ワンダフルなにか ビューティフルだれか

並べてみると 輪郭がつかめるかもしれない

野口哲哉展―野口哲哉の武者分類図鑑― 山田五郎トークショー

2014-02-25 00:14:35 | 美術



「野口哲哉展 ―野口哲哉の武者分類図鑑―」 練馬区立美術館



何も知らないままこのチラシに出会い惹かれた作家、野口哲哉の初の個展。
とにかくこの作家、無類の鎧好きらしい。
時代によって構造の違う鎧を正確に造り分け、
「フェルメールと同時代の武将がデルフトを旅していたら?」という想像を
「デルフトの眺望」の絵をバックに洋傘を持った武将の立体造形を置いて表現したり、
架空の武家に代々伝わる兜を、先祖の肖像画と子孫の立体造形を並べて表現したり、
時に立体、時に平面によって虚実織り交ぜた世界観を創り出していた。




展示作品中一番好きだったのがこれ。



とにかく顔が良い!実に良~い顔をしている。
いろんな角度から見れば見るほど良い。
男なのか?女なのか?どっちにも見える。
兜の隙間からボサボサの前髪がはみ出てる感じが妙に現代っぽさを醸し出していたり、
しょぼくれた感じの姿勢と足先の感じがなんとも言えず良い。
こういう感じでいる時あるある!!と思わずにいられない。
戦国時代に自分が行ったら絶対こんな感じに決まっている。
歴史の真ん中には絶対にいないタイプ。
後ろ姿もたまらない。
何度もこれを見返してはニヤついていた。(なぜこれの絵葉書が売ってないんだ!?)




ある時代の甲冑と全く同じ構造で素材をプラスチックにしたらSFっぽくなるという作品。







【トークショー】
作家本人と山田五郎によるトークショーがあるということで会社を早退して行ったのだが、
わざわざ早退した甲斐のあるおもしろい内容だった。
山田五郎は、野口の鎖帷子のこだわり方に「明治の超絶技巧の工芸作家を連想する」と語り、
静岡にプラモデル工場が集中しているのは何故か?という話(徳川家について行った江戸職人の話)や島津製作所が辿ってきた歴史(仏具から始まり人体模型・マネキン製作と枝分かれしていった歴史)を絡めながら野口を「そういった流れの中にあるように見える」と言っていた。
(「そういった流れ」とは日本の工芸の技術・感性・人材が時代のニーズに合わせて形を変えながら生き残ってきた流れの事だと思う。因みに野口本人は「工芸とはちょっと違うと思う」と語っていたが、私には山田五郎の話がとても印象に残った。)




【雑感】
紗錬(シャネル)のロゴが入った鎧「シャネル侍着甲座像」のシリーズとして
ヴィトンもやって欲しい。鎧に合うブランドカラーだと思うしあのロゴの兜は
さぞかしカッコイイだろう。
当て字をするなら「備屯」がいい。




図録として先行販売していた作品集





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安全な雪

2014-02-17 22:49:22 | 雑記


向いのおばちゃんにスコップを借り、

お礼に家の周りの雪掻きをしたら

そのまたお礼にお菓子をもらった。

お菓子を入れた袋からほんのり線香の香りがして

妙に懐かしい気分になった。

雪景色を見ながらもらったお菓子を食べた。


そんな週末。


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高畑勲の毎日映画コンクールでのスピーチ

2014-02-16 21:12:44 | 映画
高畑勲監督 毎日映画コンクール (アニメーション映画賞) 2014/2/13






傲慢と自負は違う。



かぐや姫の物語が毎日映画コンクールアニメーション映画賞を受賞した際の高畑監督のスピーチ。
「これほどスタッフと会社に感謝したいと思った作品はない」と前置きした上で
「この作品が受賞するのはある意味当然」と述べ、さらに
「しかし大藤賞が欲しかった。そういうことをしたという自負がある。」と述べた。

大藤賞とは日本のアニメーションの先駆者大藤信郎を称え、
新しい試みや成果を上げた作品に贈られる賞らしい。


「そういうことをした自負がある」と。


四度目の鑑賞のための前売り券が手元に残っている。
近隣映画館の上映最終日に行こうと思っている。



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遠藤彰子 映ろう街

2014-02-08 23:58:20 | 美術


「映ろう街」遠藤彰子


先日行われた上野の森美術館での遠藤彰子展で出会った一枚。
この画家の作品は実物を見ないとわからない。
とくかくサイズがデカい作品ばかり。
5m級の絵が展示室いっぱいにズラッと並んでいる様は大迫力でそれだけで見る価値ありの
展覧会だった。
この作品は特に大きな作品という訳ではないのだが惹かれるものがあった。
一日が終わりゆく夕暮れの街の見晴らしのいい場所で人々が飲んで食べて踊って語らっている。
そんなに可愛くないが人のそばで生きている犬もいる。
それぞれがそれぞれに調度良い感じでくつろいでいる。
一番印象に残るのが真ん中の少女。
いや、少女なのかもわからない。
学校帰りなのか仕事帰りなのか、とにかく日常の終わりにこの場所に立ち寄って
一人心地良い風を浴びながら自分の街を眺めている、そんな感じが良く出ている。
展示作品はどれもはじめて見るものだったのだがこの絵を見返すために何度も戻ってしまった。

その他には「HORIZON」という作品が
金箔(?)と油彩の使い方が面白かった。

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大雪前夜のザ・雑記

2014-02-08 01:45:28 | 雑記
本当に明日は関東に記録的な雪が降るのだろうか?
という穏やかな週末の夜。


もし佐村河内氏自身が会見をするなら横に船場吉兆の女将をつけて何か囁いて欲しい。
本当に聞こえてようが聞こえてまいが。
これをきっかけに「創作物における作家性とは何か」について
わかりやすく教えてくれる人が出てくればいいと思うがまだ出会っていない。



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