コリジョン・ルールは日本野球を活性化する

 今シーズンからホームプレート上でキャッチャーが不要なブロッ
クを禁止するコリジョン・ルールが導入されて話題を呼んでいる。

 どちらかといえば‘クロスプレーの醍醐味が薄れる’という形で
賛成よりも否定的な意見が多いのだが、よくも悪くも変化を嫌う人
達が多いなという印象が強い。

 17日のサンデースポーツで元ドラゴンズの和田一浩が‘点を取る
か取られるかというクロスプレーの醍醐味がなくなるのは残念だが、
もともと野球は点の取り合いなのだから原点に返るという意味では
いいのではないか’と語っており個人的に我が意を得たりと思った。

 MLBでは基本的にサヨナラ負けのピンチでもない限りノーアウト
もしくは1アウト3塁で全身守備は敷かないし、投ゴロ以外はバッ
クホームをせずにオートマチックに1塁送球して1点と引き換えに
アウトカウントを稼ぐのがセオリーだ。

‘ベースボールのベストスコアは8-7’という思想が根底にあるMLB
では当然の発想で、目先の1点を嫌がって大量失点をするリスクを
避ける側面が強い。

 ところが日本では特に短期決戦になると下手すれば‘先取点を取ら
れたら負け‘とばかりに1回からクリーンアップでも全身守備を敷く
ケースが多々あるのだが、これは高校野球をはじめとしたアマチュア
野球がトーナメントで行なわれるため先取点を与える事を異常に嫌
う気質が染み付いてプロまで引きずっているとしか思えない。

 73年夏の銚子商-作新学院戦では10回に銚子商が2アウト2塁
からライト前ヒットで明らかなサヨナラの場面を小倉偉民捕手が、
ホームベースを完全に隠すブロックでホーム突入を阻止した事から
以後クロスプレーの場合はホームベースの一部が見えるようにしな
いといけないというルールができた。

 とはいえ77年夏の1回戦で1回に都城が2アウト2塁から4番が
ライト前タイムリーを放ち先制した場面で対戦相手の酒田工の捕手は
ボールが返球されてないにも拘らず、ホームベースを股ごすように
立っていて‘あれは危ないプレー’と解説の山本栄一郎氏から批判さ
れたようにキャッチャーは本能的にホームベースをブロックしたがる
ものだろう。

 そういう体質を変えるのに今回のコリジョンルールは最適で、
和田が言うように‘点を取られても取り返せばいい’という意識
変革につながるものと思う。

 キャッチャーが不用意なブロックができないという事はランナ
ーがアグレッシブな走塁をするので、更にスリリングなシーンを
見る事が以前よりもできるのではないかと思うのだ。

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