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ファイル――決意の日

2006-08-18 04:28:54 | ファイル関係
32 :ファイル――決意の日

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机や椅子が乱雑に積まれた大きめの部屋。その入り口の戸の近くに一枚の紙切れが落ちている。
恐らく破かれたノートか何かの一枚であろうそれには、こんなことが書かれていた。

1946―××
戦争は終わった。
ただそれだけ。ただ、それだけだ。
研究は打ち切り。部隊は解散。まだまだ拡張するはずだった地下実験施設も封印することになった。
恐らくは、永遠に……そう、それでいいのだ。
初めて、例の病原体を注入した死体が動き出したのを見た時、私はそうすべきだと思ったのだから。
それでも研究を続けたのは……もちろん好奇心や名声欲などもある。が、第一には彼女の事を思ってであった。
ルクレティア。おお、ルクレティア。どうか、その名でここに綴る事を許してくれ。
あれから私は、技術交流の為に幾度となく独逸に渡り、彼女に会い、よく話し合った。
諸学の事は言うに及ばず、愛すべき故郷の事、家族の事、そしてお互いの事……。
彼女は聡明で博識で美しく、私などよりも遥かに大人であった。
徐々に惹かれていく心魂の鎖を無理矢理に伸ばし、祖国の土を踏み締めてから、もう三年になる。
運良く生き残った私は、祖国再建に粉骨砕身するべく、大宮君達とあちこちを走り回っている。
だが、だがいつかまた、遥かな独逸へ……君を探しに、探しに行きたい。
言いそびれてしまった一言を、君に届けたい。

1950―××
遂に私は念願の独逸行きを果たし、彼女の行方を追った。
東西に分かたれる事となったかの国は……………………ーーーーーーーーーーーー

もういい。

もう、彼女はこの世にはいない。ナチス党員や伯林に残った人々を襲った非業の災厄を聴き、訊き、聞き続け……私は想い人の末路を知った。
一体何がいけなかったのか。何が悪いのか。何が彼女を無残に散らしたのか。

……許さぬ。何もかも。

帰りの船の中で私は、伯林に侵攻した下卑極まりない連中を根絶せしめる方法ばかりを考えていた。
もちろん、一個人にできる事などたかが知れている。私はその悔しさを先の大戦で嫌という程味わった。
だが、だがだがだがだが―――――だが、できるぞ。
あの呪われた研究を再開するのだ。人知れず、私一人で、何年かかろうとかまわぬ。
村民や大宮君達の目を盗んで宿舎に赴き、封印された地下実験施設へと、再び入り浸る日々が始まったのだ。

判読できるのは、とりあえずここまでだ。
まだ、どこかにこの続きが落ちているのかもしれない。

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