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メカデザイナー山本薫のBlogです~2006・11・30 お仕事募集中 sp2q6z79@polka.ocn.ne.jp

TPP交渉における著作権侵害の非申告罪化について

2015-02-15 20:32:54 | このブログについて
 今週発表されたニュースは、同人界のみならず著作によって成り立っている業界に少な
からず影響を与えました。著作権侵害罪の非申告罪化とは、著作者が著作権を侵害された
時、自らが告訴しなくても検察などの他者が裁判所に提訴できると言うものです。
 このような流れは特許権では既に平成10年になされていると言います。TPP交渉とは
関係なく日本も知的所有権について本腰を入れて取り掛かる時に来たということでしょう。

 さて、親告罪という表現については私もかねがね各方面から聞かされてきました。
私の著作権の侵害に対して、相手を特定できないために情報提供を呼びかけると言うことを
このブログで続けてきたわけですが、それも結局は何の収穫もなく今日に至ります。
 親告罪に関しては、私から相手を特定し証拠を集めて告訴すると言う手順が必要です。
しかし相手がグループを組んで組織的な証拠隠滅等をした場合、こちらから特定を行う事は
非常に困難になります。
 非親告罪化となれば、第三者がこれを代わりに行うことが可能になります。これは一見、
著作権を侵害する側にとって取り締まりにあう危険性の増加を意味します。しかし他方で、
私の意向を抜きに第三者が私の著作権に関して使用許諾の意向と関わりなく、提訴する権利
を行使しかねないと言う危険性もあります。

 私自身、漫画やアニメと言った業界が人材育成の整備が整わない時代から、他人の模倣や
模写をしたり独自の勉強をして絵を描く技術を身に付けてきました。80年代くらいはまだ
絵で身を立てようとしている漫画家が大家の画風をパクっても多めに見られた時代でもあり
ました。現実的に言って、何の保証もない時代に絵を描いて食ってゆくための目こぼしが
あって当然であったと思います。
 しかしアニメや漫画が国際的に評価されて巨額の利益を上げるようになり、ネット等で
個人が気軽に創作物を大量に発信できるようになると、そうした小規模の権利侵害と言えど
も目をつぶってもいられなくなったという実情があります。
 今まで、創作の世界の「しきたり」のように暗黙の了解とされてきた模倣やアイディアの
盗用に関して、許諾という手順を踏む時期に来たということでしょう。

 これに関して今まで私は、「同人誌等で私の絵を見た方に模倣されるのは嬉しい」という
態度でいました。しかし、もし著作権侵害の非申告罪化が成立した場合、黙認と言う形は
通らなくなります。第三者が勝手に私の支持者を提訴すると言う事態もありうるわけです。
 そこでこれからは下記の通り、私の態度を改めようと思います。


                 記

 1  私の著作やアイディア等を引用したり使用・模倣したりする方は、私に連絡を取り
   許諾の是非をただして下さい。その都度ご返答いたします。これは過去に引用・使用
   模倣した例も含みます。

 2  1の手順を踏まずに私の著作・アイディア等を引用・使用・模倣を行い、第三者から
   提訴や責任の追及をされても、私は責任を負いかねます。擁護等もできかねます。

                         以上よろしくお願いいたします。

 なお、上記はTPP交渉等の進展とは関わりなく実行するものです。
 文面は法律や法令の文法に沿った形に書き換える場合がありますが、趣旨は変わらない
とお考え下さい。
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コミティア 111に参加しました

2015-02-01 21:06:25 | 日記・エッセイ・コラム
 本日はコミティア111が開催され、サークル参加をしました。
今回は、壁際から数えて2列目でスペースの位置も良く人通りも上々でしたが、結局
販売数は1でした。彼は私にスケッチブックを依頼して一冊を購入したのです。
その他、手にとって下さった方は10名あまり。コミックのネット販売の勧誘員一名
といった具合でした。
 前日の深夜3時までかかってコピー誌を作ったのですが、これも結局はほとんど無駄
だったことになります。コピー誌は前年の11月のコピー誌が不評だったので4ページを
描き足し、より分かりやすくしたものですが、実際にかけることができた日数が4日ほど
とあって完璧な手直しとはいかなかったのです。

 しかし、今回冷静に周囲を見回して思ったのは、まず手にとってもらうにはカラー表紙
と目に留まる今風なキャラクターと言う、コミケにおける傾向がここにも浸透していると
いう点でした。もちろん、手にとってもらっても内容が期待外れでは買ってもらえませんし
昨今では値段が高ければ敬遠される傾向も出てきています。
 コミティアが創作者のイベントと言うのは以前のことであり、規模が大きくなれば購買層
におもねる傾向が出てくる宿命があるのかもしれません。
 と言っても、安易にエログロに走るばかりと言うわけではなく、絵のレベルが全体的に
非常に高くなっているのがこのイベントの特徴と言えます。その代わり、以前このイベント
の特徴であった下手でも意気のいい様々な傾向のコミックは淘汰されつつあるのですが。
以前はイベント全体を見て回れば「こんなものがあったのか」とか「馬鹿なことを真剣に
やっているなあ」という収穫があったのですが、参加数が増えレベルの向上が進むにつれ
均質化が進んでいるのかもしれません。
 規模は大きくなっているし、絵はうまいけど全体に似たようなものばかりという印象が
今後も進むかもしれません。その背景にあるのは、やはり自分の本を買ってほしいという
当たり前な欲求からだと思います。

 そういう傾向の中でネット販売と言うのは一つの手かもしれない、と去年辺りから考えて
いました。製本やイベントへの参加費・交通費が圧縮されるので、販売が容易である上に
売れないと判断すればリスク回避も容易だからです。
 その分イベントにおける人の交流はほとんど皆無ですし、ネット上という危険も覚悟しな
ければなりません。
 ただ、私のようにウォッチ界隈の標的にされ常に無責任な悪評に備える必要がある場合、
そして他の信頼できる支持者の支援が皆無な場合、やってみる意義はあると思います。

 もう一点、私には安心して製作できる時間が短く目に見えて描きこみや仕上げの低下
を招いている点が致命的と言えます。製作時間を数ヶ月単位で長く取るとウォッチ界隈
から情報がもれて拡散する危険が非常に高くなるので、安全面から短期決戦を敢行しな
ければならない事情があります。
 企画・ネームの段階までは様々な場所を巡って執筆することも可能ですが、原稿を
描くのはどうしても自室になります。この段階でなぜか情報が漏れる傾向があります。
どう考えてもそういうことはありえないのですが、そういう傾向がある以上、対抗手段
を取らねばならず、仕上げ時間の圧縮と言う事態に陥ってしまうのです。
 仕上げの仕事はアシスタント時代に5~6年の経験があり、できないわけではあり
ません。むしろ得意分野なのですが、時間が取れなくてはどうしようもありません。
広い仕事机で自在に腕を振るえないというのも非常に不便で、質の低下につながって
います。

 その上ここ二回のイベントの反響が皆無なので、果たしてどこへ向かっているのか、
自分で判断しなければならないと言う関門もあります。
 この一年の同人誌製作に関しても相対的なその評価は混沌としたものです。

 同人活動に関してはウォッチ界隈のことも含めて製作面のことに関しても包括的に
考え直してみる必要があると考えています。


追伸 今週の前半に流れたウォッチ界隈の情報は「居場所を奪う」と言う物だったらしい。
   その元になったのも若いころの私の行動をウォッチした情報が元になっています。
  若いころは誰でも社会に出て自分の道や居場所を探すもので、私もそうした途上に
  ありました。その方法は新しい文化を創出して一道を成そうとするものでした。
   今では当たり前になった創造に伴う破壊を自分の中で行うことによって、自分なりの
  作風を作ろうとしたのです。しかし、おそらくその様子は逐一チェックされており、
  旧世代からは自分たちのテリトリーを侵す脅威とみなされていたのでしょう。
   時は80年代後半から90年代。現在の萌えや愛や、合理的観点から見た戦後日本
  の近代史と言ったものが再構成されつつありました。それらに関しては何かの機会に
  書きましょう。
   ただ、そういった意味も知らず、現在の私の場所を奪う嫌がらせをしても無意味
  なので止めていただきたい。
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