キンカメとの配合で繰り出すGⅠ制覇という解答、
兄姉を超えるスケールで大望を成就させてみせる
○母&母系解説(Family Story)
重賞制覇だけでは満足できない母の実績、
あとは念願のG1馬誕生の時を迎えるだけ
母エリモピクシーは、OPファイナルSを1番人気で制したのを含め、計7勝をマーク。 牝馬重賞戦線でも健闘を示し、G3福島牝馬S、G3愛知杯、G3京都牝馬Sで、いずれも3着、6歳時のG1エリザベス女王杯で4着に入りました。 繁殖牝馬としては、現役時代を凌駕する大成功を収め、G2スワンS、G2デイリー杯2歳Sを制した初仔となる牡駒リディル(父アグネスタキオン)、G2デイリー杯2歳S、G3東京新聞杯など重賞6勝の牡駒クラレント(父ダンスインザダーク)、当クラブ所属馬でG2マイラーズC勝ちの牡駒レッドアリオン(父アグネスタキオン)、G3京阪杯を制した牡駒サトノルパン(父ディープインパクト)、OPエルフィンS勝ちした現3歳の牝駒レッドアヴァンセ(父ディープインパクト)といった優秀な産駒陣を、続けざまに輩出しています。 父に初めてキングカメハメハを迎えた牡駒エリモピクシー15は、その8番仔。 ファミリーが紡ぎ出す栄光の歴史に、新たな一項を記してくれるはずです。 |
○配合診断
ダンシングブレーヴとテスコボーイを内包したキンカメ産駒は好成績の傾向
リディル、クラレント、レッドアリオン、サトノルパン、レッドアヴァンセの半弟。 母エリモピクシーはエリザベス女王杯馬エリモシックの全妹。 エリモピクシーはDrone≒デプスのニアリークロス3×3を持ち、芝マイルのスピードを確実に伝えて名繁殖牝馬の評価を不動のものとしました。 これまでは専らサンデーサイレンス系種牡馬との配合で成功してきましたが、エリモシックはキングカメハメハとの間にオープン馬ダノンエリモトップを産んでおり、またダイオライト記念2着のトウショウフリークはキングカメハメハ×ダンシングブレーヴ×トウショウボーイですから本場と酷似した組み合わせ。 このように母系にダンシングブレーヴとテスコボーイを併せ持つキングカメハメハ産駒は、出走5頭中4頭が3勝以上を挙げています。 データ的に見れば、兄姉に比肩する活躍を期待していいでしょう。 |
○馬体解説
息の長い活躍が期待できる逸材候補、満ち溢れる素質はサイズ以上の存在感
現代日本を代表する名繁殖牝馬である母の産駒らしい、豊かな素質を感じさせる馬体の持ち主。 特に筋肉を上手に使えることが、身のこなしのしなやかさの源にもなっている背中、伸びやかな胴と筋肉の柔軟性を感じさせる深みのある胸前からなる前駆、綺麗な首差しは、いずれも有力なセールスポイントとなっています。 また、作りが良く、可動域も大きな飛節を持つ後肢も、見どころ十分な部位と評価できます。 馬体そのものは小柄ですが、伸びやかで、今後成長する余地も非常に大きいはずです。 当歳時よりも歩様が明らかに良くなるなど、成長力にも問題はなさそう。 芝1600~2000mを主舞台に、2歳秋からの息の長い活躍が期待できる逸材候補です。 |
○石坂正調教師コメント
手がけられることが名誉、クラシックの王道を歩ませたい
これだけの素晴らしい血統馬を管理できるのは、調教師としても厩舎としても、とても名誉なこと、すでにワクワクしています。 キングカメハメハ産駒ですが、ボヨンとした無駄肉は付いておらず、適度な筋肉量。 立ち姿や歩いている様子を見ても、上品で柔軟性も備わっており、欠点といえるものは何一つありません。 軽いタイプで、いかにも芝向きといった印象です。兄姉はマイラータイプかもしれませんが、本馬の距離適性に関しては全く心配していません。 堂々とクラシック戦線の王道を歩ませて、大物と評価されるような馬に育てあげたいです。 |