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幕府公認の遊郭・新吉原の掟

2010年06月29日 | 池波正太郎 江戸時代

 華の御江戸にふさわしい浅草の名所といえば、 もちろん江戸幕府によって公認された遊廓・吉原遊廓であろう。 当初は日本橋近くにあったが、明暦の大火により、浅草寺裏の日本堤に移転された。 多くの男性が浅草寺の雷門から仲見世通りを抜けて浅草寺の仁王門・本堂・護摩堂を立ち寄って北の新吉原へと繰り出したのである。  浅草寺仲見世に当時多かったが、今となってはなくなった店というのが「楊枝屋」である。 浅草で夕飯をとったあと、楊枝・・というから、口臭を防止するためのものであるが、これは男として身だしなみを整えてお気に入りの女性を指名するわけだ。 そのうち身だしなみを整える・・の意が楊枝屋という業界用語にかわる。 現在の女性がこぞって京都の油取り紙を「よ~じや」で買い求めるが、もちろんデート前の身だしなみ用でもあり、楊枝屋が由来である、というのは単なる私の思いつきである。 ところで、遊郭を知れば楊枝の意味がわかってくる。 遊郭は男が遊女と遊ぶところであるが、遊郭にいき、料金(揚代という)を支払ったからといってすぐに肌を合わせることはできない。 最初は宴席を設けるだけなのである。 そして二回目の指名をすることを「裏をかえす」というが、お客はそれでも肌を合わすことはできない。 ほとんどの場合は口もきけずに揚代に加えてご祝儀を払うのである。 そして3回目の宴席にしてやっと馴染みになれて話せるようになる。 ところが、肌を合わせるには遊女に気に入られなければならない。 つまり断られて、今までの揚代・祝儀が無駄になることもあるのである。 また、馴染みになった客が吉原内で浮気をして他の遊女を指名することはできない。 発覚すれば罰が待ち受けていたらしい。 そこで、遊女もさるもの・・・男心を巧みに操っては多くの常客を獲得しようとし、客側も上手に遊ぶことによって、自分が「粋」であることを自慢するのである。 かくして浅草寺仲見世を代表とする遊郭のまわりには多くの楊枝屋があったのである。 当時、新吉原に指折りの遊郭 「海老屋」というのがあった。 恐らく海老屋の常客となって通うことが江戸一番の粋な男性ということになったのであろう。 ただしこの習慣は江戸末期には無くなるほうこうにいったらしい。

 浮世絵師で有名な安藤広重は、吉原遊郭を含む江戸百景を描いている。 江戸の同心・安藤広重が東海道五十三次を発表して華々しく浮世絵の世界に出たとき、名を歌川広重と変えたが、遊女の絵を描いたときには一立斉広重と名乗っている。 遊女の色々な姿を描いた浮世絵が、評判となって世に出回り、後の世になると世界的な評価を得たのはいうまでもない。 ところで、遊女の生活をある本から紹介するとこうなる。 10:00起床後、入浴など身支度を整えると「昼見世」が昼九つ(12:00)から始まり、夕七つ(16:00)に昼見世がひけると、暮れ六つ(18:00)に「夜見世」が始まるのである。 暁八つ(2:00)に就寝で、暁七つ(4:00)が泊り客の帰る時間となり、これを「後朝の別れ」 という。 後朝と書いて「きぬぎぬ」というが、これは平安用語で、平安時代には後朝を3回経験することは、結婚を了承するという意味があった。 この習慣によって無駄な離縁を防ごうというのである。 3回経験すると遊女との交友にこぎつけることができた・・・という遊郭の習慣は、平安時代の婚儀の習慣に極めて似ているから、その関係性は密であると思う。 遊女の生活もこうしてみれば結構重労働である。 遊郭の特徴といえば、「張見世」というお客が遊女の品定めをするスペースである。 当然通いつめてくれるお客が少ない遊女は、妓楼との間の格子の内側でお客から品定めされるが、遊女の中の遊女はそのようなことは不要である。 新吉原遊郭の遊女はおよそ3000人いたといわれるが、そのほんのひとにぎりの、礼儀作法から芸事に至るまで精通した遊女のことを「花魁」といった。 現在でも「花魁道中」と称して、花魁が高下駄を履き、数十人の付き人を従えて揚屋と茶屋の間を行き来する姿が再現されることがあるが、 広重などは浮世絵で多くの花魁を描いている。 是非一度、花魁姿の女性を遊郭風のスタジオで撮影してみたいものである。

浅草寺五重塔の北側には新吉原遊郭があった

 

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