私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

イラク戦のキーパーソンが語る対中攻撃戦略

2005年07月04日 | 極東情勢(日本とその周辺)
自称〝マイルド・ヅカファン〟のスナフキン様(スナフキン・レポート♪)から、
「趣味のクラシック音楽の傍ら、大陸間弾道ミサイルの考察かい!」
と笑われてしまいましたが、その手のきな臭いネタがごろごろ転がっているから、つい・・・・なんですよねぇ。そんな訳で今日もまたまた歌劇、否、過激なタイトルを発見しちゃいました。

◆対中国戦争を想定、米国空軍が戦略を語る(大紀元時報)

元ネタはロイターですか・・・・中学校の復習がてらまた邦文訳でも。最近は辞書もオンラインで引けるから便利な時代ですね。
さて、この記事では、戦争それ自体の是非は別として、対イラク戦で指揮を執ったモーズリー(Michael Moseley)司令官の戦略と見解が述べられている点が大変注目されます。ここでも共通するのは米国政府の懸念、すなわち中国の異常なペースでの軍拡に対する警戒感の高まりです。もっとも、モーズリー司令官が、

["This is not the Air Force saying we want to go to war with China, he said. "This is the Air Force saying if we want to avoid war with China, we've got to be able to hold their critical capabilities at risk lest Beijing be tempted to use force to resolve disputes it has with other countries in the region."]
(「(このような対中戦略を想定している)空軍は、中国との戦争を望んでいるわけではありません」と彼は述べた。
「中国との衝突回避を望むのであれば、北京が極東地域において武力に訴えて紛争解決を図ろうという欲望にかられる恐れのないよう、彼らへの抑止力たり得ることが不可欠だと言っているのです」)

と述べているように、現時点での米国空軍の戦略の主眼はあくまで抑止力、すなわち冷戦的構図を意図したものです。米ソ冷戦というのは、両大国がガチンコ勝負に走ったら如何なる事態になるか、という自覚が双方にあったから〝冷戦〟たり得たのでしょうが、問題は中国が〝cool heart〟でいられるかどうか・・・・台湾だって、あちらが侵略の野望を捨てれば済む話なんですけどね、全く。
主要国主要会議(サミット)に、建国以来侵略、弾圧、虐殺、戦争の連鎖が絶えない、こんな悪性〝腫瘍〟国が加わる何てブラック・ジョーク以外の何物でもありません。腐ったりんごが箱の中に一つ入ると箱全体が腐るとも言います。これらの事実を突きつけ、今後も断固謝絶する姿勢を徹頭徹尾貫くべきです。

ところで、この記事で個人的に興味深く思いましたのは、戦略予算評価センターのAndrew Krepenivich氏のコメントです。

[Moseley's comments reflected U.S. concern about mounting Chinese investments in ballistic and cruise missiles that could hold forward U.S. bases at risk of attack in places like South Korea and Japan.]
(Moseley氏の見解は、在韓、在日米軍基地が脅威にさらされる射程距離を持つ、弾道ミサイルや巡航ミサイルへの中国の加速度的な投資に対する米国の懸念を反映している)

日本や、韓国の脅威、というよりむしろそこにある米軍基地への脅威を問題にしています。中国の台湾攻撃について言及した The Washington Times, America's Newspaperの記事中でも、台湾侵攻の次のステップ、中国が太平洋に進出し、ハワイやグアムといった米国の一部、ひいては米国本土へ脅威が達することへの国防省筋の懸念が述べられていました。これがすなわち米国の本音であり、国益を守るということなのでしょう。
だからといって、「日本や台湾が米国の盾にされている!」と憤っても地勢上止むを得ない面もありますし、憤ったところで何もはじまらない。今必要なのは、当事者意識を持つことではないでしょうか。

米国の国益という観点から、2月の「2+2」の共通戦略目標を改めて捉えてみますと、台湾側が攻撃を受けたからといって、即米軍が中国の沿岸部に爆撃に出向き、自衛隊がその後方支援をするという構図は考えづらい。沖縄海兵隊の戦闘部隊の移転の件にしても、
「台湾を理由に移転が困難と言うが、それなら海兵隊を台湾に配備すれば済む話ではないか!」
と言われても無理な相談。そこに米華相互防衛条約と台湾関係法との決定的な違いがあるからです。
米国側は、台湾関係法にもとづき、先日述べた早期警戒レーダーやディーゼル潜水艦、対潜哨戒機といった対抗措置の提供は出来ても、直接的な援護が出来るわけではありません。
じゃぁ、その〝共通戦略目標〟とやらは一体なんなのよ?という疑問に至るわけですが、恐らく海峡有事の際、米国は付近に空母等を派遣して、まずは自分の領分(日本)に火の粉が降りかからないような準海上封鎖態勢は最低とるでしょう。96年のミサイル危機の際は宮古島の漁師さんたちは1月くらい商売あがったりだったそうですし、沖縄には米軍基地もあります。そして、台湾側が劣勢に立った段階で〝降りかかる火の粉を払う〟という大義名分で応戦し、自衛隊も日米安保に基づき、憲法の範囲内で自国防衛のために必要な後方支援を行う、といったところではないでしょうか。
ロシアが加勢でもしない限り、緒戦は人民解放軍対中華民國軍という構図になるでしょう。実際国防部も「自主防衛体制の確立」を主眼に、防衛予算の獲得等にやっきになっています。
台湾側を国家(独立)承認して日米台安保トライアングル体制に積極的に取り込んだり、米側から積極的に中国に攻撃をしかけるといった自ら進んで火中の栗を拾うような行為は、米国の国益に反することであり、少なくとも現時点で想定しづらいように思います。(「米華相互防衛条約」時代でも、『「領土」及び「領域」とは,中華民国については,台湾及び澎湖諸島をいい』と、金門、馬祖を防衛対象から外していたくらいですから・・・・)
米国の支持が得られない以上、台湾側も、国名の変更や憲法の抜本的改正といった現状変更につながる動き(いわゆる中華民國台湾地区からの台湾独立)を取るのは事実上難しいでしょうね。

中華民國國防部は私が生まれる3年前程まで、旧日本軍の将校が『白団』という名で軍事顧問団を務めていた という仰天すべき事実もありますが、何とかふんばって欲しいと思います。まぁ、文字通りの〝背水の陣〟を60年近く続けている訳ですから、素人目にはかなり凄いのだろうとは思います。
日本側の漁民の操業取締りに対して、対日戦争云々と言い出した国民党の愚かな跳ねっ返り者に対して、「やったら100%負ける」と冷静に答えたのも、海峡の向こうをシビアに見つめ続けてきた彼らならではだな、と感心いたしました。

海峡を取り巻く現状は大変厳しいと言わざるを得ませんが、首尾よく海洋国家として〝take off〟することができれば、台湾が〝太平洋のスイス〟へと大飛躍する可能性も秘めているような気もいたします。

写真・・・・(左から)ブッシュ大統領指名の海軍参謀長ペ-ス (Peter Pace)、空軍管理長ジャンバスティーニ(Edmund Giambastiani Jr)と空軍参謀長モーズリー(Michael Moseley)候補者らが参議院軍委員会の公聴会で(大紀元時報より)

日本は戦争計画の立案はしませんが、せめて米国の危機意識の欠片くらいはあらまほしきことなり・・・・



コメント (3)   トラックバック (4)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 台湾海峡波高し?~ペンタゴ... | トップ | 防衛白書は「中国海軍艦艇の... »
最近の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
gooの調子が悪いです。 (スナッチャー)
2005-07-05 06:16:40
tsubameさん、自称“マイルド・ヅカふぁん”のスナッチャーです

記事中で、ご紹介どうも恐縮です。

でも、「クラッシクを聴きながら、ミサイルを語る」合ってません?



夜に、伺いたかったのですが、gooの調子が悪くて・・今となってしまいました。



>台湾が〝太平洋のスイス〟へと大飛躍する可能性も秘めて

>いるような気もいたします。



もし、そのような事ができたら、ワタシ台湾に移住したいと思い

ます。
スナッチャー様 (tsubamerailstar)
2005-07-05 09:08:35
コメント有り難うございます!



>夜に、伺いたかったのですが、gooの調子が悪くて・・今となってしまいました。



何か、混んでましたよねぇ!



台湾は、自主防衛体制もあるし、地勢的にも〝太平洋のスイス〟たり得る条件を備えていると思います。台湾独立後、ということを想定するなら、過去の歴史を鑑みても、そういう方向性を模索する動きは何となく自然な流れのような気がします。



もっとも、夏はゴッキーが多いらしいから、私はちょっと・・・・(爆)

TBありがとうございます (nao_c/w)
2005-07-05 18:30:05
「sea_shore」のnao_c/wです。

大変詳しい論考、勉強になります。



>今必要なのは、当事者意識を持つことではないでしょうか。



防衛庁は充分警戒はしていると思うのですが、リアルタイムな情報提供が米国よりどの程度行われているのか?といった不信感もあります。

また猶予を許さない状況で、日本政府に早急な決断が出来るのか?といった不安もありますね。



>ロシアが加勢でもしない限り、緒戦は人民解放軍対中華民國軍という構図になるでしょう。



露が動けば、米軍が介入する可能性はありませんか?

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

極東情勢(日本とその周辺)」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事

4 トラックバック

自己防衛策の早急な策定を。 (親父の威厳BLOG.ver)
もう待ったなしの所まで来ている。 中国軍の拡大・増強 2年以内の「台湾制圧」能力保有目指す 米紙報道 【ワシントン=古森義久】中国が今後二年以内に台湾を軍事制圧できる能力を保有することを目指しているという米国当局の見方が、米紙により報道された。米国当局は
台湾独立と米中衝突 (依存症の独り言)
米政府が在日米軍基地再編協議などで、中国軍の特殊部隊が台湾を急襲する事態を「中台有事の現実的なシナリオ」と説明したうえ、「在沖縄海兵隊の戦闘部隊は、中台有事の抑止力として不可欠であり、削減や本土移転は困難だ」と伝えてきたことが29日、明らかになった。 中国は
米国も中国にはだまされてる (遊爺雑記帳)
 米国と中国の間の外交取引に関する評論(鳥居民 氏)が、7/16の産経新聞に載っていました。   ある国が他の国から望むものを得ようとするなら、代償をださなければならない。この取引が外交である。  アメリカと中国の取引を見よう。1997年、中国はWTO(世界貿易機構)への
膨張中国 3 (手前ら、日本人をなめんじゃあねぇ)
人気プログランキングに参加しています。 最近の韓国の行動は、戦後の自由史観というものを戦前の清国への属国意識を元に、北朝鮮の共産主義というか、李氏王朝時代の李王と、両班との独裁優雅生活一般庶民切り捨て政治と共に、清国という宗主国におもねる事大思考なのかも