Tsuny'sブログ

老人が感じた日常生活を気ままに綴ったあれこれ

冬のくら -3 (積雪を待つ人々)

2009-11-30 22:15:07 | インポート
11月12日の雪が今季で一番多い積雪だったような気がするんです。

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今日は、雨が降ったり止んだりの天候( 最高気温が3.6℃/最低0.8℃)で、街中は全く無いのに自宅付近はわずかな残雪です。

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もうこの時期には根雪になっていて当たり前ですが、雪のないまま明日から12月がきます。

雪がなく暖気なのは車の運転し易さ・雪のけ(除雪)の労力・暖房費の軽減などに影響し大助かりです。
外出時には、降雪や雪道に対応したコートや冬靴などにも、当然大きな違いがあります。

ところが、雪がなければ仕事にならない職業の人々は、雪を待っています。

例年だと、12月1日がスキー場オープンが普通ですから、 スキー場のことがすぐに思い浮かびます。

ウインタースポーツ用品を早い時期に店頭に並べた店は、やきもきしているはずです。

昔の話しですが、やっと降ってきた雪が「オサツに見えるほど嬉しい」と入っていたスポーツ店主を思い出します。

整備した機材を揃えて待っている除雪業者にしても、降雪・積雪がなければ仕事がないことになり、同じような現在の心境でしょうねー。

除雪用具・灯油や積雪仕様の靴など、雪が降り出すと売れ出す商品は多いはずです。

雪が降ることで景気がよくなることって、あるのかもしれません。

明朝は、マイナス5℃の予報ですが、降雪はないようです。

木版画つくりの楽しい時間

2009-11-29 22:20:22 | Arts
版画の種類は多様で、表現方法も自由になってきました。

一般的に年賀状版画の多くは木版画が多いようなので、その出来映えを鑑賞する楽しみがあります。

今日の「はぎわらギャラリー」での「版画ワークショップ」で、木版画の彫刻刀の使い方や刷りについて、あれこれと試みが多く、新しい技をつかんだようです。

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彫刻刀に左手の指を添えることは、刀の角度を安定させ、ブレーキの役も果たせし、すべって左手に傷をつけるのを防ぐことも出来るので、有効だと思います。

片手だけを使っていた人は慣れるまで、ぎごちない様子に見えましたが、すぐにスイスイと彫っていました。

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刷りの時間が少なかったので、十分な研修には至りませんでしたが、版と紙の湿り具合いの調和が、刷りのよしあしに関係あることは理解できたようです。

今までと違った刷りの効果に、目からうろこが落ちたように満足した喜びの笑顔が見えたので、よかったと思いました。

日本の木版画は、湿気の文化だと思うのです。湿気の少ない北海道のように土地柄をでは、十分な湿気が必要なのです。

年賀状版画は葉書の紙に刷るため、紙の性質を十分考慮しなければなりません。

官製の版画状には、現在版画用の葉書の販売は無いようなのです。

和紙ではない官製の年賀状葉書は版画用紙とは違って、特殊な紙だと思った方がよさそうです。

インクジェット用の官製葉書の紙質が、木版画に合うのかどうかは、その紙質にどう対応刷ればいいのか不明で、種々の試みをまだ行っていません。

いずれにしても、気温が下がる時期に年賀状版画つくりをすることになりますが、室内の温度や湿度を上げておかないと、版木も紙もすぐに乾燥してしまいます。

いい絵が彫られているのに、刷りがいまいちのため、せっかくの絵が生かされていない年賀状版画が多いような気がします。

午後4時で終了予定のところ、楽しい版画つくりに熱中して時間の経過も忘れてしまい、5時半過ぎまで充実した刻でした。

久しぶりのイモ版画つくり

2009-11-28 22:24:33 | Arts
「はぎわらギャラリー」での版画ワークショップの試作として、久しぶりにイモ版をつくってみました。

安売りの八百屋さんで、6個200円で買った特大の馬鈴薯の一つを半分に切り分けて長径約8cmの断面ができました。
断面が平面になるように切るのが重要なのです。

  

原画と下絵を確認して水性ペンか墨汁筆で、断面の水分をよく拭いて描き込みます。

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柔らかいので切り過ぎないように、デザイン用のカッターナイフで斜めに突き刺すように彫ります。

文字は左右逆に彫りますが、太めの方が彫りやすいのです。

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断面はスタンプ台のように湿っているので、水性絵の具をあまり水で薄めずに、筆でなぜるようにつけます。

凹部の絵の具を筆を立ててチョンチョンと吸い取るのがコツです。

印鑑を押すように、適度に押さえつけるときれいに仕上がります。

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複数の色を使うと、いろいろ変化のある仕上がりになります。

イモ版ならではの、手つくり感のあるソフトで温かい表現で仕上がります。

今日の試作では、文字の彫り方に不満なところがあって、刀の使い方が課題です。

気軽につくることができるので、イモ版はおすすめです。

初めての版画技法書

2009-11-27 22:36:10 | Arts
この頃読まなくなっていた版画の技法書2冊が、 本棚の片隅にあったので、あらためて開いてみました。

木版画について川上澄生著「版画」は、1959年に著者ご本人からサイン入りで頂いたもので、当時この本の内容を話題にしながら、版画鑑賞の心得や技法などを直接教わったのです。

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この本の化粧箱の帯には、棟方志功の文章があり「東峰書院板刊の「版画」といふ御本が、我国の版画界の大家、また大先輩の川上澄生先生が著はしたといふことは、版画が全世界の注目の所存を得て、これこそ版画における、特に木版画の全智、全能をこの大著者と当を得た板刊者に依るこの「版画」に今こそ、真に見入る事の出来ました無上と無限である事であります。」と綴られた興味深いものです。

本当に内容は濃いもので、技法と鑑賞の手引き書として貴重なものです。

銅版画については、版画に興味をもちだした頃に入手した菅野 陽著の「銅版画の技法」という本です。

    

銅版画の知識の薄い者にとって、読んではみたものの少しの経験では難しいけれど、唯一の技法書でした。

銅版画の師を持たなかったので、この本頼りの独学で、我流ながらなんとか作品を発表していました。

日本版画協会展に応募を薦められて入選した折りに、版画展の事務所で、偶然にも「銅版画の技法」の著者である菅野 陽さんに会うことができました。

あまりにも初歩的な愚問にあきれてはいましたが、親切に応答してくれたました。また、次の日にアトリエに招かれ指導を受ける絶好の機会を得ました。

これらの本を唯一の技法書としていましたが、50年経った今読んでも十分役立つ新鮮で詳しい内容がギッシリ詰まっています。

基本から勉強する教本として、生かしたいと思っています。

版画制作の入り口を顧みる

2009-11-26 22:47:36 | Arts
版画制作に係わった頃のことを思い出していますが、本格的な・・・と問われると、どの時点かはわかりません。

1975年頃に縁あって版画家川上澄生先生に出会い、直接個人指導を受けたことも、版画制作の入り口に深い関係があります。

川上澄生先生からは、版画芸術のあれこれと興味深い話しを交え、こんなことまで教わっていいのかと、恐縮しながら木版画の手ほどきを受けたのです。

丁度、小学校の教育課程に版画教育が取り入れられた頃で、熱中して木版画指導にあたっていたので、とても役立ちました。
子どもの楽しそうな版画つくりに影響されて、自分でも版画をつくろうと始めたのが、技法書頼りの銅版での我流メゾチントでした。

木版画ではなくメゾチントで版表現を最初に試みたのは、浜口陽三作品を美術雑誌の写真に魅了されたからのような記憶がります。

油彩画で抽象画を描いていたのですが、ほんのお遊びくらいに思ってメゾチントで版画をつくったわけです。

思い付きの気ままに、全日本年賀状版画コンクールにメゾチント作品で応募したところ、佳作受賞となってしまい、メゾチント作品で版画の道にも踏み入ったのです。

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     1961年頃に創った作品のひとつ

版面全体にピッチの狭い平行線を交差させ細い線を刻み、その面に凹凸や平面に加工する技など、銅版画専用の道具の扱いは自己流でした。
その後エッチング作品などに発展して、木版画に進む過程でいろんなことを沢山試みましたが、川上澄生先生との出会いがあってのことと思っています。

現在の版画制作は殆どが木版画ですが、日本文化としての伝統的な木版画の流れを大事にしたいと思っています。