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大津市・中路遺跡 古代官道「東山道」の関所の可能性

2010年05月27日 | Weblog
 市教委が26日、奈良―平安時代に近江国を統治した近江国庁の関連遺跡「中路(ちゅうろ)遺跡」(大津市神領)で、古代の官道・東山道(とうさんどう)に面した造成地などが見つかったと発表した。道路幅約12mで敷かれたと考えられていた東山道を約5m、侵食するような形で造成して道路幅を狭くし、関所のような役割をした施設、官道を管理、警備する事務所のような施設、あるいは駅屋(うまや)だった可能性があるとしている。
 同遺跡では2008年、東西方向に直線で延びる東山道の側溝(幅約2m)を検出。今回、約20m東の約200㎡を発掘したところ、側溝(同約1・6m)が想定より約5m南側で出土した。
 側溝北側では、傾斜地を平らに造成した面(南北約16m、東西約23m)を検出。この造成面に沿った東西約30m間は、東山道の道路幅は約7mに縮小していたことがわかった。
 造成面の周囲は側溝や溝で囲われ、ほかの近江国庁関連遺跡で確認された蓮華文軒丸瓦や複数の柱穴なども見つかったが、建物跡は判然としなかった。
 発掘地点は丘陵上にあり、08年の調査では、道路両端に礎石建物などの下に敷く根石も発見され、門などがあった可能性が指摘されている。
 中路遺跡は07年に市教委が初めて本格調査し、大型建物2棟跡や「修」の字が刻印された瓦12枚が出土。近江国庁の南から南東に位置し、高官の居館と想定される青江遺跡、大型倉庫群の惣山遺跡、駅家とみられる堂ノ上遺跡とともに、国庁関連遺跡として国史跡に指定されている。
 現地説明会が29日午後1時半に開かれる。
[参考:読売新聞、中日新聞]

過去の関連ニュース・情報
 2009.6.26 大津市・近江国府跡 国庁北側から建物跡が出土、役所跡か
 2008.12.11 中路遺跡 近江国府跡、勢多(瀬田)唐橋につながる東西一直線の道路跡を確認



キーワード:近江国府跡・国庁跡


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