ヘアサロンうつのみや・オーナーのスポーツやヒーローもの、雑談ネタを徒然なるままに
こーじ苑
イノさんのトランク~黒澤明と本多猪四郎 知られざる絆を見た
数日前のスポーツ紙に「黒澤明が本多猪四郎に宛てた手紙が初めて公開
される」という記事が載っていたのを何気なく読んでいたのだが、12月20日に
NHKのBSプレミアムで本多猪四郎監督の奥さん・キミ夫人が語る「イノさんの
トランク~黒澤明と本多猪四郎 知られざる絆」というドキュメントとしてOAされる
と記されていたので早速昨日見たのだった。
本多猪四郎監督といえば言うまでもなくゴジラシリーズの監督だが、どうしても
東宝特撮作品になると特撮監督の円谷英二の名前の方が前面に出て本多
猪四郎監督の存在は薄めになりがちだ。
だから円谷英二のドキュメントは語られても本多猪四郎を語るドキュメントは
なかなか見られなかったし、来年2月が没後20年目になるので こういう企画が
できたのかと思いTVの前に座ったのだ。
「イノさんのトランク」で語られるエピソードは拙ブログで本多猪四郎監督に ついて
記した内容と ほぼ同じなのだが、大いに興味があったのは本多監督が黒澤明
監督の影武者以降の作品を演出補佐として協力するようになったかという事。
本多監督 最後の監督作品はメカゴジラの逆襲で、奇しくも84ゴジラで復活する
前 最後のゴジラ映画になっていた。
今回のドキュメントで知ったのが本多監督は72年限りで東宝を退社していた
という事で、帰ってきたウルトラマンやミラーマンに流星人間ゾーンなどTV特撮
作品の演出をしていた頃には東宝を辞める前後だったのだろう。
それがメカゴジラの逆襲の翌年に黒澤監督が本多監督の自宅の近くに引っ越
してきて一緒に映画を作ろうという話になり本多監督が最初に演出補佐で協力
したのが影武者。
その時に‘2人のコンビで5本は撮る’と言っていたら‘乱’や‘8月のラプソティ’
などを一緒に作り‘まぁだだよ’が5本目で、それが完成した直後に体調を崩して
入院し末期ガンというのが判明して93年2月28日に亡くなったという事らしい。
これを見ると最後の最後まで現場で生きる人だったのが分かるしく黒澤監督
との約束を完遂して亡くなったというのも本多監督の人柄が よく現れている。
黒澤明や円谷英二など芸術家肌の監督は納得行くまで妥協を知らないが、
本多猪四郎という職人肌の監督と組む事によって素晴らしい作品が作れたの
だろう。
ちなみに2人に ついて語っていたのがX星人統制官などを演じた土屋嘉男で
最後に映画で見たのが91年のゴジラvsキングギドラ以来だったから20年ぶり
だったが、やはり老けたなと思ったものの健在で嬉しかった。
最後に本多監督のトランクの中から亡くなる4ヶ月前の92年10月15日に
‘新ゴジラ’のメモがあったと紹介されていたので黒澤監督と5本を撮るという
約束を果たした後に新しいゴジラを撮りたかったのだろうか?と語られていた
のだが、それを聞くと平成の世に作られた本多監督のゴジラをもう1度見て
みたかったと思ってしまう。
« 生きるために... | ノストラダム... » |
『イノさんのトランク』がCDドラマになり、
そのナレーションを佐々木剛さんが担当します。
来月26日には、出版記念イベントもあります。
私、NHKの番組予告を聞いて、
「ん!? イノさんのトランク って、どっかで聞ーたな~??」
なんて、呑気に考えていたんですよ。
先週の忘年会で、直に聞いているのに、忘れていたという…(シラフだったのに~)
やっぱ私って、バカぁ~!!!
とりあえずNHKは基本的に再放送がありますので、
サイトをしっかりチェックしておけば見るチャンスはあると思いますよ。
しかしCDドラマになって佐々木剛氏がナレーションとは素晴らしいですね。