もう終わってしまったが、野口哲哉の個展「別世界旅行」はとても良かった。
野口哲哉といえば立体の甲冑や侍が有名だが、この人は絵も良い。今回は絵とストーリーを読み進める形の個展になっており、侍とガチョウの冒険譚が楽しめた。侍なんだけどオープンカーに乗り、西洋の城やバイキングのような兜の男が出てきたりと野口らしい独特の世界観の絵と各絵に添えられた数行の文章(これがまた文才があるのだ)がとても良い塩梅に異世界に連れてってくれる。少なくない人がミヒャエル・ゾーヴァを連想したのではないかと勝手に思っているのだが、ゾーヴァよりも良いのではないだろうか。ご本人も在廊されていてそこでも少し話をさせて頂いたのだが、是非本(絵本?)にしてほしいと思う。会場でうっすら流れていたクラシックの曲は何だったのか聞き忘れたのだけが心残りだ。あの世界観にあった曲だっただけに。
野口哲哉作品展「別世界旅行」
ギャラリー玉英
会 期 2015年10月5日(月)~24日(土)