私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

防衛白書は「中国海軍艦艇の動向注視」~〝active〟な防衛体制と精神の確立を

2005年07月07日 | 極東情勢(日本とその周辺)
蒸し暑いこの時期は昼飯食ってもじっとり・・・・という訳で、さっと食べられるザルそばや冷麺の類に走りがちなここ数日であります。そんな個人的事情(?)もありまして、いきなり本題ですが、

◆中国海軍艦艇の動向注視」防衛白書の概要が判明 (読売)

・東南アジア地域の海上の安全確保に関する項目を新設→マラッカ海峡での海賊行為の頻発などが背景
・中国に関する記述の大幅増加→軍事費の増大とガス田開発に連動した海軍の外洋化への警戒
・北朝鮮の核開発やミサイル実験などの動きへの懸念→弾道ミサイル攻撃への対処

特徴としてはこういったところでしょうか。(参考:16年度版「防衛白書」)
記事を読む限りでは、先月4日にインドネシアで行われたアジア安全保障会議を踏襲した内容で、特段目新しい点は見受けられないようです。もっとも、この一月の間に、中国はロシアと共同軍事演習を行ったり、上海協力機構(SCO)国家主席首脳会談や大メコン圏(GMS)首脳会議で、資源権益の拡大も意図する周辺国抱きこみを図り、SCOの席上では中央アジアからの米軍撤退を要求する動きを見せていますので、こうした覇権行動の背景とその周辺にも注意を払う必要があります。
一方、北朝鮮の党機関紙は、核放棄優先に応じぬ姿勢を強調 し、ツッパリ強硬路線は変わらず、といった感もありますが、ちょっと気になる報道を新聞で目にしました。

◆米国防科学委員長「北朝鮮、核爆弾6-8個以上保有」(日経)

「北朝鮮の核関連施設への空爆は実施困難で、事態打開に向けた有効な選択肢ではない」とは、〝空爆そのもの〟が有効な選択肢でないという意味なのか、それとも単に〝核爆弾のアジトへのピンポイント空爆〟が困難だということなのでしょうか?
期せずして、梅雨のこの時期、まさに「寝耳に水で」百足に刺されたことを思い出した次第(田舎にいた時分の話ですが、これは本当に痛かった・・・・)ですが、あの嫌らしい百足も頭を潰せば一発です。それと同じで核爆弾のアジトのピンポイントは困難でも、軍や政府のオペレーションを叩けば済む話なのかな、という気もいたします。勿論米国がどう判断するかは別問題ですが、〝チキン・レース〟もほどほどにしておく方が北朝鮮のためでもあるのは間違いないでしょう。板垣英憲氏も、北朝鮮が「核開発を放棄」して「白旗」を上げ、米国の軍門に下る方が得策だと主張されています。

「弾道ミサイル攻撃への対処」については白書にどのように記されるのでしょうか?もしそれがMD頼みの防衛一辺倒というのであれば、正直薄ら寒い思いは否めないですね。(MD概念図:スポーツ新聞に載っている競馬の予想屋の広告同様、自ら言うほどは当たらんでしょう・・・・)以前、平成6年に防衛庁が北朝鮮のミサイル基地を「先制攻撃」する作戦を検討し、航空自衛隊の戦闘機による攻撃のシミュレーションを行っていた件にちょっと触れましたが、 昭和三十一年の鳩山内閣総理大臣答弁及び昭和三十四年の伊能防衛庁長官答弁で示された、
「誘導弾等による攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能である」
旨の見解は、確かに「自衛の範囲に含まれ、可能」であっても、「専守防衛」方針からは逸脱するものでしょう。(少なくとも、産経の記事のように「何ら問題ない」ということはない)したがって、政治判断も含め、そこのところを早急に詰めておく必要があります。
専門用語は存じませんが、このような〝active〟な防衛の方が、「専守防衛」という名の〝passive〟な防衛より効果的なのは素人目にも判ります。日本には、眼の前にある現実を顧みずに何でも反対するのを生きがいにしている奇特な人たちがいるようですが、「専守防衛」というのは、ミサイルの着弾等により多大な被害を受けた後に動くという話であり、したがって、血を見るのも必至なのだという点をよくわきまえておくべきでしょう。

北朝鮮の説得役の中国は、以前から六カ国協議再開に向けて真面目にやっているようにはとても思えませんが、何となく思ったことながら、米国の北朝鮮空爆を密かに期待しているという可能性はないでしょうか。私が人民解放軍の王監督(?)だったら、その間隙を突いてノー・ガードに近い尖閣にまず攻め入り、そして台湾を狙うでしょうね。かつて、朝鮮戦争のどさくさに紛れてチベットに侵攻した時のように・・・・
何れにせよ、西方域の防衛体制の整備(F15沖縄配備計画の前倒し、下千島空港の軍用共用化、八重山・石垣への自衛隊常駐、対潜哨戒能力の見直し等)が急務であるのは疑う余地がありませんが、〝仏作って魂入れず〟では全く意味がありません。
スイス政府の『民間防衛』には、「国防は、まず精神の問題である」と記されていますが、現実を直視したうえで「如何に防衛するか」という確固たるフィロソフィーを打ち出すことが、我が国においても肝と言えるのではないでしょうか。

※写真・・・・花蓮、南濱夜市

「平和と自由は、一度それが確保されたからといって、永遠に続くものではない」(『民間防衛』スイス政府編)

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7 コメント

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ファントムは沖縄に残すべし (KWAT)
2005-07-07 15:26:57
 こんにちは。那覇のF-15配備計画というのは、今いるF-4飛行隊と百里のF-15飛行隊のどちらかとが交換されるという話ですよね。でもF-15は空対空戦闘には向いてますが空対艦ミサイルや精密誘導爆弾は運用できません。尖閣に来るであろうちうごく軍を叩くにはこのふたつは不可欠です。今の空自でそれができるのはF-4かF-2(退役間近のF-1はあえて除く)なので、那覇のF-4はそのまま置いといて、その上で下地島空港を空自基地にして百里か千歳のF-15飛行隊を1個移駐させ、ついで那覇のF-4も下地島に動かしてFI+FSの第9航空団(仮称)を編成するのがいいと思うんですよね。そうすると九州・沖縄の空自基地はすべてFI+FSの飛行隊がいることとなって南方重視の現状にはまことに相応しくなります(宮崎の新田原基地は正確には違いますが、配備されている機種がそうなので)。



 対潜哨戒能力についても、現在海自には八戸(青森)、厚木(神奈川)、鹿屋(鹿児島)、那覇の各航空基地に2個航空隊づつ配備されているP-3Cを各基地ごとに統合して、各1個航空隊づつにしようとする動きがありますが、これも鹿屋と那覇については現状維持、もしくは1個航空隊にするにしても定数は八戸や厚木の1.5倍くらいということにするのがよいのではないかと。ついでにこれで余剰となったP-3Cを海保に移管して、装備を変更した上で洋上哨戒機として第7~第11管区に2機づつくらい配備してやればカンペキでせう。
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Unknown (マリンパ)
2005-07-07 16:25:56
はじめまして。

トラックバック、ありがとうございます。



>日本には、眼の前にある現実を顧みずに~

のくだりは、思わず、ぽんと膝をたたいてしまいました。そして、非常に勉強になりました。

これからも、ちょくちょく、寄らせていただきます。
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こっそりリンクw ()
2005-07-08 20:13:43
Blogで遊ぶBlogのTです。

コメントいただきありがとうございました。



例の<某ブログ>なのですが、こっそり文中リンクしちゃいました。「絶対に辿り着けない世界平和」から飛べるようになりました。

素敵な(色んな意味でw)ブログなので、感動に涙してくださいw



tsubamerailstarさんの感想が楽しみです。

では
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尖閣は最重点警戒地域 (tsubamerailstar)
2005-07-18 13:03:01
T様、マリンバ様、KWAT様、コメント有り難うございます!



KWAT様、大変詳細に有り難うございました。勉強になります。



とにかく計画は「かなり前倒し」で実行しないとまずいですよね。防衛庁が昨年末に発表した「防衛計画大綱」では、日中が武力衝突する三つの場合を想定していますが、三点目の「ナショナリズムを煽る中国が民兵などを用いて尖閣諸島を占拠する場合」という可能性が高いようにも思います。後述するような不穏な話も上がってきておりますよね。しかしながら、この程度で日本政府は頭を抱えるな!

これは、日本政府と自衛隊の腹を探っている可能性が高いのではないでしょうか。日本政府が及び腰と見たら、民間人に化けた特殊工作員がやってきますぞ。



【産経】中国語サイトに「中国軍が釣魚島上陸?」頭抱える日本政府 - 燕

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050718-00000007-san-pol



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米国の北朝鮮空爆 (遊爺)
2005-08-02 23:47:55
>北朝鮮の説得役の中国は、以前から六カ国協議再開に向けて真面目にやっているようにはとても思えません



 北朝鮮が核保有国として、中国の傀儡政権国(テロ暴走実験国)として、身代わりで米国と対抗させ、中国陣営の厚みをますよう、楯替わりになるよう仕向て、あれだけ二国間協議をしないと言っていた米国と、六カ国協議なのに、実質は米朝の二国間協議の場としていて、日々の状況はますますその色を強めています。

 米国は、いまのところ中朝にいいようにはめられています。



>米国の北朝鮮空爆を密かに期待しているという可能性はないでしょうか。



 なるほど、考えられますね...。

 教えていただいたステルス配備は、映画ではなく

現実なのですね。

 http://www.ebookjapan.jp/shop/book.asp?sku=50000670

>【スクープ 北朝鮮「6か国協議復帰」の裏にあった極秘ミッション】 「雪解けなど程遠い。米朝は実質的な戦争状態に入った」(ジャーナリスト・惠谷治氏) 新聞、テレビがまったく報じていないことが逆に事態の深刻さを象徴している。北朝鮮の6か国協議復帰は、決して“話し合いの結果”ではない。米国は抑制的な態度で振る舞う一方で、姿なき戦闘爆撃機、ステルスを投入した軍事作戦を遂行、金正日総書紀に圧力をかけ続けていた。



 早速明日「週刊ポスト」買いに行きます。



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Unknown (hide)
2005-08-04 20:55:16
ご訪問ありがとうございます。



中共の覇権主義は露骨となってきました。

もともと、中華民族は自己の膨張を当たり前と考えているところがあります。

今後の中共の膨張を以下に止めるかが国際的な考えとなるでしょう。
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Unknown (hide)
2005-08-04 20:55:16
ご訪問ありがとうございます。



中共の覇権主義は露骨となってきました。

もともと、中華民族は自己の膨張を当たり前と考えているところがあります。

今後の中共の膨張を以下に止めるかが国際的な考えとなるでしょう。
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