とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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ミャンマー大冒険(90)

2006年09月07日 21時44分12秒 | 旅(海外・国内)
カンボジアのアンコール・ワット。
インドネシアのボロブドール。
そしてミャンマーのバガンを総じて世界三大仏教遺跡と人の謂う。

度々東南アジアを旅するようになって、一番最初に行きたいと思った仏教遺跡は、やはりカンボジアのアンコールワットであった。
アンコールワットへはタイのバンコクから飛行機で行くのが一番ポピュラーな行き方だが、私は自動車に乗って2泊3日の陸路で行きたいと思っていた。
バンコク在住の方や滞在経験のある方ならご存知のことと思うのだが、バンコクの繁華街、東急百貨店や西武ロフトのあるサイアムから日本人が多く住むスクウィンビット通りを真直ぐに自動車で東へ向かうと、約5時間ほどでタイ・カンボジアの国境に達する。
ここからさらに西に向かうとシムリアップの町に到着する。
アンコールワットはそのシムリアップ市にあるので、落ちる心配のある飛行機に乗らなくてもバンコクからは行けるのである。

ところが、初めて私がアンコールワットを訪れたいと思った頃は、

「まだそのあたりにはクメール・ルージュの残党が出るそうでっせ」

という噂があり、実際にアンコールワットやアンコールトムを訪れた日本人が誘拐され殺害されたなんてことまがまことしやかに語られて(きっとデマだったと思う)一ノ瀬泰造のごとく「地雷を踏んでさようなら」するわけにはいかないので、尻込みしてしまったのだった。
で、最近になってまたまた「アンコールワットを訪れてみたいんだけど」と知っている人に相談してみたところ、
「観光客で一杯でっせ」
とそっけない。
なんでも「朝夕を除き観光客が押し寄せて、蟻んこの群がる地面に落ちた砂糖の固まりのごとき様相」とのこと。
で、結局「そんな奈良の明日香村みたいなところなんか、誰がいくかい」となってしまい、未だ訪れていないのだ。

一方、インドネシアのボロブドール遺跡は、興味がなかっただけに何処にあるのかも知らなかった。
だいたいイスラム国家のインドネシアに仏教遺跡があるというイメージが沸いてこず、先日の「ジャワ島地震で大きな被害を受けました」というニュースを聞くまで写真すら見たことが無かったのだ。

そんなこんなで結局、初めて訪れた世界三大仏教遺跡が、あまり一般の旅行客が訪れない、どちらかというと、とってもマイナーなここミャンマーのバガンになってしまったのであった。
「なってしまった」と言っても後悔しているわけではない。
どちらかというと、一般旅行者の訪れない遺跡を訪問でき、マイナーなことが大好きなへそ曲がりの私は大きな優越感を感じているのであった。

バガンの港はパコックの港と異なり、どちらかというと最初に寄港した二つの質素な港に非常に近いものであった。
というのも、桟橋などなく、もちろん待合いの小屋もなく、多くの船も停泊していなかったからだ。
私たちは例によって乗船口から河川敷に渡された足場板を、落っこちないように一人づつ順番に渡って行くのだった。
陸に上がってすぐのところから高さ10メートル以上の土手を上る急な坂道になっていた。
後ろを振り返るとシェカナリー号の白い船体が黄土色のエヤワディ川とコントラストをなして美しく浮かび上がっていた。
さらば、我が豪華観光船シェカナリー号。
また会う日まで。
などと考えていたら、次々と後ろから下船した人たちが登ってくるので、こちらも足を進めねばならなかった。

息を切らしながら登っていくと、頂上には多くの出迎え人が名前を記した紙を持ち、私たち乗船客を待ちかまえていた。
デイビット夫妻のガイドとタクシー運転手もここで待ちかまえており、私たちはここで夫妻と別れた。
Tさんが私たちのバガンでの移動手段となるタクシー運転手を見つけだすと、彼はにこやかに挨拶してくれたあと、私たちの荷物を持って車へ運んでいってくれた。

「パスポート貸して下さいね」

Tさんは私のパスポートと入域料金のUS10ドルを受取ると入域カウンターデスクへ歩いていった。
尤も、カウンターデスクといっても立派な事務所の建物があってそこに係官が座っている、なんていう場所ではない。
青空天井のもとに、木製の机が一つポツンと置かれているだけの実に殺風景で、シンプルな入域カウンターデスクなのであった。

ミャンマーでは外貨獲得のため観光地に入域する外国人観光客は入域料を支払わねばならないシステムになっている。
さらに、「あなたカメラ持ってますか?ビデオカメラ持ってますか?」で追加料金お支払わねばならい。
何処もかしこも、結構面倒なのであった。
しかも、ここバガンの入域カウンターでは多くの旅行客が一度に集まり、手続きをするのに若干手間取った。
軍服を着た係官は旅行者個々のパスポートをチェックし、旅券番号と氏名を書き取って料金を徴収する。
料金はともかく旅券番号は何のために必要なのか、未だに私は理解しないでいる。

ということで、やっとのことで手続きが終了し、タクシーに乗り込んだ。

「まずはホテルにチェックインしましょうね」

ということで、宿泊先のニューバガンというエリアにある「ルビートゥルーホテル」という地球の歩き方には載っていない無名のホテルに向かうことになった。

バガンは遺跡の町ということもあり、手続きをした広場横にはすでに朽ちた寺院の廃虚が存在していた。
ホテルに向かおうと、その寺院の横を抜ける狭い泥道をタクシーが走り抜け、広い舗装された道に出てた。
そして通りの向こうに広がった壮大な景色が目に飛び込んできた瞬間、私は言葉に表すことの出来ない衝撃を受けた。

「........凄い........」

つづく

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1 コメント

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Unknown (俊介)
2009-04-29 08:41:07
こんにちは。

カンボジアのアンコール・ワット。
インドネシアのボロブドール。そしてミャンマーのバガン僕いつかこんな所に行って見たいとは思っているんですが。

僕はいつも思うんですよ。それはあちらのお坊さんかなり多くいますが、此れはいうまでもなくみんな頭髪も剥げていますね。勿論当たり前ですが羨ましい。

僕なんか最近薄毛になりみんなから大分はげになってきたなんていわれ。落ち込んでいるんですよ。

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