だいぶ前、松も明けないあたりだったと思うが松屋銀座で古田織部展を見た。
確か昨年が没後400年でそれを記念して思い切って庶民でも手に入る織部の湯呑みを買って以来、「器は触ってなんぼ」という思いが強くなった(一つしか持ってないのに偉そうだが)。今回もガラスケースの中でワイヤーでガッチガチに縛られた緊縛茶器たちはどこか痛々しかった。それでも伊賀瓢箪水指(の造形)、織部耳付茶入とそれを入れる巾着(みたいなの)、織部直筆の「織部百箇条」など見とれてしまうものもたくさんあった。名人大西浄清の茶釜を見て、泉屋博古館でやっていた「茶の湯釜の美」に行かなかったことを後悔(野口哲哉がポスターやグッズデザインをしていたというのに…)。
この展覧会で一番のハイライトは掛花入に活けられた梅と柳だった。織部釉を使った掛分花入と焼締花入自体(だいぶ前なので名前に自信なし。掛分が徳澤守俊、焼締が安倍安人という方達の作だったはず。)も良かったのだが、小さな梅と一本の長い柳の枝の組み合わせがとても良かった。真っ先に思い出したのは千葉市美術館で見た赤瀬川原平のヴァギナのシーツだった。なんか似ている。茶の湯と赤瀬川は全くの無関係じゃないし、2つを並べてみたら面白いんじゃないか。このコーナーにいる時間が一番長かった。
没後400年 古田織部展
松屋銀座イベントスクエア
会 期 2014年12月30日~2015年1月19日
時 間 10:00~20:00