸劇がテレビで報じられ、日本という国はこんなに下品だったのかと恥ずかしくも悲しくもなる。
 参考: 悪の官邸にワルの役人
      政権の代弁者"・山口敬之と安倍官邸の癒着(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)
      前川・元事務次官の発言(2)(3)(4)(5)  前川発言とメディアの対応
      「危険視される安倍政治」、国連報告書(2)(3)(4)(5)5-翻訳
      官邸が国民を支配する共謀罪(2)  加計・森友問題(2)(3)
      現代日本政治の原点『明治維新』と安倍政治(動画)(2)

      宗教の声と沖縄の叫び(動画) 
      鈴木大拙「有限な科学と無限の宗教」翁長沖縄県知事国連スピーチ


 東京オリンピックの頃テレビが伝える現実に興奮した時代もあったが、今の大衆社会で「アメリカの属国」に甘んじる安倍内閣の支持率が落ちないとしたら、それは「強い国」への憧れだろうか。それとも政治への無関心からだろうか。私にはテレビによる「仮想現実の魔術の世界」から多くの人が抜け出せないだけのような気がする。人生100年時代を迎えるそうだが、我々は自然の中に生きる人類の一員として、いずれ自然に還ることを実感する年齢となり、まずは自然と日本人とは限らない隣人を大切に生きることの原点は何時の時代も変わらないことを伝えていきたい。

初稿 2017.6.1 更新 2017.6.4 資料追加