ぼんくら放浪記

Blogを綴ることによって、自分のぼんくらさを自己点検しています。

髑髏銭

2007-07-18 05:10:00 | 読書
梅雨空でじめじめした天気が続きますので、外出する機会も少なくネタがありません。

ぼくらが惚れた時代小説』で縄田一男さんが1番に推奨されていた『髑髏銭』を読みました。

実はこの本、当初どこの本屋に行っても置いてなかったのです。    

今は大きな本屋ではどこにどんな本が置いてあるか検索できるようになっています。
あっちこっちの本屋に行く度に検索するものですから、店員さんも気付いたのでしょう。
おそらく検索をしていたのは私だけではなかったと思います。

暫くすると本屋の一角に積んであったことがありました。

     

装丁の絵も今風ではありませんし、字が少しばかり小さい上に2段組みになっています。

頃は将軍・綱吉が生類憐れみの令を発した時代、一人の男に手渡された包みを受け取ったことがお小夜の運命を変えていく。その包みの中には猫の死骸が入っていた。
行く手に現れる謎の真っ黒な猫、死体の瞼を覆っていた2枚の髑髏銭。髑髏銭には浮田家の莫大な財宝の秘密が隠されている。髑髏銭の謎を解く『精撰皇朝銭譜』は柳沢保明の邸内奥深くにあった。

祖父・駿河大納言忠長を徳川家の図りごとから切腹させられた孫・神奈三四郎が綱吉に政道を朝廷に返せと迫る。戦火に荒廃する天下を治め、あまねく文政をしき国家に平和をもたらせた功績は徳川家にあったが、三代の世にその辞は通用せぬと。

浮田の血筋を引く殺人鬼“銭鬼灯(ぜにほうずき)”がおおいに子供好きであったり、お小夜と瓜二つの柳沢保明の娘“檜”の採る行動、大泥棒だが三四郎には全身全霊を以って手助けする“念仏の仙十郎”、三四郎に純愛を抱く女スリの“お銀”、そのお銀ただ一人を慕う銭鬼灯、銭鬼灯の父親“浮田左近次”を大火の夜に襲って殺した浮田の財宝を狙う銅座の赤吉、と登場人物の絡みで物語りは進んでいくが、主人公は三四郎だったのか、或いは銭鬼灯だったのか。

最終章で柳沢を騙した銅座の赤吉は銭鬼灯と相打ちに、三四郎は決して許せぬという綱吉、三四郎とお小夜を助けるために綱吉の側に行くことを決意する檜、苦渋に滲む保明の採った道とは・・・

ここでは書き尽くせないもっと深い人間関係が描かれています。是非ご一読を。


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