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PIC16F629を使った2チャンネル赤外線送信機


 バレーコート 1 面ほどの広さなら今までの赤外線送信機で問題なく使える。さらに広い体育館や、赤外線の反射が少ない条件でも快適にコントロールするには、送信機の赤外線出力を増やしたい。また、出力が大きければ太陽が顔を出さないアウトドアでも飛ばすことが可能となる。そこで今回は強力な赤外線出力をもつ超小型送信機を製作する。

 強力な赤外線を出力するために、発光ダイオードはかなり過酷な条件で使うことになる。また、電源に使う電池は内部抵抗の低い電池を必要とする。


2チャンネルハイパワー送信機回路図

irtx2-629f.HEX (Futaba) ジョイスティックの結線は回路図通り

irtx2-629s.HEX (Sanwa) ジョイスティックの結線を(a1)から(a2)に変更する

irtx2-629j.HEX (JR) ジョイスティックの結線を(a1)から(a2)に変更する

(マウス右クリックで「対象をファイルに保存」)

 強力な赤外線出力を安定した状態で持続するには、内部抵抗の少ない電池が不可欠となる。大容量の電池ほど内部抵抗が少なくなる傾向にあるが、小さな送信機に大きな電池は似合わない。かといって小さくて内部抵抗が高い電池では、ハイパワー送信機もその性能を十分に発揮できない。



 006P型のニッケル水素電池(8.4V 170mAh)やニッカド電池(7.2V 110mAh)をテストしてみたが、電池の内部抵抗が高くて短時間に出力が低下してしまった。結局Kokam 340mAhの20C放電可能なハイディスチャージタイプのリチウムポリマ電池を2セル直列で使うことにした(画像左)。20C放電が可能なら連続で6A以上は流せる計算になる。これなら今回の送信機に使っても2時間以上高出力が持続する。とても小さな送信機だが、強力な赤外線を出力するために瞬間で3Aもの電流が流れる。電池は2セル重ねても6mmほどの厚さなので、送信機ケースの底面に貼り付けて使うことにした。

 赤外線出力が倍になったからといって、通達距離が倍になるわけではない。理論上4倍の出力がなければ通達距離は2倍にならない。通達距離を2倍にするのは大変なことである。今回は従来のおよそ2倍の出力を持つ送信機を作った。したがって通達距離は今までの1.4倍ほどと計算できる。夜の屋外のテストで56mの通達距離を確認できた。従来の送信機では30~40mの通達距離だったことから、かなり強力な送信機といえる。



 ラダー(エルロン)とスロットルの2チャンネル装備だが、ほとんどのインドアエアプレーンが2チャンネルで飛行できる。小型化するために今回は8ピンのPIC12F629を使った。38kHzと56.9kHzの変調周波数が切り替えられる。2チャンネルの場合、スロットルスティックがどこでも止まるようにジョイスティックを改造するので、スティックに組み込まれているプッシュスイッチを押し込んで変調波の切り替える方式では使いにくい。そこで、別にジャンパピンの抜き差しで変調周波数を切り替えられるようにした。電源スイッチを省略して電池コネクタの抜き差しで電源のON/OFFを行う。

 ラダー(エルロン)のニュートラルとスロットルポジションの調整は、実際に受信機を動作させて行ってもいいが、パルスチェッカを使うのが便利。



 赤外発光ダイオードには光出力の大きいSLR932AV-7K(SANYO)を使っている(画像下)。赤外発光ダイオードは、1.6mmのガラスエポキシ基板をオーブントースタで2分ほど加熱してアーチ上に曲げたものに取り付け、安定抵抗は基板裏側に取り付けた。赤外発光ダイオードは3個直列にして7列の合計21個。現在発売している秋月電子の投光器キットに使われている出来外発光ダイオード(画像中) AN304(STANLEY)は今回の回路では使えない。画像上はすでに販売されていない秋月電子の旧投光器キットに使われていた SLR931A。こちらもSLR932AV-7Kと比較するとパワーが少なくなる。また、それぞれの赤外線の照射角に違いがある。ビデオカメラで撮影した画像だが、なぜか発色が異なる。

 今回の送信機は3チャンネル分のパルスを内部で作っていて、500μsecのパルス幅4個を19.2msec周期で送り出している。500μsecのパルス幅を38kHzか56.9kHzで変調するが、そのデューティ比は50%なので、1周期19.2msecの間にパルスがHighになる時間は500μsecパルス4回分を合計した半分の 1msecとなる。つまり1msec÷19.2msec=5.2%のデューティ比となる。



 出力段の赤外発光ダイオードと並列に出力確認用LEDをつないであるので、確認用LEDが点灯すればPIC12F629の動作は正常と判断できる。また、送信機をすばやく左右に振ってみると4個のパルス列の点灯が確認できる。

 タカチのHW1551KBという80mmx40mmx20mmのケースに収めた。とても持ちやすくて操作しやすい。また、ジョイスティックはスロットルスティックがどこにでも止まるように改造し、表面の丸穴を角穴に改造した。



 充電直後のリチウムポリマ電池2セルの電圧(8.4V)と、定格電圧(7.4V)を安定化電源から供給して、送信機の消費電流と、消費電力を測ってみた。赤外発光ダイオード表面に手を当てると暖かさを感ずる。

 通常の明るさの室内ではまったく問題ないと思われるが、今まで以上に出力が大きくなったので、暗いところで赤外線発光ダイオードをのぞき込むのはやめたほうがよいだろう。

 バレーコート1面の体育館でのテストでは、赤外発光ダイオードがどのような向きでも(操縦者の後ろに隠しても)問題なくコントロールすることができた。
 強力な出力を必要とせず、バレーコート1面ほどの屋内で使用する場合は、赤外発光ダイオードと直列に接続してある4.7Ωの安定抵抗を10Ωに変更することで、006P型のニッケル水素電池やニッカド電池を使うことも可能となる。

 すべての赤外線受信機と組み合わせて使えるが、特に2チャンネルのIRXA261やIRXA261BM受信機と組み合わせて使うのに向いていると思われる。

[追記]
 その後バッテリモニタを組み込んだ記事を追加。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )


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コメント
 
 
 
どうにも止まらない! (としちゃん)
2005-02-13 11:34:04
小さくて、機能的なものが大好きな私には我慢できません。作るぞー!もう少しでパルスカウンタも完成するので、この送信機の製作調整にものすごく役に立ちそうです。いつも解りやすくて丁寧な製作記事ありがとうございます。
 
 
 
何とかできました (としちゃん)
2005-03-24 18:56:22
報告します、小型送信機何とか、完成しましたというか、取りあえず出来ました。赤外線LED選択をを放射強度ばかりに気をとられて、組み立て途中で半値角が少ないことに気づいたのですが、一応30メートル範囲内で実用になればと思っています。かなり楽しめました。大感謝です。
 
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