本書は東京工業大学で筆者がおこなっている宗教社会学の講義をもとに編集した一冊です。大学では宗教を知らない“高校生に”話すつもりで講義をしたということですので、読みやすくなっています。世界の４大宗教、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教、仏教を取り上げ、さらに宗教改革とは何か、儒教とは何か、尊皇攘夷とは何かなどの章立てがあります。
筆者の考えでは、日本人は宗教を知らなさ過ぎる、このまま若者が世界に出て行くのは危険でさえある、と述べています。これには私もまったく同感で、私も自分の無知を痛感いたしました。
９．１１のテロも衝撃的でしたが、世界史的にもテロ、地域紛争などは宗教を理解しないと、なぜそこまでやるのかということが日本人にはどうも腑に落ちない気がします。宗教に関する本はさまざま出ていますが、本書のように、一冊で世界の主要な宗教のことをまとめた本は、ありそうでなかなかありません。
なぜ日本の捕鯨にあれほどの反対があるのか、中国、韓国の人々はなぜ日本にことさら反発を持つのか、文明の中の宗教という視点から眺めると、実に多くの疑問に対するヒントを授けてくれます。
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イスラム教に ついて 昔 読んだ印象は 助け合い精神に とんでいるんじゃないかと いうものでした。抗戦的な 感じが しませんでした。ただ イスラム教に 興味を もったのは 20年くらい昔なので。
本棚を 見たら 浅井信雄さんの 「中東への視覚」という テキストが 出てきました。昔 読んで 中東問題が 少し わかったような気がしたので 読みかえしてみようかと おもいます。浅井さんの本は わかりやすかったのですが 古いもので 今 著書が 出ているかは 判りません。
中東の混乱は 第2次世界大戦の後 西欧諸国とアメリカが それぞれの国の事情（民族とか 宗教の）を 無視して 地図の うえに 線引きした部分も あるそうです。
今日にでも本屋さんでさがして見ますね。
いずれ私のブログで紹介するつもりなのですが、井沢元彦さんの『ユダヤ・イスラム・キリスト集中講座』は、一神教について初心者にもわかりやすい本でした。
同シリーズで『仏教・神道・儒教集中講座』もありますが、日本ではこれらが複雑にいっしょくたになってしまっているので説明も難しいのか、ちょっとわかりにくい部分もありました。