まず、邦題がとても軽いのですが、販売戦略上こういう名前を付けるのでしょう。(私はそれでも人から勧められて本書を読みました)「Survival of the Prettiest」が原題で“美の生存”くらいでしょうか。survival of the fittest が英語の決まり文句で「適者生存」ですから。副題は「Science of the beauty」で『美の科学』です。
とてもまじめな研究書です。『認知科学の最新研究と、進化心理学の知見をもとに、古代の美の定義から、男女の性戦略、育児の秘密、美容整形事情にいたるまで、広範なエピソードをまじえて美の本質に迫り、美しさの謎を解く』本書の紹介にはそうあります。正確な表現だと思います。
まじめな研究書、といっても非常に読みやすく、興味深い実験がいくつも行なわれるのです。動物たちの実験研究成果の考察、赤ん坊の美に対する感覚、異性が肌や髪を気にする理由、また石器時代の美の話からスーパーモデルまで、どれもこれもうならせる話が満載です。
ちなみに著者は女性で、ハーバード大学の心理学博士です。美というものは文化の所産ではなく、まして流行などではなく、普遍的なものであるという主張が読みとれます。
なぜ美人ばかりが得をするのか草思社詳 細 |
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