先日のシャーシダイナモ測定で決心した燃調MAPの総入れ替えをしてみた。
スクリーミン・イーグル(以下SE)製スーパーチューナー(以下ST)を用いた書き換えはベースマップの選定から。数種類あるMAPの中から選んだのは下記。
対象車種:2007~2013 Sportstaer1200
構 成:XL 1200 Stage1
構成部品:
・ SEエアクリーナーまたはヘビーブリーザーキット
・ レース用エキゾースト
この通り今の車両に一番近い仕様だったので大外れは無いかな?と判断。
キャブと一緒で余計な補正がかかると訳わからなくなるので加速リッチ、減速リーン等の補正は全て解除したのと、停車時になるべくエンジン温度が上がらない様にアイドリング回転数を若干下げておいた。
ECUに書き込んだ後は早速スマートチューンを行ってVE(シリンダ充填率)の校正を行う。
ちなみにこのベースマップはご覧のとおり、まっ赤のクローズドループ制御が大半。狙いはスマートチューンでVEを最適化するため。
AFRをイジるのはまだまだ先(前述の通りナローバンドO2センサー+オープンループではスマートチューンできない)。
エンジンが温まるのを見計らってタンクバッグにベルクロで貼り付けたVCIのボタン押して測定開始。
およそ80kmほどいつものホームコースを走ってきた走行データをPCにダウンロード。
ワクワクしながらVEスマートチューンの結果を反映させると…
あれ? リアシリンダーしか反映されていない?
別データで試してみても一緒でなぜかフロントシリンダーのみ反応なし。
(青のハッチング部がスマートチューンで校正されたVE値)
じゃ、検証してみようって事で走行各種ログデータをトレースしてみると、フロント側のO2センサー値がおかしいのに気付いた。
リアの黒色グラフはエンジン回転数やTPS開度に連動して出力電圧が上下しているけど、オレンジのフロントは明らかに反応していない。数値をメーター表示して比較してみるとリアの電圧から3~4倍の値で推移している。
特にアイドリング時の異常な電流値の上昇は何なの?
考えるに、フロント側はO2センサーがECU(受け側)のダイナミックレンジ範囲外の値を出力しているため、スマートチューンが成り立たなかったのではないかと。
当然、クローズドループ制御も適切なλ値からの演算が行われていないのでデタラメの噴射をしていたと思われる(その割には乗ってて何も感じなかったw)。
この時点でO2センサー故障の可能性が高いと判断したけど、より確実な検証をするには正常動作していると思われるリアのセンサーと交換してログを取れば明確になると考えた。
見た感じ、フロントとリアのO2センサーは印字とハーネス長も一緒だったので、さっそくスワップしてみると…。
交換後のログがこちら。
黒=リアシリンダ
橙=フロントシリンダ
ちなみにセンサーのクロスチェックを行う際、問題のフロント側にだいぶカーボンが付着していたので、もしや…と思いスリットの清掃と中のセンサーにパーツクリーナーとエアブローできれいにしてみた結果。。。
非常にややこしいけど、このログのリアシリンダはフロントに装着されていたO2センサーの値だ。
自分の中で異常と決め付けていたフロントのO2センサーだけど、これを見る限り正常。逆にフロントはかなり良くなっているけどやはり出力電圧は高め。気になったのがリア比でサンプリングレートが低い様な動き。実にリアの3~5倍程度かな?だからAFRの変化に追従して激しく動いている黒色のリアに対し、スムージングをかけた様なメリハリのない出力結果となっている。
センサーにコーティングされたカーボンのせいだったのか?清掃して機能回復た結果にしても辻褄があわない事が多すぎる。
これは困ったぞ。元々こういった設定なのかECMの異常なのかこれだけでは判断つかない。
O2センサーはすぐにH・D Japanの在庫確認してもらったら国内在庫が無く、US本国からの取り寄せとなり最大で3週間ほどかかるらしい。
(カーボンがビッシリ付着したフロント側O2センサー)
仕方ないので、届くまでO2センサーからのフィードバック制御が不要なオープンループ仕様で運用することにしよう。
今回の作業でSTはECMのMAP書き換えだけでなく、ダイアグノーシスとしても十分使えることが分かった。実際にSEのアプリには故障診断モードもあるけど、今回のケースみたいにセンサー断線とか物理的な故障以外にも出力不良みたく中途半端な壊れ方でも走行ログデータを分析すれば(ある程度の知識と経験と勘があれば)分析可能じゃないかと。(PCは必要だけどね)
H・Dオーナーならキャリブレーション目的でなくてもST一台持っていればいろんな意味で遊べると思う。
次回、新品のO2センサーが届いたら交換した結果とスマートチューンの続きを報告します。。。
スクリーミン・イーグル(以下SE)製スーパーチューナー(以下ST)を用いた書き換えはベースマップの選定から。数種類あるMAPの中から選んだのは下記。
対象車種:2007~2013 Sportstaer1200
構 成:XL 1200 Stage1
構成部品:
・ SEエアクリーナーまたはヘビーブリーザーキット
・ レース用エキゾースト
この通り今の車両に一番近い仕様だったので大外れは無いかな?と判断。
キャブと一緒で余計な補正がかかると訳わからなくなるので加速リッチ、減速リーン等の補正は全て解除したのと、停車時になるべくエンジン温度が上がらない様にアイドリング回転数を若干下げておいた。
ECUに書き込んだ後は早速スマートチューンを行ってVE(シリンダ充填率)の校正を行う。
ちなみにこのベースマップはご覧のとおり、まっ赤のクローズドループ制御が大半。狙いはスマートチューンでVEを最適化するため。
AFRをイジるのはまだまだ先(前述の通りナローバンドO2センサー+オープンループではスマートチューンできない)。
エンジンが温まるのを見計らってタンクバッグにベルクロで貼り付けたVCIのボタン押して測定開始。
およそ80kmほどいつものホームコースを走ってきた走行データをPCにダウンロード。
ワクワクしながらVEスマートチューンの結果を反映させると…
あれ? リアシリンダーしか反映されていない?
別データで試してみても一緒でなぜかフロントシリンダーのみ反応なし。
(青のハッチング部がスマートチューンで校正されたVE値)
じゃ、検証してみようって事で走行各種ログデータをトレースしてみると、フロント側のO2センサー値がおかしいのに気付いた。
リアの黒色グラフはエンジン回転数やTPS開度に連動して出力電圧が上下しているけど、オレンジのフロントは明らかに反応していない。数値をメーター表示して比較してみるとリアの電圧から3~4倍の値で推移している。
特にアイドリング時の異常な電流値の上昇は何なの?
考えるに、フロント側はO2センサーがECU(受け側)のダイナミックレンジ範囲外の値を出力しているため、スマートチューンが成り立たなかったのではないかと。
当然、クローズドループ制御も適切なλ値からの演算が行われていないのでデタラメの噴射をしていたと思われる(その割には乗ってて何も感じなかったw)。
この時点でO2センサー故障の可能性が高いと判断したけど、より確実な検証をするには正常動作していると思われるリアのセンサーと交換してログを取れば明確になると考えた。
見た感じ、フロントとリアのO2センサーは印字とハーネス長も一緒だったので、さっそくスワップしてみると…。
交換後のログがこちら。
黒=リアシリンダ
橙=フロントシリンダ
ちなみにセンサーのクロスチェックを行う際、問題のフロント側にだいぶカーボンが付着していたので、もしや…と思いスリットの清掃と中のセンサーにパーツクリーナーとエアブローできれいにしてみた結果。。。
非常にややこしいけど、このログのリアシリンダはフロントに装着されていたO2センサーの値だ。
自分の中で異常と決め付けていたフロントのO2センサーだけど、これを見る限り正常。逆にフロントはかなり良くなっているけどやはり出力電圧は高め。気になったのがリア比でサンプリングレートが低い様な動き。実にリアの3~5倍程度かな?だからAFRの変化に追従して激しく動いている黒色のリアに対し、スムージングをかけた様なメリハリのない出力結果となっている。
センサーにコーティングされたカーボンのせいだったのか?清掃して機能回復た結果にしても辻褄があわない事が多すぎる。
これは困ったぞ。元々こういった設定なのかECMの異常なのかこれだけでは判断つかない。
O2センサーはすぐにH・D Japanの在庫確認してもらったら国内在庫が無く、US本国からの取り寄せとなり最大で3週間ほどかかるらしい。
(カーボンがビッシリ付着したフロント側O2センサー)
仕方ないので、届くまでO2センサーからのフィードバック制御が不要なオープンループ仕様で運用することにしよう。
今回の作業でSTはECMのMAP書き換えだけでなく、ダイアグノーシスとしても十分使えることが分かった。実際にSEのアプリには故障診断モードもあるけど、今回のケースみたいにセンサー断線とか物理的な故障以外にも出力不良みたく中途半端な壊れ方でも走行ログデータを分析すれば(ある程度の知識と経験と勘があれば)分析可能じゃないかと。(PCは必要だけどね)
H・Dオーナーならキャリブレーション目的でなくてもST一台持っていればいろんな意味で遊べると思う。
次回、新品のO2センサーが届いたら交換した結果とスマートチューンの続きを報告します。。。