とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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紅白歌合戦の民俗論

2007年01月03日 20時11分57秒 | 音楽・演劇・演芸
NHKが気にして止まない「紅白歌合戦」の視聴率が発表された。
結果は関東では史上ワースト2位で関西では最低だった。
私の住む大阪は関西なので最低ということになるが、その数字を見る限り決して悲観するものではないように思うのだがNHKはそう考えていないようだ。

世間一般が大晦日にNHKにチャンネルを合わせて紅白歌合戦を「家族揃って」見るような時代はとうに過ぎ去っているにも関わらず30%以上の視聴率を獲得したのだから凄いと褒めてやってもいいくらいだ。

世間の多くは核家族化し、大晦日であっても家族数人で過ごしていることが少なくない昨今。
家族揃ってNHKは過去のものだ。

私の場合も、子供の頃は正月休みは両親と一緒に岡山県都窪郡○○村という名前だけ聞くととてつもない田舎のような、実は倉敷市と目と鼻の先の父方の祖父母の家へ出かけ、祖父母に父の兄弟、従兄連中、近所のオッサン、オバハンなど総勢30名以上で大晦日は迎えたものだ。

当然のことながらテレビのチャンネルは宮田輝アナウンサー司会のNHKの紅白歌合戦に合わされていた。
他のチャンネルに合わそうなどと言う裏切り者はいなかったのだ。
もっとも、当時の岡山にはNHK以外の放送局なんかほとんどなく、NHKか教育テレビかという状態であったように記憶する(岡山県人の名誉のために断っておくと、多分、私の記憶は間違っていると思う)。

ただチャンネルは紅白歌合戦に合わされていたが、番組を見ているものはほとんど無く、私を含めた子供連中は従兄同士で遊んでいるか、ケンカをしているのかのどちらかであり、父たちも兄弟同士で酒盛りをして世間話や昔話に話を咲かせているか、ケンカをしているのかのどちらかであった。

結局、紅白歌合戦の内容などどうでもよく、裸電球の下、ワイワイがやがややっている田舎の大晦日を都会っ子の私は大いに煩わしく感じ、早く大阪に帰りたいと、毎年、大阪出身の母に嘆いていたことを思い出す。

あれから30年余りが経過して状況は大きく変わった。

祖父母は亡くなり、父母も兄弟の相手をするのが煩わしくなって岡山で親戚一同が年末年始にわざわざ集まることもなくなった。
これは年老いた結果、父よりも母の発言権が強くなったことと、会社を経営していた父の金に群がる兄弟親戚の「年末年始予算処理」に父が辟易としていしまった結果だということができる。
私は私で、大学卒業以来、毎年繰り返される大晦日前日からの友人連中との徹夜の宴会でクタクタとなっており、紅白歌合戦にチャンネルを合わせるなど論外のコンディションになっているのだ。

結果的に紅白歌合戦を見ることはなく、たとえ起きていたとしてもケーブルテレビ(地上波民放ではないことに注目!)で別番組を見ているかインターネットを閲覧していているかのどちらかだ。
だから「行く年来る年」」までNHKにチャンネルを合わせることはない。

選択技が多岐にわたった21世紀の今日。
30%以上の視聴率を維持するのは偉大なことではないだろうか。
それをとやかく言ってNHKをさらなるアホ行動に走らせるのは、自らも視聴者の減っている民放局と、その親会社の新聞社の嫉妬と危機感の表れか。

ちゃんと調査してみたら視聴者の反応は以外に普通で冷静なのかもわからない。


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