Gladrags: Katia & Marielle Labeque
ユアヒム・ベーレントというドイツのジャズ評論家が誉め殺したジョン・マクラフリンが、その当時の流行の美人ピアニスト姉妹にラグタイムをやらせてみた企画物のLPである。
美人姉妹だから絵にはなるのだろうが、どうということはない。流行が下火になったころ中古で入手したから、さほど惜しくもない。
ラグタイムはスコット・ジョプリンの時代のもので、自動ピアノで録音したLPを3枚ほどコレクションしているが、手廻しのロール・ピアノと美人姉妹の連弾とでどれ位の違いがあるのかもよくは判らない。
どうせ、この時代のものを企画するのならエリック・サティにしてくれたらと想ってしまうのである。
このラベック姉妹は、ロス・アンジェルス・フィルとガーシュインを録音したLPの方が好きなわたしである。
プロデュースしたジョン・マクラフリンはどうしたのだろうか?70,80年代にあれほど活躍したのに、ちっとも噂を聴かない。やはり誉め殺されてしまったのかも知れない。
"誉め殺し"というと竹下登が総理になるとき右翼が街宣車で盛んにやっていたのを眺めていたが、その前に日本文学の世界では、武田泰淳の誉め殺しが有名だったのだ。新人の作家を、武田泰淳はとにかく誉めた。それで新人作家は舞い上がってしまいだめになる。武田泰淳は別に意識はなかったと想うのだけれど、なにぶん文壇の重鎮が誉めるわけだから、大多数の新人作家は、己の才能を過信してそのまま消えてしまったとの事である。竹下登のとき皇民党がやったのは、見え見えだったから本当の誉め殺しとは違うような気がする。
ジョン・マクラフリンがこのままとしたら、ユアヒム・ベーレントという評論家も罪作りな人だ。
"Gladrags" EMI(ENG)EMD-5541 Katia Labeque, Marielle Labeque (p) Francois Jeanneau (arr) John McLaughlin (produce) 1983 Mayerl:Honky-Tonk / Joplin:The Entertainer / Gershwin,Donaldson:Rialto Ripples / Joplin:Antoinette / Joplin:Magnetic Rag / Johnson:Carolina Shout Joplin:Maple Leaf Rag / Joplin:Elite Syncopations / Joplin:Strenuous Life / Joplin:Stop-Time / Joplin:Bethena
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2005/04/09 ものずき烏 記