歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

東松山市・将軍塚古墳 4世紀後半の築造と判明

2017年11月30日 | Weblog
 埼玉県東松山市は29日、同市教委と早稲田大学考古学研究室が共同で調査を進めた前方後円墳「将軍塚古墳」(同市下野本)の築造年代が古墳時代前期の4世紀後半であり、埋葬施設が未盗掘の可能性が高いと発表した。
 調査は2、3月に3D技術を生かした3次元地形測量と地中レーダー探査により独自の非破壊調査で実施した。
 この結果、同古墳の形状は後円部が3段、前方部が2段の構造を持つことが分かった。
 後円部の中心付近に南北に約8m、東西に約3・5m、深さ1m前後の縦穴系の埋葬施設(主体部)が未盗掘で残っていることが分かった。埋葬施設は両サイドと床に礫、天井部は粘土で構成していた。埋葬施設に棺は確認されず、木棺だった可能性が高い。
 古墳の形状などから、諸説あった同古墳の築造年代は4世紀後半と特定された。
 古墳の南北には同時代に栄えた集落跡として有名な五領遺跡や反町遺跡がある。一帯は当時の交易拠点だったと考えられており、この地を治めた同時代の有力な首長の墓である可能性が強まった。
 将軍塚古墳の墳形は、今回の調査で奈良県の行燈山古墳(4世紀前半)や渋谷向山古墳(4世紀中)に類似していることも分かった。
[参考:2017.10.29朝日新聞、埼玉新聞、産経新聞、東京新聞]

過去の関連ニュース・情報
 将軍塚古墳


埋葬施設は未盗掘か 埼玉・東松山の将軍塚古墳、4世紀後半の築造と判明 

築造は4世紀後半、東松山の前方後円墳「将軍塚古墳」 埋葬施設も存在か レーダー探査で判明、謎に迫る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東松山市・将軍塚古墳 3次元地形測量と地中レーザー探査による非破壊調査を実施へ

2017年02月17日 | Weblog
 東松山市教育委員会は十五日、同市下野本にある前方後円墳「将軍塚古墳」の形状や内部構造を調べるため、早稲田大学考古学研究室の協力で三次元地形測量と地中レーザー探査による非破壊調査を行うと発表した。
 調査は27日から一カ月かけて行われる予定。

 将軍塚古墳から約1km南の反町遺跡(同市高坂)では、4世紀ごろに大集落があったことが分かっている。
 反町遺跡の西側にある高坂古墳群からは2011年、県内で初めて「三角縁神獣鏡」が発掘された。

東松山市にホームページでは、将軍塚古墳を県内第2位の大きさ(全長115m、後円部の高さ15m、前方部の高さ8m)とし、築造年代は5世紀後半から6世紀前半のものと推定としている。
[参考:東京新聞、東松山市HP]

過去の関連ニュース・情報
反町遺跡
高坂古墳群


東松山の将軍塚古墳 市教委と早大研究室が3次元測量調査へ




キーワード: 野本将軍塚古墳、野本1号墳
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

埼玉県立さきたま史跡の博物館 第41回遺跡発掘調査報告会

2008年07月28日 | Weblog
 昨日28日、前出の埼玉県の遺跡発掘調査報告会に出席しました。
定員100名でしたが、テーブルのある座席の後ろに補助椅子がたくさん並んでいましたので、150名以上出席者がいたのでははないでしょうか。
 11遺跡の発表ですので、1遺跡当たり20~25分の持ち時間で、ちょっと説明時間が不足気味でした。
 それでも、スクリーンに映す写真が豊富で、鮮明な写真が多かったので、満足の行く点が多かったです。
 反町遺跡は、第4次調査の様子が聞けるかと思っていましたが、残念ながら第3次調査までの報告で、第4次に関しては、墳墓の下から集落跡が出土し、たくさんの住居跡が見つかっているとの簡単なコメントがありました。
 
 奥の山古墳では、昨年12月に従来一重の盾形周堀であるとされてきたものが、外堀とみられる遺構が確認され、他と同様に二重の堀が巡らされていることが分かったと新聞報道されました。
 そして、12月8日に現地説明会が行われ、約400人が出席したそうです。20年度調査では、隣接する鉄砲山古墳との中間地帯の面的発掘をし外堀を探求すること、また両者の位置関係をさらに調査し築造順を確認することだそうです。
 過去の削平と深掘による破壊で保存状態が悪く、調査が困難で苦労されているようですが、是非健闘を祈りたいと思います。
 10月25日に現地説明会の計画をしているようです。
 写真は、奥の山古墳(2008.7.27撮影)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

埼玉県東松山市 反町遺跡第4次調査

2008年07月23日 | Weblog
 反町遺跡第4次調査の中間報告が掲載されている。
 遺跡の東端から、古墳時代前期の方形周溝墓が発見され、そこから底部に穴を開けた底部穿孔土器、赤く塗られた土器、土の上に赤色顔料が出土しています。
 調査区中央では、幅約40mの大溝(河川跡)が確認されており、今後の調査で土器や木製品の出土が期待されるという。
 場  所: 東松山市大字高坂字竹町266  
 調査期間: 平成20年4月22日~平成20年9月12日
 主な時代: 古墳時代

 なお、第41回遺跡発掘調査報告会(平成20年7月27日(日)埼玉県立さきたま史跡の博物館講堂)の詳細も併せて発表されています。
[参考:(財)埼玉県埋蔵文化財調査事業団HP]
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする