ON AND OFF (2nd Stage)

元気にオートバイに乗れる幸せ。

スーパーチューナー

2017年02月25日 | XR1200X
車両がまだ納車されていないのに先にもらってきたスーパーチューナー。

スクリーミン・イーグル製ってなっているけどロゴも入っているH・Dの純正ツール。
セッティング次第ではエミッション規制に反した極悪の濃~い燃調にすることも可能なシロモノ。

なので、去年だったか、見かねたアメリカの当局(EPA)と司法省がH・D社に制裁金12億円と販売停止、市場回収を命じたいわくつきの製品。
今後、日本国内でも入手やサポートの影響がどう出るのだろうか?
まぁ、日本の二輪メーカーだったらこんな製品考えられないけどね。。。



これがVCIと呼ばれるエミュレーターの様なもの。
PCとECM(車両)の接続はこのモジュールを介して行う。
前回の投稿で、箱に入っていたシャシダイ結果を晒したけど、実際にECMに書き込まれているデータがどうなっているのか早く確認してみたい。



そもそも キャリブレーションを行うにはスーパーチューナーの難解な各レジスタ設定を理解しないと話にならない。
これまでEFIの調律はサブコンでパラメータをチマチマといじった程度の経験しかないので、ECMのデータを全て自由に書き換える!なんて恐ろしいことでしょうw

その技術習得にあたってはPCアプリにインストールされていたヘルプが非常に参考になった。
(SEのHPから無償DL可能。ただしVCIのシリアルNoが必須)
このヘルプによるとキャリブレーションの手順はざっと以下の感じ。

① 車両とPCの接続を確立(VCI経由)せよ
② SEが用意してくれたベースデータを選びダウンロード
③ そしたらVE(体積効率)のキャリブレーションから始める
→スマートチューン機能を活用
④ AFR(空燃比)や点火タイミングは二の次

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体積効率(VE)は、エンジンがいかに効率的に空気を送り出しているかを表します。分解能は0.5%で、範囲は0~127.5%です。
チューニングによって報告されるVEは、ECMが燃料供給の計算に現在使用している値です。
エンジン回転数、カムシャフトプロファイル、シリンダーヘッドのデザイン、および吸気/排気マニホールドのデザインは、すべてこの値に影響します。
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上記はアプリのヘルプからの引用。ぱっと見 なんじゃこりゃ?って内容だけど、読み解いていくと何となく理解できた。
そもそもオートバイの持つ個体差は勿論のこと、エアエレメントやマフラーを交換して吸排気の効率が変わると各回転数、アクセル開度毎で各シリンダに充填される混合気の量も変わってくる。
VEとは、各シリンダが吸い込む/送り出す容積(効率)のことで、調律するにあたり最も重要かつ基本となるものらしい。なるほど。。

理屈ではVEがデタラメだといくらAFRをイジっても全く意味が無いみたいだ。
物理的にはAFRを変更すれば噴射量の変化があるわけだけど、こと調律するという目的からしたら意味ないよね。

このVEをキャリブレーションするためにスーパーチューナーには「スマートチューン」という機能がある。
これは、VCIをECMに接続したまま走行するだけで自動的に最適なVE値を生成してくれるというもの。
(実際はかなり細かいコツがある、詳細は追って)
当面はデータ取りまくって限りなくVEを更新するのが近道ではないかと思う。



これがアプリのチューニング画面。ここでVEのパラメータを設定する。
ちなみにデータはSEが用意したXR1200用Stage1(マフラー+エアエレメント換装)そのまま。
不思議なのが100%を超える数値があること。過給器付いている訳でもないのに何でだろうね。
吸気工程で容積以上の混合気が充填されるのはあり得ることなんだろうか?

右が3Dマップで視覚的な確認ができるけど見たところで…って感じ。

以上、今回はVEについてのお勉強でした。
あー、早く納車されないかなぁ。。。

君の名は。

2017年02月19日 | XR1200X

前回の投稿からだいぶ時間を空けてしまいました。
まぁ、色々とあった訳ですが、なんとか方向性が見えてきましたので報告します。

まず、自分のオートバイライフの中で最も長い期間運用した車両となったV11の売却が決まりました。
購入した当初は様々なトラブルに悩まされましたが一通り対策した後は本当に調子よく、全く飽きることもなかったですが、リセールバリューを考えるとここで一旦お別れするのが良いかなと。
売却を前に吸気系をノーマルに戻しましたがこれはこれで上手に調律されており、お別れ前にもかかわらず惚れ直したと言うか、この縦置きエンジンホントに官能的ですわ。

すこぶる好調なのと、ライディングの楽しさは折り紙付きなので、きっと次のオーナーさんにもかわいがってもらえるでしょう。

という訳でV11の次の嫁ぎ先が決まったところで、次の愛車を土曜日に契約してきました。



このスリムなお尻が特徴的なオートバイはXR1200Xという名です。
XRを名乗っててもホンダではなくH・Dですよw。

つい最近までは全く眼中になかったメーカーのモデルを買っちゃっいました。。。
オートバイに乗り始めて30年以上経ちますが、正直 一生縁のないメーカと思ってました。
だがしかし、XRはそこらのH・Dにあらず。XRという乗り物だと勝手に考えています。

この車種を選んだ理由を述べるには、自分の車歴を少しばかり振り返らせてほしい。
子供ができてオートバイに触れる時間が劇的に少なくなった2004年、限られた時間で濃密な時間が過ごせる様にと選んだのがヤマハのMT-01。
そして現在のV11。これまで何回か述べてきた通り自分にとって車種選びはエンジンありき。オートバイはエンジンで選んでいるといっても過言でなない。
表情豊かな官能エンジンにそれなりにしっかりした足回りがあれば十分。デザインやユーティリティーのプライオリティーは高くない。
ここ十年、空冷Ⅴ型OHVツインが2台続いているのはどうやらこの仕様が一番自分に合っているからでしょう。

回りくどくなったけど、結局空冷OHVのVツインしか選択肢が無いんだよね。
またGuzziにしようかと思ってCalifornia1100とかステルビオ本気で探してたけどタマの少なさもあってモチベーションダウン。
そうすると、現世でまともに手に入るモデルではXRくらいしか残らないんですよ。
そう、こんなことを悶々と11月頃から考えていたんです。

XRはスポーツスターのファミリーにカテゴライズされているけど、元はクルーザーへの搭載をを前提として設計されたエンジンを当時最新の日本製の脚に乗せ、スポーツ性を高めたコンセプト。
(MT-01もそうだったけど優等生過ぎた)

日本、イタリア製を味わって、次に本場米国製のOHVにも乗りたくなったと言うのが本音。
普段、うちのガキ共に「食わず嫌いはいけない、美味しいかもしれないので見た目が悪くても少しだけでも食べてみなさい」と言っている割にH・Dをイメージだけで食わず嫌いしている自分が滑稽だった。
こうなったら、思い切って食ってやろうじゃないかとw

クルーザーを選ぶ気は全くないけど、XRはH・D唯一のバックステップ。脚もフロントはショーワ製B.P.F.(GSX-R等のSSと同じらしい)と今は亡きBuelのknow-howが注入されたエンジンにも期待大。
ただし、ニーグリップができないのはこのメーカーのアイデンティティーなのか?これは理解できない。(けど何とかなるだろう)
いずれにせよ、EOLになって6年ほど経つし、もともと日本で全く売れ無かったのでタマが少なかったけど、グレードアップ版「X」の低走行車が見つかったのはラッキーだった。

H・Dに限らず国内の厳しいエミッション対応でリーンバーン化された燃調を元に戻すのに数十万円の投資が必要だけど、今回見つけた個体は一通り手が入っておりかなりお買い得だった。
REMUSフルエキ、ECM(スクリーミンイーグル製スーパーチューナー)、ハイフローエレメント、その他細かいパーツそのまま付属してたのでざっと30万円弱の初期投資が回避できた。

半面、ショックだったのはスーパーチューナーの箱に入っていたシャーシダイナモの結果。
前オーナーが入れたままにしていたのだろう。



何だこれ!
まさか、このままの状態で走ってたの??

常用回転域の2,200rpmでトルクの大きな落ち込み。アイドリングちょいのところから実に2kg!のダウン。
AFR測定限界と思しき10をオーバー。なんでこんなに濃いの?これじゃマトモに走らないだろうに。

3,000rpmからは逆にAFR14以下で薄すぎ。でも、高回転域では適正燃調でパワーも81PS出ている。よく分からんな~。。。
納車後は取りあえずスーパーチューナーの調律で普通に走れる様にするところからか?

まぁ、壊れている訳じゃないから自分の好みに仕上げるのも楽しみの一つという事でボチボチ手を付けますよ。


という訳で、次のオーナーとなる方の都合でV11はゴールデンウィーク前まで我が家のガレージに大事に保管の予定。
XRが3月に納車された後もしばらく同居するので、別れた彼女が新しい彼女とそのまま一緒に住んでいる様で複雑な心境。。。