(TxT)<戯れ言ですよ

とみーのにっき&おえかきちょう

ふたりはプリキュア 第17話 『 ハートをゲット!トキメキ農作業 』

2013年02月01日 | ふたりはプリキュア
あったなぁ、ラブチェッカー!見るまで存在忘れてたわ。

 そんな今回のお話は…
  ほのかに頼まれて、木俣の田舎に農家の手伝いに行く事になったなぎさ。しかし、農作業が目的だというのに何故か前日からオシャレに頭を悩ませる。
 それもそのはず、 何と憧れの藤P先輩も一緒に行くらしいのだ!普段は元気一杯のなぎさも、先輩の前に出ると途端に緊張で無口になってしまう。
 そこで、 この農作業を機に先輩ともっと距離を縮めようとするが…。二人っきりの作業にもかかわらず、藤Pの笑顔に緊張してやっぱり上手く話せないなぎさ。上手くいくのは大根抜きの方ばかりで…「あぁー もうどうして先輩の前だと上手く喋れないの~!!」
 「努力したってしょうがないですよ」手伝いに来たものの、いまいちやる気のないキリヤ。一緒に作業しているほのかをそっちのけで一人休憩を決め込んだり、一面の畑を見てウンザリする始末。
 二人でやれば何とかなるというほのかに対して、キリヤは 「力を合わせないと何もできないのは弱い証拠」だと あきれる。
 しかしほのかは、キリヤに人間は力を合わせるからこそ強いと諭し、強制的に手伝わせる。疲れる様子を見せる事無く、せっせと作業をするほのか。
 キリヤは そんなほのかを鬱陶しいと思いつつ渋々指示に従って、昼食もとらずに(とらせても らえずに)労働を続ける羽目になってしまう…。
 以上公式のあらすじより抜粋。

 お話がなんか成田良美っぽいなぁと思って見ていたら、思った通りだったので自分のプリキュアレベルは上がったなぁなどと感心していたのはさておき(笑)、ここ数回、ちょっとモッサリした話だった所為もあってか、良く出来ているシナリオであった。
 お話はあらすじにあるように、なぎほのが農作業の手伝いをすることとなって……という話であるが、物語的には実は敵であるキリヤが人間に惹かれていく様子を描かれていることもさることながら、なぎさとほのかのいい所がとても良く出ていて見ていてとてもおもしろかった。というわけで、いつもこうだなと思われるかもしれませんが、さすが成田良美!(笑)

 なにはともあれ、まずはなぎほのなのである。農作業の手伝いに行く事となったのは、ほのかがなぎさを誘ったわけだが、木俣が藤Pを誘い、藤Pからほのかにという流れで、なぎさの想いを知っているほのかとしては、ここいらでというお節介なんだけど、このお節介が実にほのからしく、今回はそんな彼女のお節介が何度も見れる。
 人付き合いがあまり上手でないくせに、妙におせっかいなほのかは第8話で壮大に失敗しているのだが、頭の良い彼女はそれを踏まえた上で、それとなくお節介してくるのがほのからしく、また見ていて「いらんお節介だなぁ」と思ってしまい、その辺も逆に微笑ましい(笑)。ほのかとしては良い事しているという頭があるのだろうなぁ。なぎさは割と今時の女の子(放送当時的にの話)でありながら、純朴な感じが実に可愛げがあって良く、なぎさの藤Pへの想いがよく表れていてこれまた微笑ましい。
 そんなふたりを割とコミカルに見せているのだけど、アバンでのこのふたりのやりとりは良く出来ていて、ほのかが農作業に誘いなぎさがうんと言ってから藤Pも来るという話をするんですよね。先に名前を出すと二の足を踏むと思ったほのかの策ですよ。そしてなぎさの考えが変わらない内に去って行ってしまう。前述したように8話での失敗を踏まえ、見事にほのかの「計算通り!」だったんじゃないですかねー(笑)。
さて、本編に入ってからはというと、まず興味深い点としては、キリヤがサボった分をやるまでお昼をとらせないとしたほのかを、ちょっと冗談混じりに「おっかない」と評した木俣に、なぎさが真面目に「そんなことはない」と反論した事だ。木俣の「おっかない」はホントちょっとした冗談なのだが、そんなほのかの悪評ともとれることをなぎさとしては放っておけなかったのだ。
 ほのかが厳しくするのはちゃんと理由があり、彼女の優しさでもあると真面目に返すなぎさは、ちょっとした冗談でも、ほのかを悪く言われるのは我慢ならなかった、というか、冗談と気付かないくらいなぎさはほのかを大切に思っている事の表れとして良く考えられているし、なにより、なぎさのそうした真面目な部分が彼女の人となりを表していて、実に気持ちの良い人間と思えるではないか。やはり主役足るものこうでなくてはいかん。またほのかとしても、ダークサイド故に真面目に作業しないキリヤを注意し作業へ促す様は、正に優等生で実に堅苦しくもあるのだが、それ故ほのかの誠実さを物語る。ただ単純にお話としてだけではなく、主役ふたりを「良く見せる」部分をあり込んでくる辺りが上手い。
 次に「プリズムラブチェッカー」。冒頭にも書きましたが、あったなぁこんなの!すっかり忘れていたよ。これ販促玩具になったり後にも使われたりしたっけか?使われたかはともかく、このアイテムがこのお話で一番言いたかった事を表している。
 なぎさ的にあんまり仲が良いように見えない木俣の祖父と祖母だが、ラブチェッカーで一番いい結果をはじき出す。それでこのアイテムはあまり信用ならないとするなぎさであるのだが、オチで親密度とは人それぞれなのであるということを語り、見かけのそういった親密度は計れないのであるとしている。
 まずなぎさが老夫婦の仲の良さが分かっていない事を示しておき、最終的にそれと分かることで、なぎさが今回を通してそういう事を理解した、ということになる。つまりはなぎさが人間としてひとつ成長する過程を描いているのだ。物語全体として変わらぬ主人公ではなく、こういう事を通しての最終的な主人公になって行くわけなので、このいち過程を示してある事は良く考えられていると言えるのではないだろうか。
 そしてもうひとつ、物語的に重要なキリヤの心の変遷である。ダークサイドの彼が、ほのかを通して人間を知り、少しずつ感化されて行く最初の段階である。
 最終的には自ら闇に還る事となるキリヤであるが、そこでのドラマはこういう事の積み重ね合ってこそ。ちゃんと段階を踏んでいるのだから物語としてちゃんと考えられてる。ともすれば、このプリキュアはキッズアニメであるので、そういう事をけっこうすっ飛ばしてしまったりすることがあってもおかしくない(要はメインターゲットの皆様は、そういう物語的な事をあまり気にしない)のだが、しっかりとシリーズ構成されているなぁと感じます。というのも、最近終わったスマイルプリキュア!があんまりにも考えられていなかったのも見てきた所であったので、なおさらよく見えてしまったというのもあるかもしれないが(笑)。

 ともあれ、今回のお話としましては、割となんでもない農作業ってのがベースとなってはおりますが、上記しましたようになぎほのの魅力であったり、今回の言いたい事であったり、キリヤの事だったりを上手くひとつにまとめてあって感心。普通に「見れる」お話でありました。もう10年も前のアニメなのに、普通に見れるってのは、やっぱり良く出来ていると思っていーんじゃないですかねー。
 なんか、とりとめのない文章になってしまったが、久々にいい話がきたなという印象でした。う~ん、なんだかんだ言ってやっぱり、さすが成田良美なんですかね?(笑)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿