T.N.T.-SHOW

メカデザイナー山本薫のBlogです~2006・11・30 お仕事募集中 sp2q6z79@polka.ocn.ne.jp

ガングリフォンの美術設定 3

2012-04-24 13:00:19 | 設定画

  仕事で美術設定を描いたので、それに良く似た設定を掲載します。

スカウトを受けた会社の方からは引き続いて外注の仕事をいただけるそうです。

 ●バイオマスプラント

  • Biomasplant

 プラントによって生成されるエネルギーがこの世界では一般化されています

そこを破壊に来る敵部隊を迎撃して殲滅するステージであったと記憶しています。

実際のバイオマスプラントはもっと広大でゲームエリア内には入りきらない大きさ

になるのですが、それでは防衛ミッションになりにくいらしく、絵のようにちいさな

増殖プラントとそれを囲むフェンスになっています。

 現在日本でも様々な再生エネルギーが模索されていて、いくつかのプラントが

具体化していますが、当時はまだ構想の段階ではっきりとしたイメージがつかみ

難かったという事情もあるようです。

 ●弾薬庫ステージ

  • River

これはおそらく1面の練習ステージの元になったと思うのですが、はっきりとした事

はわかりません。うっそうとしたジャングルとその中を流れる川沿いに点在する

敵の弾薬庫を破壊するステージです。

地形のモデリングの関係でオーバーハングした地形はNGだということで樹木が

覆いかぶさっている状態は再現されませんでした。

 ●不時着した飛行機

  • Hill

救出ミッションで一定時間丘を防衛する任務のために描かれました。

不時着した飛行機の任務とかはほとんど設定されていませんでしたが

なぜか敵が群れを成して襲い掛かってくる難しいステージだった記憶

があります。

 飛行機はツカノというプロペラ機を参考にしました。

 ● 要塞ステージ 着色

  • Bankerbase_color

塗りの練習でPhotshopで着色しました。

以前、着色の仕事をしたときにはとにかく早くやるように言われたのですが

どうしても薄い色を塗り重ねる水彩の技法が抜け切らず、時間がかかって

しまいます。

市販のデジタル画上達本などで研究する必要を感じています 。

────────────────────────────────────────────────

 ● 宇宙戦艦ヤマト2199

 劇場で観てきました。

 面接の後で見に行ったので期せずして正装での観賞となりましたが、別に特別な

思い入があったわけではありません。それと言うのも、事前にこれは別の描き方を

されたリメイクであることを知っていたからです。

ネット上で第一話の前半が公開されていたので先行して見て知ってはいたのですが、

メカの動きが軽いという以外にも演出が軽いという印象はぬぐえなかったのです。

 ストーリー上の矛盾をなくし様々な名称や緻密な設定をそろえたまでは非常に

良いのですが、ヤマトに特有のエモーショナルな感動が皆無である、あるいは

意図的に削いでいるといった感じで受け入れがたいものがありました。

 旧来の演出が残っている部分は感動を呼ぶのですが、新しい演出は冷めていて

ちぐはぐな印象はぬぐえないと言うのが私の感想です。

 新設定における人物配置はこの際大きな問題にはならず、時流に沿った改変

のように思えます。しかし、今後のストーリー展開に何かしらの変更があるのなら

演出の貧弱は大きな問題となって残ることは明白だと思えます。

 このように苦言を呈するのも、今回のリメイクが事実上の総力戦であるからです。

現在考えられる最良のスタッフを動員し、その中には私の旧知の知人もおります。

それが一部の80年代アニメのように演出の貧弱から無残な敗北を喫するのは

見るに耐えない。

 日本アニメの貴重な財産であるこのムーブメントに引導を渡すことのないように

今後の展開に期待しております。

コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガングレイヴの背景画

2011-12-27 03:49:10 | 設定画
  •   ガングレイヴO.Dというゲームで描いた背景画を紹介します

 ● 礼拝堂

  • Cherch

敵であるドンの邸宅の中の一角にある礼拝堂です

この設定を描く前に打ち合わせで祭壇を華美に描かないよう再三釘を刺されました。

なぜなのか わかりませんが、当時僕が宗教を研究していた事が向こうに伝わっていた為

と思われます。

 僕の宗教の研究は創作と宗教の関わりを探ったユング心理学に元付くものでしたが、

一部の人間には怪しげな新興宗教に侵されているように見えたのでしょう。もちろん

それは向こうの杞憂で、この絵は一発でOKが出ました。

 設定的には面白みがないもので、外国の教会にはよくある説教台と信者の座る長椅子

が並んだステージになっています。

 ● 病院入り口

  • Gate

 玄関前広場ですが、ここを舞台にパワーローダー(と発注されたパワードスーツ)と戦う

ステージになりました。いわゆるバリアフリー構造になっていて段差がなく、パワードスーツ

のローラーダッシュの障害にならないように配慮してあります。

 この奥にあるのが展示室ホールです。

 ● 展示室ホール

  • Hole

 円形の展示室は天井がガラス張りになっており、一部を突き破って入って来る

クモ型の戦闘ロボットとの戦闘ステージになっています。 玄関側が石畳、周囲が

板張りになっていてこの建物の出入り口であることも表現しています。

 クモ型ロボットはホバーと逆の原理で壁面に吸い付き、車輪で高速移動します。

実際の戦闘がどんなものだったか想像するしかないのですが、おそらく攻○機動○

のようになったと思われます・・・

 ● 食堂

  • Restlant

 何の変哲もない食堂です。マフィアのファミリーが会食をする場所であり、ここも

戦闘のステージとなっています。

 さっぱりとした清潔さを感じさせるのが難しかったのですが、イタリアンマフィアの

ドラマの舞台となる地中海の邸宅が、白壁で建てられていることを思い出し、そのよう

に描きました。

────────────────────────────────────────────────

 この仕事の最中、階下の女性から音による嫌がらせを連日に渡って受け苦しい仕事

であったことを覚えています。

彼女の奇行は、国道の拡張工事によってアパートを立ち退くまで続き、仕事の障害

となりました。世間的にどうかは知りませんが、この時の経験から私は女性ストーカー

による執拗な行動は最も厄介なものと考えるようになりました。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガングリフォンの美術設定  2

2011-11-23 14:31:25 | 設定画

デジタル化した美術設定がまだあるので紹介します

 ●ダム改造要塞

  • Dam
  • Dam_map

 干上がったダム湖の湖底を滑走路にしたダム改造基地という設定です

舞台となるミャンマーは水が豊かな国土で、現在かの国は大規模な洪水に見舞われ

ています。しかしこの世界のタイ国は異常気象によって干上がった場所が多くあり

このステージもそのような背景で作られています。

 プレイヤーはダムの下流からダムに接近してゲートを突破し、滑走路上で敵と交戦

したあとミサイルの発射を阻止するというシナリオになっています。

 中央の岩山の中にミサイルが隠されており終盤に出てきて発射体制に入ります。

発射場はロケットのブラストが斜めのスロープで拡散するようにデザインしてありますが

ポリゴンの関連で不具合が出て解決に苦慮したテクモは巨大な四角ブロックを置いて

解決してしまいました。

 周辺には航空機を格納する バンカーがありプレイヤーがそこに隠れたりできるように

考えました、が、実際のところ敵は探知していて躊躇無く砲撃してくるようになってしまい

ダメージも貫通して受けたので、ほとんどメリットのない設定になってしまったといえます。

 このステージは敵AWGSが多数出現して難易度の高いステージですが、最初の頃は

それほどのものではなくデバックをくりかえして再三に渡ってAWGS配置の変更が行わ

れました。

 ●航空機用バンカー

Airclaftbanker_2

 ジェット戦闘機を爆撃から守るための耐爆壕は実際にもあり、それを沢山置けば

戦闘が面白くなるという私の提案によりできた設定です。

上述のように実際には隠れるメリットがなくなってしまい形だけの設定になったのは

残念なことです。

 ●戦略ミサイル

  • Icbm

 標的として登場するオブジェクトでソ連のICBMが元になっています。

実際のミサイル発射は地上で行われ、ミサイル本体は圧縮ガスで発射筒から射出

された直後にロケットモーターに点火します。

________________________________

 このゲームの根本的問題は敵側のAIが貧弱で動きが単調であり、それを補うために

敵の攻撃力や防御力の数値を上げて対処していた所です。また地上の造形が上手く

行かず無数のポケットが存在して、その検出に膨大な労力を費やした点もあります。

それ故地形を使った巧妙な防御は実戦では必須であるのに、ゲーム上では生かしに

くくなっていたようです。

 ●カバー案

Type12_2

おまけです。

これはカバーイラストのために考えられたラフ案ですが、私がカラーイラスト

にかかる時間を捻出できずカバー製作はテクモ側に一任されました。

私はエンドロールのバックになるイラストを何点か描きましたが、ストーカー達

の咳による攻撃で百日咳という公定伝染病にかかってしまい、非常にレベルの

低いイラストを提供する事となってしまいました。

その点は今でも心残りになっています。

コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガングリフォンの美術設定

2011-11-12 23:44:46 | 設定画

  ホームページ作成の課題の過程で美術設定をデジタル化したので紹介します

これらの美術設定はほぼ正確に舞台背景に反映されました。細部はテクモ側にまかせてありま

すが、大体のディテールはこちらで指定しました。

 ● トーチカと基地

  • Bankerbase

 かつては河川が山地から平野へ流れ出していた場所に作られた基地です。

今では枯れ河になっており、川底が道となっております。

手前に扇状に平野が広がっており、河が運んだ堆積物が積もってがなだらかな

下り坂になっています。

それを見下ろすように砲台が並んで通過する物を射界に収め、関所の役割を

果たしているのです。

 ミッションでは砲塔群四箇所をすべて制圧した後、基地に突入して中央の砲塔

を破壊すればクリアとなります。

● トーチカ

  • Gunturlett

コンクリートで装甲された平射砲塔が背負い式に配置され近づく敵を射撃します。

平地には戦車が配備され、トーチカへの敵の接近を阻止しようとします。

これらを全て殲滅するのがゲームの勝利条件ですが、手間取って時間がかかると

一定時間後に敵の増援AWGSが出てきて苦しい状況になります。

 私はデバック作業に加わり、実際にこのステージを何十回かクリアーしました。

横方向へ移動しながらトーチカに射弾を浴びせるのはそれほど難しく無く、すぐに破壊

できてしまいます。増援がやってくる前にたいていの場合ゲームは終わっていて

物足りなかった印象がありした。

  ● 補稿 ディテール

  • Bankerobjects

そこでテクモ側は砲塔の強度を増して(撃破するまでに当てる弾数を引き上げて)

ゲームの難易度を上げる方法を打信してきました。記憶では10~20発の間でどれに

するか問い合わせがあったので、私の感覚で18発くらいを指示したと思います。

 これは製作時間がなかったためにとられた処置で、本来なら射撃を妨害する物や

戦闘兵器を配置して難易度を上げるべき所を妥協した結果と言えます。

 ● 基地 俯瞰図

Bankerupper

  •  

向かって左が平野側、右が山地側です。基地というより文字通りのゲートであり

中央のトーチカを壊せばゲームクリアとなりましたが、砲塔の旋回が遅かったので

破壊はそれほど難しいものではありませんでした。

 敵の増援部隊との戦闘が起きると難しいステージなのですが、その登場以前に

クリアしてしまうことが多く、スピードを生かしたガングリフォン系の機体にとっては

物足りない退屈なステージという印象でした。 

 しかし、デザイン的には好きなステージで突き詰めて面白くできなかったのが

悔やまれるところです。

  ● 米国アレンジ 一二式改

Amerikantype12

おまけです。アメリカによって各部を改良された12式を描いてみてくれないかと

言われ描いたラフです。これをテクモ側に見せるところまでは行ったのですが、

その後はどうなったのか不明です。

ご覧のとおり曲線が多く、人物対比もこの世界観にあわせて大きくなっています。

人間が搭乗できない恐れがありましたがあくまでデザインラインの参考用という事で

描いた非公式設定です。

  ___________________________________

   宇宙戦艦ヤマト2199

アニメ版のヤマトの新作が来年4月に公開が決まりました。

初代のヤマトを完全リメイクし、1~4話を劇場公開して残りをTV放送するそうです。

予告編を見ましたが、非常に期待が持てるできばえで来年の公開が待ち遠しいです。

コメント (8)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガングリフォンのコクピット画面

2008-09-10 01:02:16 | 設定画

 ガングリフォン・アライドストライクでコクピットスクリーンのラフを描きました。

当時、ロボット物のゲームが3タイトル程出ており、それらをスタッフは意識して

いました。 残念ながら時間の制約で、各AWGSごとにスクリーンを描くことは

出来ず、また担当氏の配慮でテクモ側スタッフに最終的なモデリングはまかされ

ました。

 ● レティクル

  • Photo

 まず、スクリーンに表示されるターゲットフレームを描きました。

弾道表示は担当氏も欲しいと言った表示の一つでしたが、ゲームのハードの

制約等で砲弾が弾道を描く事は出来ない事が分りオミットされます。

 ● コクピット・ビュー 3案

Photo_2

  • Photo_3

  • Photo_4

 スクリーンと手前のメカ部分との面積比率を変えて、三案を描いて送りました。

その後、担当氏はそれをもってテクモ側と打ち合わせし、次の絵が描かれます。

 最初の案では透明スクリーンやホログラフィックなどが多いですが、もっと

現実の兵器らしさを出すために、あえてメカ部分を増やして行きました。

 そうは言っても、現実の兵器ではアニメ風のメカだけでは機能が果たせないので

アナログな部分も残ってデジタルな部分と同居しているものです。当時はそのあたり

の兼ね合いがむずかしい時期でもありました。

 ● コクピット・ビュー 改稿

  • Photo_5

 結局、打ち合わせの後このくらいの比率が良かろうと言う事になりました。

実際にゲームをしてみると、マップ表示と残弾・ダメージくらいしか表示を

見ることはなく、リアルな標準操作でレティクルが微妙に動く等はあまり

関りのないゲームであったと記憶しております。

 これをベースにテクモ側で実際のゲームで使う機能に合わせ、計器など

を付け加えてデザインがなされました。

────────────────────────────────

 K-MACSの三面図を探したのですが、下書きしか出て来ませんで、

見つかったら掲載する事にいたします。図面に1/72スケールと書かれて

いますが、あれを元に簡易モデルを作るためにスケールを割り出した事

を思い出しました。

 スチロールなどのカッターで簡単に切れる材料を使い、つまようじを刺して

パーツを可動にしてポーズをつけたり、戦車等と比較してみたのです。

 担当氏は当初から過去のAWGSの大きさに不満を感じており、それも

含めた世界観などを前作から一線を引きたいと表明していました。戦車に対

して12式は大きすぎるから、小さくするべきと言い、私も賛同しました。

 図面から逆算してみると、K-MACSの高さは8m弱(頭頂)で、図面の

対比人物が不正確だとわかります。20式はこれよりやや高く、Mi-57は

さらに大きくなります。

 一日で作られたK-MACSの簡易モデルはその後韓国スタッフの元へ

渡されました。当初はむこうのスタッフがAWGSをデザインすると言っていま

したが、早い時期に取り下げられました。実現していたらどうなったかは

未知数です。

コメント (13)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガングリフォン 二○式

2008-08-30 00:23:33 | 設定画

 リクエストのあった二○式の設定を掲載します。

二○式は私の受け持ったAWGSのなかで最後に描かれました。

他の設定の影響で製作時間が圧迫され、細かい詰めが甘くなり、

完成度の低下をきたしてしまいました。

 ● 二○式

  • Photo

 画像は後で描かれたポーズラフを先ほど塗ったものです。

 日本的な兵器の特徴を要求され、現用自衛隊兵器を研究したものの

それは明確な定義のむずかしいものでした。強いて形で言えば四角い

と言う事が言えます。最近の日本の陸上兵器は寸法と重量の制約から

寸詰りでこじんまりとしており、容積を多く取るためか四角いのです。

 時間もないのに煮詰まってしまい、過去のガングリフォンからデザインを

参考にしようとも考えましたが、それは有効な考えではありませんでした。

12式は全く日本的ではなく自由にデザインされた事は明らかです。

 ● 二○式 コンセプト

Photo_2

 二○式のデザインは、このようなコンセプトから始まりました。

胴体の中心に円筒形のコクピットモジュールがあり、これが脱出装置

を兼ねています。上半身は戦車の砲塔のように旋回ができ、ここに

砲や弾薬がセットされます。

 主翼は使わないときは折りたたまれ、邪魔にならないように配慮します。

その他、推進器の推力軸が重心を押し上げるように配置し、動力のリンク

や砲弾の通路、装甲スペースなど、バランスを取るように考えました。

 ● 二○式 三面図

  • Photo_3

 こうして時間の切迫する中描かれた三面図ですが、モデリングチームは

この図面を無視して独自のバランスで3Dモデルを作ってしまい、時間がなかった

為かリテークもなされなかったのです。

 これらを行ったモデリング班はその後すぐやめたと聞かされました。

向うでは、製作スタッフが簡単に退職するのは珍しくないそうです。

 Photo_4 ● 二○式 背面

 コンセプトを詰め込んだために、立体的に複雑になって二次元の絵では

非常に描きにくい物になってしまいました。

 コクピットへのアクセスや推進装置の位置、兵装・翼の配置などは正しい

物ですが、いかんせん時間がなく細部のディテールがついて行きません。

 ● 二○式 細部補稿

  • Photo_5

 腕はスライドして伸びるようになっており、横転した時のジャッキとして

使えるよう配慮されています。この部分にミサイル等をつけることも考え

ましたが、造形が複雑になるので断念しました。

 ● 二○式 改稿

  • Photo_6

 この機体もユーザー視点が単純な点が指摘され、頭部の後ろに電子戦

装備が、砲弾用弾装にバスケットが付け足されました。

 また、担当氏が脚部のディテールや構造に不満を表明したので、下のように

設定画が描き足されました。

 さらに、初代ガングリフォンのように股間の幅を広く取るべきと主張したので、

私が折れる形で改案が描かれています。しかし、これが生かされたかどうかは

確認していません。

 ● 脚部 補稿

Photo_7 Photo_8

 結局、二○式は私にとって位置付けのはっきりしないメカになってしまいました。

もし、他のガングリフォン2機分の時間を使ったなら、確実に良いものなったはずで、

返す返すも残念に思います。

コメント (13)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガングリフォンのエンブレム

2008-08-28 00:53:44 | 設定画

 現在応募している案件がモンスター関連のデザインなので、

少し関りのある設定を紹介しましょう。

 本格的なモンスターを描いた事が何度かありますが、現在

スケッチ画が見つからないので後日にいたします。

 ● エンブレム 1

  • Photo

 少し仕事に余裕があった時期にエンブレムを描いてみないかと言われ

いくつか描いてみました。ガングリフォンには最初に設定されたグリフォン

のマークがありますが、少し変化をつけるつもりで頭部が鳥類の物を

描きました。

 ● エンブレム 2

  • Photo_2

 これが第二稿くらいになると思いましたが、ゲーム製作の進行

が思わしくなく、担当氏のエンブレムに対する関心はトーンダウン

して行きました。正式な発注から

 「そう言うものがあった方が励みになる。」

程度の言い方になり、次のイラストを提示したころには、別の仕事

にかかって欲しいと言われ、これらのデザインはお蔵入りとなりました。

 ● エンブレム 3

  • Photo_3

 コミカルなイラストをマークにしたものです。

ロケットマンには元ネタがあります。

  • Photo_4

 20式のスタイルや構造を説明したイラストです。

15年ほど前にパオパオチャンネルという子供向けTV番組があり。

そこに出演していた関根勤がセキネ大使いう寸劇(?)をやっておりました。

 マグマ大使のパロディーなのですが、彼がロケットになる訳にはゆかず、

この絵のようにロケットを着たのです。

 当時、放送用の小道具を作るアルバイトをしていた私は、そのロケット

を作ったのですが、それがこのマークの元ネタです。(長い前フリですね)

 これらのマークは不採用になりましたので、ガングリフォンとは正式な

関わりはありません。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガングリフォン K-MACS

2008-08-27 00:59:04 | 設定画

 先日申し込んだシナリオ案件は見送りとなりました。

社名を伏せての応募だったのですが、以前関りのあった会社でした。

しかし、完成して納品されたゲームを明確な理由もなく発売中止にした

過去がありましたので、不採用となってむしろホッとしたというのが本音です。

 ● K-MACS

  • Kmacs

 リクエストがありましたので、K-MACSについて解説と三面図の掲載をします。

ゲームのデザイン請負について契約した後、各国のガングリフォンが登場する旨を

私は告げられました。私は一機の新型ガングりフォンしか想定していなかったので、

急遽資料収集とデザインにかからねばなりませんでした。

 当時の韓国兵器において、その国独特のデザインを見せていた物は少なく、唯一

国産戦車K-1にその片鱗が見られました。そこで、ベースとなった米国のM-1と

比較して、どのあたりが韓国的であるか抽出する所から始めるました。

 K-1戦車は国情に合わせた軽量化のため、外観は微妙な面角度を持った複雑な

構成となっており、これをある程度取り入れた無骨な感じを出す事としました。

 上図はゲームが完成した頃に自分で描いたポーズラフです。

ゲーム内の正面立ちポーズがあまりにカッコ悪く、どうすれば解決できるか探った物

ですが、既に後の祭りでありました。

 ● K-MACS 三面図

Kmacs_2

 三面図自体が見つからず、図はパイロットのシルエット入りのものです。

内部は非常にタイトで、人間の比率が大きいように感じます。

 ● K-MACS ディテール

Kmacs

 このように細かいディテールまで描きましたが、ゲーム製作チームからの

指摘で背面についてりテークが繰り返されることになりました。

以下、その顛末を追ってみましょう。

 ● 背部ディテール 初期

Kmacs_2 K-MACSのエンジン下面と弾装部分のディテールが不明なので

加筆したものです。

エンジンはヘリコプターの物を参考に冷却用空気の導入を考えまし

た。ディテールの不足を指摘されての処置ですが、韓国側スタッフ

は納得せず、背面の形状の変更をする事になります。

  •  ● 背面 改稿

    Kmacs_3  打ち合わせでゲームアーツに出向いた先で描いたラフです。

     いわゆるユーザー視点という後方斜め上から見たとき背面が

    板状に見えるのを防ぐため二つに分けることになり、その場で

    ラフを描きました。

     しかし、向うの真意は弾装を二又にすることだったらしく、

    (左のスケッチ)それにあわせて次のラフを描きます。

     ● 背面 改稿 2

    Kmacs_4  見栄えを考えて、排気管を派手にして弾装の形状も工夫します。

    内部の弾丸の配置は、上図左のように考えて、二又という要求を

    クリアーしました。

     排気管は元もままで良いと指摘され、弾装の角度は開いた物を

    指定されました。

    •  ● 背面 改案決定稿

    Kmacs_5  実を言うと、この弾装の形状は80年代ロボットに良く見られる

    背中に突き出した推進剤タンクそのもののイメージに思えます。

    私はそのことを告げましたが、それで良いと言われました。

     当時、某ロボットアニメに初期案のような弾装を付けたデザインが

    出現してしまい、遠まわしに変更を求められたのが真相ではないか

    と私は見ています。

    •  現実のゲームプレイでは多くの人がコクピット視点を選択し、この混乱は

    後から考えれば無用に時間を取っただけのように感じます。

     私は、このゲームのデバックに関わりましたが、通信対戦で1対1で接近戦を

    行った場合、コクピット視点は背面に回りこまれた敵を視認できず、不利な事を

    確認しています。その時点では、ユーザー視点が重要であると信じていましたが、

    肝心の通信対戦がほとんど発生しなかったので、やはり背面を改正した目論みは

    外れていたと言える、と今では考えています。

    コメント (2)
    • Twitterでシェアする
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    文章設定 AWGS開発史

    2008-08-18 02:09:05 | 設定画

     先月、スカウトの件で面接を受けました。

    某所にアニメ学校を作るので、講師を探しているとのスカウトでしたが、

    学校の設立が遅れており、私は講師候補のまま保留となりました。

    その後、一件の仕事先へ申し込んで見送られ、現在一件の返答待ち

    の状態です。

     ●ガングリフォンアライドストライク AWGS開発史

    Photo

     今度の申し込み先がシナリオ関連と言う事で、過去に携わった

    文芸設定を紹介します。

     テクモからの要請で書かれた二枚分のAWGS開発史と銘打った

    文章です。テクモ側に正式に渡されたものの、その後音沙汰がなく

    未発表となっています。

    今回の掲載は私の独断で行っておりますので、記事は予告なく削除

    される場合があります。

    これを元に文法の一部修正等をしてタイプし直しました。

    ─────────────────────────────────────

     日本は十二式によって第二世代AWGSに先鞭をつけ、緒戦において華々
    しい成功を収めた。これに刺激を受けた先進各国は、第二世代AWGSの
    開発を急ぎ、十二式の優位性を崩そうとした。
     十二式の生産開始直後からこの動きを感じていた日本は、来るべき第三
    世代AWGS戦をにらみ、次世代AWGS開発計画を始動したのである。
     第三世代AWGSとは、一言に言えば完全な空中機動性を持った、いわ
    ば航空機としての特性を備えたAWGSである。この機体が部隊配備され
    れば、地上から低空域に至る広い範囲での主導権を握ることが出来る、画
    期的戦闘兵器の登場となるはずであった。

    Photo_2

     しかし、諸々の海外事情と国内の経済状態に鑑み、次期生産期
    の採用は当分先送りとなる見通しであった。そこで、十二式で得
    られた技術的優位を保つためのプロットタイプ機(後に二○式と
    呼称)の開発が検討されたのである。この機体は強力なエンジン
    の搭載により、十二式より多くの装備を可能とし、同時に空中機
    動性の改善までも考えた野心的な設計であった。また、パイロッ
    トの脱出を考えたエスケープモジュール等、生存性向上も考慮さ
    れており、技術デモンストレーターとして多くの可能性も盛り込ま
    れていたのである。

     こうしたプロットタイプには良くありがちな重量増加や初期不良の解決に力が注がれる中、いきなり
    増加試作30機の訓示が下った。これは明らかに海外へ派遣する実線テスト部隊の編成を意図したもの
    であった。工廠側ではこの生産計画を実行に移すために、3つの計画を立案した。その第一はスペック
    ダウンしながら実戦に耐える仕様として本機をまとめ直す案であったが、これは各所からの抵抗が大
    きく、実行は困難と思われた。第二は、十二式をベースに二○式の技術を取り入れた新たな機体を作
    り、二○式との混成部隊を作る案である。いわゆる、ハイ・ロー・ミックスによって数を揃えようと言
    う案であるが、補給の複雑化や部隊の混乱が予想された。(この第二案は、後に意外な形で実現する事
    になる)そして第三は、当面の問題解決にかつての提携相手、アメリカの助力を仰ぐことで、これが一番の良策と思われていた。

    Photo_3

     ところがこの時すでにアメリカは第三世代AWGの生産に向
    けたプロジェクト、「ブラックフット」を始動していたのである。
    アメリカはこれによって、軍事ばかりでなく兵器市場においても世
    界に先行しようとしていたのだ。ブラックフット計画の成果、
    XVW-2はすでにハンガー上にその姿を具現化していた。
    ステルスデザインを全面的に採用し、強力な電子装備を持つXVW-2は、あらゆる敵をスタンドオフで撃破できるはずであったが、
    エンジンの開発が難航し、現在は既存のジェットエンジンが装備され
                    ていた。

     こうした事情から、日本の革新的AWGS・二○式へのアメリカからの技術供与は望み薄ということ
    が判明した。工廠では第二案の設計と平行して二○式の開発を急いだが、元々精微なプロットタイプ
    をそのまま生産に移すには、どうしても無理がともなったのである。

     そうして時間だけが過ぎる中、韓国より新型AWGS開発への援助要請があったのである。
     韓国は、国際平和維持軍に積極的に参加することで、先進国間での認知を受けようとしていた。そし
    てそのための派遣軍に新型AWGSを装備することは、一級の存在価値をアピールするためにぜひとも
    必要な事だったのである。
     韓国は、最初アメリカに援助を打診したが、太平洋地域からの撤退を奨めていたアメリカは日本に
    対してこの件を振ってきたのであった。

    Photo_4  日本は、前述の理由からこれを断る手はなく、
    二つ返事で聞きうける結果となった。二○式は
    一部の装備と性能がスペックダウンされて量産
    に移されたが、韓国軍の保有するAWGSの補
    佐を受ける確約を得た前提があっての事だった。
     このAWGSが、前述の十二式を元に二○式の
    技術を加えて計画され、韓国工業界によって生産
    されたKW-1bである。それは、日本の基本
    設計に手を加え堅牢性と実戦での使いやすさ等を付加されて完成し、大量生産に
    移されたのであった。

    こうして元西側では三種類のAWGSが開発されたが、それらは「2.5世代」と呼ぶべきもので、
    完全な空中機動性をある程度犠牲にした機体群であった。

    Photo_5

     この一方、兵器輸出に力を入れるロシアでは、独自のコンセプトと
    して第三世代AWGSの開発に挑んでいた。十二式によって破壊され
    た多くのAWGSの戦闘記録を分析し、地上から一定高度の領域を高
    機動で運動することが第二世代AWGSの強みであるとことをつかん
    でいた。ロシアの設計局では、旧来から研究されてきたWIG(地面
    効果翼機)と強力なエンジンの組み合わせでそれが実現可能と結
    論し、Mi-57(アリヨール)としてまとめ上げたのだのである。
     十二式を凌駕することを目標に作られたMi-57は、スピードに
    おいてはるかに勝り、武装が同等な上に価格は低くおさえられてい
    た。そのため数多くが輸出されて、「2.5世代」の好敵手として各地に出現したのである。

     これらのAWGS群を横目に、ドイツもヤークトパンツァーの次世代機を開発中と伝えられているが
    未だその姿は発表されていない。またアメリカも、VW-1とXVW-2の中間にあたる機体を計画し
    ていたようであるが、これもまだ未確認情報である。
                                                          以上

    ─────────────────────────────────────

     当時のゲーム開発上の事情を反映したストーリー構成となっており、

    従来のガングリフォン世界と矛盾する部分もあると思います。

    当時の開発状況では、資料も乏しく人材も4~5人の体制で、過去の

    スタッフによるバックアップなど望むべくもなく、この文章は一応承認

    は受けていますが、私による独断と見ていただいて差し支えないと

    思います。

    追記 この記事は2004年12月3日に書かれました。

    コメント (2)
    • Twitterでシェアする
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    プロジェクト・シルフィードのフリゲート

    2008-04-03 21:53:24 | 設定画

      以前掲載した対空フリゲートのクリンナップ稿と、対艦フリゲートです。

    両方ともほぼ同時期に、チーフデザイナーのY氏の指示を仰ぎながら描きましたが、

    画面でどのように映っているかは確認できませんでした。

    小物の破壊されるだけのオブジェクトなので、手間とポリゴン数を取らないのが

    条件です。

    Photo Photo_2

    •  

      ● 対空フリゲート

     以前、製作の過程を紹介しましたが、出来上がりはこんな風です。

    砲塔群がポリゴンを食うのではと心配しましたが、指摘は受けませんでした。

    射撃するとビームの射線が綺麗だったはずですが、実際はどうなったのでしょうね?

    Photo_4

    •  

      ● 対空フリゲート ラフ

     こちらの方がすっきりしていて好きなのですが、打ち合わせで

    艦首の丸の部分が変更を求められて描き直しています。

    Photo_5  

       ● 対艦フリゲート

     同時期に描いた対艦フリゲートです。

    大型のミサイルとエンジンを組み合わせた船体に、コクピットモジュールと

    最低限の補機類が装備されています。

     良くあるコンセプトのデザインなので、デザインが凡百にならないよう

    注意が必要です。このデザインは、Y氏のラフをほぼそのままクリンナップ

    しています。

    Photo_8

    •  
    •  

      ●対艦フリゲート 補稿

     船体が鋼管のトラス構造で出来ていると言うY氏のイメージを具体的

    に描いてあります。彼はもっとデザインに面白さを期待していましたが、

    上手く応えることが出来なかったようで、反省材料を残しました。

    Photo_9

    •  
    •  

       ● 対艦フリゲート ラフ

     これが私が最初に描いたラフです。これはこれで好きなのですが、

    Y氏は、これが気にいらなかったようで、自らラフを描きました。

    Photo_12

    •  
    •  

       ● 対艦フリゲート ラフ 2

     こちらがY氏のラフを受け継いだ物です。

    トラスにリテークが出ています。私自身は、船体構造物としての

    トラス構造は建築物を参考にすべきだと考えていますが、彼は

    バイクの車体などをイメージしていたようです。

       追記

     今週、某所でここのアドレスが掲載されたらしく、100件程のアクセスをいただきました。

    プロジェクト・シルフィード関連のもので、改めてあのゲームの人気を認識した次第です。

    コメント
    • Twitterでシェアする
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする