金曜日の午後、急にピンポーンとチャイムが鳴り、暫く夫が画面を見つめている。
「なっちゃんだよ~」と、急な帰省。
家に電話しても中学生の弟や妹はまだ帰っていないので我が家へ来たらしい。
玄関を開けたらそのままソファーになだれ込んで大きな荷物を玄関に置いたまま。
暫くして弟が来た。
今日は真ん中ちゃんは塾なので友人と一緒にいるほうがいいみたい。
最近は我が家に殆ど来ない。
みんな大きくなったものだ。
暫く死んだように寝ていた上の孫を起こして「さあ、今日は外食にしようと思っていたから何処へ行く?」と聞いてもぼんやり・・。
結局近くのイタリアンに。
いつもはさっさと出てくるのに今日に限ってマスター一人。きっと皆お盆休みに入ってバイトさんばかりなのかな?
どのテーブルも最後の休みを楽しむ家族連れ、小さな子供が多い。
上の子がポツリポツリ話すに、夏休みは毎日バイト。家庭教師は向こうからもう辞めると首になったそうだ。と言うのも自転車で1時間。雨などは大変でホッとしたそうだ。
殆どが居酒屋さんで今からお正月の出勤をお願いされてるのでお正月も帰れないみたいだ。
1か月近くバイトして家で眠ってTVとビデオを見てサークルにも顔を出していないそうだ。
そこで、看護学校に行った友人の誕生日会を広島でしたらすぐに戻って1か月休んでいるサークルの合宿に行こうとバイトを休まずお盆に休む仲間と交代でお休みを取ったそうだ。
たまには家から出て少し遊ばなければいけないと自分で思ったそうで申し込んだがどう頑張っても遅れて行くようになると。
聞けば我々も行ったことが無い伊予灘に面した風光明媚な所。
夫が「高速を通ると早く行けるから連れて行ってあげるよ」と、安請け合いをした。11時近くに出発して2時過ぎには着いた。涼しくて素晴らしい環境。
2泊3日の予定で4時にならないと修伯施設に入れないと言うので周囲を散策。
誰もいないので置いて帰るわけに行かず下に降りたら駅前に道の駅が。
やっと電話が通じ、今からそこに迎えに行くからと一安心していたら夫が手招きする。
そっと覗くと男の子5~6人に取り囲まれ談笑している。
あ~良かった。嬉しそうにしている。
と、今度は同じ色のTシャツの女の子が5~6人合流。
あっという間に孫が見えないくらい囲まれて、そっとこちらを見てくれたので手を振りお別れをしたらみんなが振り返って手を振ってくれた。
四国は何処へ行っても新鮮な魚を調理して売っている。
美味しそう~と思うが夫は見向きもしない。
以前来た海辺の道の駅で食べるから我慢しろと言う。
帰りは勿体ないからと一般道を通ったら松山まで渋滞。
やっと伊予灘に出て道の駅着。
でも、物凄い車と屋台。夏祭りが始まった。
いい匂い。足が痛いのを忘れ見て回った。
しかし、夫にお金を渡しているのでなかなか買えない。
やっと、鯛ご飯結び2個で100円を買い、鶏手羽の揚げ物を買った。
まだ始まったばかりで次はイカの丸焼き、次はさざえとホタテの焼いたの次は伊予牛のステーキ、高校生のコロッケ・・・全部スルーして全く相手にしない。
そして、椅子に座って鶏肉を食べ始めた。私は鯛めしの結びを二つ食べて鶏肉を食べたらトイレを済ますとすぐに車に乗って無言で出発。
あ~あ、海の幸を狙っていたのに又食べそこなった。
夫はイベントが苦手。
こういう会場では殆ど買うことが出来ない。
きつい一言「今度からは私がお金を持つからね!」
「俺が悪いんか」
「当たり前でしょ」
毎回こういう結果になるので私がうっかりしてしまった。
そう言えば、大朝のイベントの時も遠くにいて近寄らず「お昼ご飯どうするの?」と言っても荷物も持ってくれない。
私があちこち美味しそうなものを買いゆっくりと食べられる場所で分け合って食べた。
男性は苦手なのかなあ。私は足が悪くても要領よく買って、座って食べる所が無ければ車で食べる。
夫は「美味しい」と言って食べるので食べるのが嫌いではないが人が沢山いる場所は苦手なだけかもしれない。
伊予灘を眺めながら帰りは意外に早く着いた。
孫は車の中で今回の帰省でスマホを落としたこと、それで集合場所に遅れたこと、車で降りた所で落としたかもしれないとママが落し物の所へすぐに行ったらちゃんと届けてくれた人がいたことなど「親に怒られたけど自分でどうすればいいかについていっぱい学んだ」と言っていた。
こうして、一人暮らしを少しづつ学んで行けると話していた。
いくらバイトが忙しくても時にはサークルに顔を出して遊んだ方がいいと自分で考えたそうだ。
テニスのサークルは飲み会なしの優しい先輩(男女)がいて安心して参加できるそうだ。
遠くから見る限りみんなに可愛がられて幸せそうに見えて本当に良かったと思った。
夏休みは殆ど免許を取った人が多く、自分は今からお金を貯めて取るんだとか。
危ないけど今の社会運転免許は持っていた方が良い。
私のような鈍い人でも取れるからきっと大丈夫だろう。
心配は尽きないけど本が好きで車ではもっぱら本談義。
楽しい夏の旅であった。