a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

OKINAWA from Brecht Raum 『沖縄ミルクラントの最后』稽古場より 7

2017-03-03 20:38:27 | 東京公演
平安年男(ひらやす・としお)・・・・坂本勇樹(さかもと・ゆうき)




平安
「……僕はブラジルにウンチュー(おじさん)がいるんだけど。
ウンチューの村にはヤマトンチューよりもヤマトゥぽいウチナンチュウがいる。」


坂本勇樹演じる平安年男は1957年生まれの38才ぐらいのオフィスマネージャー。
このセリフを選んだのは、平安から見た本土とはどういうものなのかを知りたいからだという。
ブラジルには本土の人間よりも本土の人間らしい沖縄人がいる、
ということは、本土に対する羨望なのか? 

1995年、少女暴行事件に怒りを爆発させる沖縄では、
ミルクプラントの基地内での雇用確保の闘争はどんどん孤立していく。
また、管理職である平安は、
組合の人間たちよりも会社の意向に通じている。
現実的に権力の強大さを知っているからこそ、
ストライキのような手法では歯が立たない、と思い、ストップをかけようとする。
しかし、雇用問題は自分自身の問題でもある。

「どこに怒りをぶつけたらよいのか」という苛立ちを、
組合員とも共有できず、
沖縄人とも共有できず、
実際ヤマトの坂本としてはウチナンチュウとも共有できない苛立ち。

米軍基地なんかなければいいのに雇用がない沖縄で、
戦争に加担する仕事に従事しつつ、
生活するための権利を主張していく、
何重もの矛盾の中に放り込まれた現実を、
ドライに描いた問題作。

ぜひご覧ください。


沖縄ミルクプラントの最后
2017/03/09-19
ブレヒトの芝居小屋

アフタートーク情報
3/10 19時 宮城康博さん(沖縄の演劇人)
3/11 14時 清水尭さん (高江の地元の方)
3/14 14時 坂手洋二さん (劇作家・演出家/本作の著者)
3/16 19時 馬奈木厳太郎さん (弁護士)
3/17 19時 新垣毅さん (琉球新報記者)


by Komori

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東京演劇アンサンブル公演
沖縄ミルクプラントの最后

作 坂手洋二
演出 松下重人



美術 香坂奈奈
音楽 菊池大成
音響 勝見友理(ステージオフィス)
照明 真壁知恵子
歌唱指導 菊池大成
方言指導 宮城康博
ピアノ演奏 菊池大成
衣裳 竹内陽子
宣伝美術 竹内陽子・奥秋圭
映像操作 永濱渉
舞台監督 入江龍太
制作 太田昭

3/9  木 19:00
3/10 金 19:00★◆
3/11 土 14:00◆
3/12 日 14:00
3/13 月 休演
3/14 火 19:00◆
3/15 水 19:00★
3/16 木 19:00◆
3/17 金 19:00
3/18 土 14:00
3/19 日 14:00
★=Low Price Day

◆会場
ブレヒトの芝居小屋(西武新宿線・武蔵関駅より徒歩7分)

◆料金 
当日=4500円
前売一般=3800 円
前売学生=3000 円
★=Low Price Day 2500 円

全席自由
開場は開演の30分前
入場は整理番号順。

キャスト
田端良顕(たばたりょうけん)・・・竹口範顕
与那嶺常政(よなみねつねまさ)・・雨宮大夢
仲村秀喜(なかむらひでき)・・・・三木元太
城間耕一(しろまこういち)・・・・和田響き
屋良直(やらただし)・・・・・・・熊谷宏平
平安年男(ひらやすとしお)・・・・坂本勇樹
砂川真栄(すながわしんえい)・・・小田勇輔
平良清信(たいらせいしん)・・・・伊藤克
伊佐寛徳(いさひろのり)・・・・・大橋隆一郎
国吉朋子(くによしともこ)・・・・洪美玉
下地末子(しもじすえこ)・・・・・原口久美子
久貝孝子(くがいたかこ)・・・・・冨山小枝
新川葉月(あらかわはづき)・・・・永野愛理
神山文枝(かみやまふみえ)・・・・町田聡子
与那嶺香織(よなみねかおり)・・・正木ひかり
松田(まつだ)・・・・・・・・・・上條珠理
佐久川(さくがわ)・・・・・・・・仙石貴久江

◆チケット申込
東京演劇アンサンブル
TEL:03・3920-5232 FAX:03-3920,4433 ticket@tee.co.jp
カンフェティ
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