ON AND OFF (2nd Stage)

元気にオートバイに乗れる幸せ。

O2センサー

2017年08月27日 | XR1200X
先日のシャーシダイナモ測定で決心した燃調MAPの総入れ替えをしてみた。

スクリーミン・イーグル(以下SE)製スーパーチューナー(以下ST)を用いた書き換えはベースマップの選定から。数種類あるMAPの中から選んだのは下記。
対象車種:2007~2013 Sportstaer1200
構 成:XL 1200 Stage1
構成部品:
・ SEエアクリーナーまたはヘビーブリーザーキット
・ レース用エキゾースト

この通り今の車両に一番近い仕様だったので大外れは無いかな?と判断。

キャブと一緒で余計な補正がかかると訳わからなくなるので加速リッチ、減速リーン等の補正は全て解除したのと、停車時になるべくエンジン温度が上がらない様にアイドリング回転数を若干下げておいた。

ECUに書き込んだ後は早速スマートチューンを行ってVE(シリンダ充填率)の校正を行う。
ちなみにこのベースマップはご覧のとおり、まっ赤のクローズドループ制御が大半。狙いはスマートチューンでVEを最適化するため。
AFRをイジるのはまだまだ先(前述の通りナローバンドO2センサー+オープンループではスマートチューンできない)。



エンジンが温まるのを見計らってタンクバッグにベルクロで貼り付けたVCIのボタン押して測定開始。
およそ80kmほどいつものホームコースを走ってきた走行データをPCにダウンロード。



ワクワクしながらVEスマートチューンの結果を反映させると…
あれ? リアシリンダーしか反映されていない?
別データで試してみても一緒でなぜかフロントシリンダーのみ反応なし。



(青のハッチング部がスマートチューンで校正されたVE値)
じゃ、検証してみようって事で走行各種ログデータをトレースしてみると、フロント側のO2センサー値がおかしいのに気付いた。



リアの黒色グラフはエンジン回転数やTPS開度に連動して出力電圧が上下しているけど、オレンジのフロントは明らかに反応していない。数値をメーター表示して比較してみるとリアの電圧から3~4倍の値で推移している。
特にアイドリング時の異常な電流値の上昇は何なの?

考えるに、フロント側はO2センサーがECU(受け側)のダイナミックレンジ範囲外の値を出力しているため、スマートチューンが成り立たなかったのではないかと。
当然、クローズドループ制御も適切なλ値からの演算が行われていないのでデタラメの噴射をしていたと思われる(その割には乗ってて何も感じなかったw)。

この時点でO2センサー故障の可能性が高いと判断したけど、より確実な検証をするには正常動作していると思われるリアのセンサーと交換してログを取れば明確になると考えた。
見た感じ、フロントとリアのO2センサーは印字とハーネス長も一緒だったので、さっそくスワップしてみると…。

交換後のログがこちら。
黒=リアシリンダ
橙=フロントシリンダ

ちなみにセンサーのクロスチェックを行う際、問題のフロント側にだいぶカーボンが付着していたので、もしや…と思いスリットの清掃と中のセンサーにパーツクリーナーとエアブローできれいにしてみた結果。。。



非常にややこしいけど、このログのリアシリンダはフロントに装着されていたO2センサーの値だ。
自分の中で異常と決め付けていたフロントのO2センサーだけど、これを見る限り正常。逆にフロントはかなり良くなっているけどやはり出力電圧は高め。気になったのがリア比でサンプリングレートが低い様な動き。実にリアの3~5倍程度かな?だからAFRの変化に追従して激しく動いている黒色のリアに対し、スムージングをかけた様なメリハリのない出力結果となっている。

センサーにコーティングされたカーボンのせいだったのか?清掃して機能回復た結果にしても辻褄があわない事が多すぎる。

これは困ったぞ。元々こういった設定なのかECMの異常なのかこれだけでは判断つかない。
O2センサーはすぐにH・D Japanの在庫確認してもらったら国内在庫が無く、US本国からの取り寄せとなり最大で3週間ほどかかるらしい。


(カーボンがビッシリ付着したフロント側O2センサー)
仕方ないので、届くまでO2センサーからのフィードバック制御が不要なオープンループ仕様で運用することにしよう。

今回の作業でSTはECMのMAP書き換えだけでなく、ダイアグノーシスとしても十分使えることが分かった。実際にSEのアプリには故障診断モードもあるけど、今回のケースみたいにセンサー断線とか物理的な故障以外にも出力不良みたく中途半端な壊れ方でも走行ログデータを分析すれば(ある程度の知識と経験と勘があれば)分析可能じゃないかと。(PCは必要だけどね)

H・Dオーナーならキャリブレーション目的でなくてもST一台持っていればいろんな意味で遊べると思う。

次回、新品のO2センサーが届いたら交換した結果とスマートチューンの続きを報告します。。。

測定

2017年08月16日 | XR1200X
3月の運用開始以降、ずっとできていなかったパワーチェックに行ってきた。

調べた限りでは、自宅から一番近いシャーシダイナモ測定サービスを行っているのはナップス三鷹東八店。 これまでも度々立ち寄ってみたけどPITサービスがいつも混んでいて待ち時間が数時間かかったりしていてなかなか測定できていなかった。

で、予定していた夏休みツーリングが雨で延期となって時間が空いたので、開店前から並んでみた。
雨天なので混んでいないと思いきや、PIT作業整理券は5番。予想待ち時間は約1時間との事。

その間に受付表の記入をする訳だか、レッドゾーンまでブン回すのでそれなりにリスク回避の事前確認がかなり細かく設定されている。ちなみにリアタイヤのパンク修理履歴があると測定不可。

向かいのドン・キホーテで暇潰しして帰ってきたら丁度シャシダイにセットするところだった。
車体をタイダウンベルトで固定し、リアタイやがローラーに確実に乗る様に調整。
サイレンサー出口からO2センサーのプローブを突っ込んで準備完了と思ったら、ダイナモのキャリブレーションなのか、かなり測定開始まで念入りにチェックを行っている。

いよいよ測定開始。レムスのフルエキはバッフル突っ込んであるとはいえ、回すとかなりの音量になるけど防音処理のお陰で通路は全然煩くない。

通路からは測定モニタが遠目に見えるけど、AFRの棒グラフ変化を見ると低~中回転域でかなり濃い感じ。高回転ではそれなりに適正範囲での変化が確認できる。


アクセルオフからの開け始めでは豪快にアフターファイアが。。。

測定の様子はYouTubeにてどうぞ(一般公開していません)。


測定後はトルク/パワー/AFRのグラフを確認しながらメカニックさんからのワンポイントアドバイスも貰える。
このパワーチェック費用は¥3,000だけどノウハウと測定までの準備の工数と技術料を考えると私感としてかなりリーズナブルだと思う。
元が取れているかこちらが心配してしまう程だ。

4速全開のベースマップ測定結果はこちら。


パワーカーブはきれいに伸びていてメカさんからも褒めて頂いたけど、気になるのは3,000rpmでのトルクの落ち込み。
実際に乗っているとこの3,000rpmから力が乗ってくる感覚で特に違和感ない。逆に2,000~2,700rpmでトルクが乗ってこない領域がすごく気になっている。
回転とトルクのリニアリティーが無い感覚。

でも、グラフで見ると違うんだよなぁ。あと、グラフの測定開始が2,300rpmからになっているけど希望としてはアイドル付近(1,000rpm)ちょいから測ってくれたら有難かった。そうすれば常用の1,500から気になっている2,700rpmの繋がりがわかるのにな。

購入してからECUのマップは全くいじっていないけど、K&Nのハイフロー・エアクリエレメント、吸気BOXのリストリクター除去、サイレンサーのバッフル挿入と、かなり吸排気効率が変わっている筈だけど、思いの外AFRが乱れていなかった(もっとグチャグチャだと思ってた)。
低回転からパワーバンドの繋がりで濃薄がみられるので、これはここからのキャリブレーションで対策が必要なところ。

早速、帰宅後に現状のMAPをPCに落としてみた。


空燃比はベースデータの大半がクローズドループなのに高回転の一部を除いてオープンループになっていた。



こちらがSE社のベースマップ


上記の通り吸排気を変更したので、今後はこのベースマップを突っ込んでVEのスマートチューンからすべてやり直す決心がついた。

ちなみに、現行MAPでは点火タイミングも大きく変更されていた。
(前オーナー個人なのか、どこかのショップによるチューニングなのかわからないけど、かなり攻めた内容になっていた)

結局、お盆期間中はDトラでのツーリングと雨続きなので全くセットアップができないまま休みが終わってしまった。。。

来週から、セッティング頑張ろう。