本を読もう!!VIVA読書!

【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

『子どもを育てる絶対勉強力』 外山滋比古

2007年05月17日 | 教育関連書籍


外山滋比古(子どもを育てる絶対勉強力).jpg


外山滋比古氏の著作は、私が受験生だった頃、また英語を教えるようになってから読んだものの中にも、いろいろご紹介したいものがあるのですが、最近本書を見つけてしまい、おもしろかったので取り上げます。

いつも “ことば” にこだわった教育論とか、言語論を展開しているイメージでしたが、本書では、教育を正面から論ずるというよりは、どちらかというとエッセー風に書かれており、読みやすい上に参考になります。

外山氏の著作は去年の入試でも、桐蔭学園中学で出題されましたし、やはり公立高校の入試出典、作者別ランキングでも、当教室で調べた限りでは、第5位と相変わらず入試との相性の良さを発揮しています。その意味でも読んでおいて損はないと思いますよ(笑)。

 
 ⇒ 公立高校入試に出題される本・作家ランキング 



お茶の水女子大の教授時代に、同時に附属幼稚園の園長をかねておられたそうですが、大学生に教育論を語るというより、まるで幼稚園のお母さんたちにこうしたら良いですよと語りかける感じがします。そんな一冊です。


例えば、ことばというものを3つに分類します。アルファ :ベータ :ガンマとして…

アルファ: 最も基礎になる名詞など、目の前のものを表すための直接的なことばで、自然に身に付ける。

ベータ: 虚構、フィクション、創作などをするために想像力を働かせるためのことばで、子どもにこれを身に付けさせるには、物語、おとぎばなしをたくさん聞かせる、読ませる。そこから現実的ではないストーリーを読み取る。学習とは非現実の認識の作業なので、ベータのことばと学習の関係は深い。

ガンマ: ベータのことばから、ストーリーを取り去ったことば。理論と呼ばれるもので、日本人がもっとも苦手なことば。物語ではガンマのことばの力は育たないので、論理的な文章を読んで身に付けるしかない。その昔、幼い子に漢文を読ませたのは効果的だった。

こういうことをきちんと知って、国語教育に当たるのが良いというようなことが書いてあります。


目次は以下のようなものです。


第1章 勉強がはかどる絶対条件(朝飯前;集中 ほか)

第2章
 子どもの語感を育てる(三つのことば;エピソード的・意味的 ほか)

第3章
 子どものやる気をおこすコツ(雑念を払う;ブタモキニノボル ほか)

第4章
 効率がよくなるちょっとした習慣(聞きわけ;居ハ気ヲ移ス ほか)


外山氏らしく、とにかく “はじめにことばありき”、なのですが、ではその語感を磨くために知っておくべき考え方、それを身につけるための習慣や考え方はどういうものかについて興味深い指摘がなされます。


『頭の良い子に育てる37のコツ』 と書いてありますが、上で申し上げたように体系だったものではありません。『合格レーダー』 という受験雑誌で連載していたものをまとめたものです。

お読みになって、取り入れたらおもしろそうだというものをメモでもして、実践されたらいかがでしょうか。


う~ん、かなりスランプですが…  クリックしていただけるとありがたいです。

 ⇒ (4位) にほんブログ村 本ブログへ(1位)

  

http://tokkun.net/jump.htm 【当教室HPへ】

P.S.  定期テストが近い人はgenio先生のブログで社会の復習を!

 ⇒ 
試験に出る!!時事ネタ日記



子どもを育てる絶対勉強力

幻冬舎

詳細を見る

ブログランキング   




今日からアマゾンでは、クリアランスセールを行っているそうです。アマゾンにもバーゲンがあったんですね(笑)。知りませんでした。普通の本はほとんどないのが残念ですが、洋書などは大幅に安くなっていました。

 よろしければどうぞ。  ⇒ アマゾンクリアランスセール



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
読んでみます (Dan)
2007-05-18 07:25:51
我が家には受験関連の本がそれこそ山のようにあります。
一冊一冊おもしろいのですが、全てを実践しようとすると、とんでもないことになると気づきました。
それこそ、その本を楽しむぐらいの気持ちで読まないと、私の脳のキャパシティーを超えてしまって、こんがらがってしまいます。
それでも、書店に行っては、受験関連のコーナーを覗き、ついつい買ってしまうんですよね~。
なんだか、いろんな神社に行くたびにそこの「合格」お守りを買うような感じで。
でも、この本の存在は知りませんでした。
外山氏のご著書はよく入試でも取り上げられているので、何冊か読みましたが。
早速購入して読んでみますね。
昨日紹介してくださった乙川優三郎氏の作品は、主人が面白そう!と言って、早速アマゾンに注文していました。
最近は主人もVIVAさんのご紹介本にはまっているようです。
返信する
Danさん (VIVA)
2007-05-18 10:37:48
おはようございます。

そうですね。親御さんが読まれると受験関連の図書はいろいろ書いてありますから、混乱してしまいますよね。特に、受験は勝負事ですから、はっきり『こうすべき』と断定して読者を励ますというか、信用させようとしますから、困ったものです。塾のチラシも似たようなものですが…(笑)。

大学受験ならまだしも、中学の場合はいっそう強くその傾向が現われます。いろいろありますから書いてくださったように、気に入ったお守りだけ、繰り返し見つめていれば良いと思います。全部やろうと決してしないことですね。

そうですか、ご主人にも読んでいただいているとなると大変光栄です。よろしくお伝え下さい。


P.S. いただきましたFAX、徹底的に分析して、メールで解説しますのでもうしばらくお時間下さい。読解力はあります。何とかなります!練習次第です。
返信する