モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

その56:喜望峰。その認識と植物相⑩

2008-09-05 13:02:38 | プラントハンターのパイオニア、マッソン
~マッソンが採取した植物。==イキシア(Ixia)==

マッソンが採取したイキシアの種名とその数がよくわからなかったが、

イキシアは、アヤメ科に属し約50種があり、南アフリカの南西部と南部地方に生育する。
冬場に成長し夏場は休眠するというからオキザリス・パーシーカラーと同じ生態だ。

このオキザリスもマッソンが多数キュー植物園に採取して送っており、その数48種とも言われる。

マッソンが送ったイキシアは、ハイブリッド種が開発され18世紀後半にはヨーロッパに普及し
今では世界中に普及している。

庭植えは手間が大変なので、鉢植えが適している。
休眠中の夏場は涼しいところで水を与えずに乾燥させたままにする必要があるので、
移動性がある鉢が適し、常識による情けの水は非常識になってしまうので注意が必要だ。

このイキシアの中で緑の花を咲かせる珍しい種がある。
これを発見したのは、マッソン同様にケープの植物相の豊富さに魅了された男で
この発見の紹介をすると・・・・

南アフリカに魅了された男が発見した絶滅種
1883年12月30日、ドイツ生まれの一人の男がケープに到着した。
マッソンから111年後で、この男は、薬剤師としてケープの会社に勤めた。

彼は、ケープ、テーブルマウンテンに魅せられ、植物採取をするようになり、
それからは一直線で、時間が取れるように自営業となり植物採取の範囲を広げていった。
彼の名前は、マルロス(Marloth, Hermann Wilhelm Rudolf 1855-1931)

マルロスは、西ケープの山のなだらかな傾斜で、緑色の花が咲く植物を見つけた、
この植物が “イキシア・ビリディフローラ(Ixia viridiflora Lam.)” で、
この花は、ヨーロッパを魅了することになる。

(写真)イキシア・ビリディフローラ(Ixia viridiflora Lam.)の花
 
(出典)wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Ixia_viridiflora

だが、この花の原種は。いまでは絶滅危惧植物の仲間入りをしている。
滅びゆくもの必ずしも美しいとはかぎらないが、これは美しい。

イクシア(Ixia)の名前の由来
イキシアという属名の由来は二つあり、
一つ目は、それが粘りけがある液から鳥もち、ヤドリギ(viscum)を意味しているギリシア語のixosからきている。
もう一つは、古いギリシャ語で花の色が変わる植物につけられた名前からリンネがつけた。
という二つの説があり、Ixia属は花の色が変わるので二番目の説明が適切のようだ。

種名のviridifloraは、ラテン語でビリディフローラ『緑色の花』viridi+floraを意味する。

マルロスが南アフリカで集めた植物サンプルはドイツに送られ、
Heinrich Gustav Adolf Engler (1844 – 1930)などによって
ベルリンで"Plantae Marlothiana(マルロスの植物)"としてまとめられた。

アドルフ・エンゲラーは、リンネの植物分類法をより自然に近づけた分類体系を提唱し、
“エンゲラーの分類法”で知られる。

マルロスは、後に南アフリカの大学で植物学教授に就任するが、
南アフリカの植物のすばらしさに魅了されてイラスト入りの南アフリカの植物誌を出版する。


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