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ライブ版に酔う - ベック・ボガート & アピス・ライヴ・イン・ジャパン

2007年02月03日 | みみよりめより
ベック・ボガート & アピスの1973年の大阪公演の、そして唯一のライブ・アルバム。管理人、ジェフ・ベックがあまり好きではないと公言しているものの、やはりモンスター級の実力派ミュージシャン3人のスーパートリオ、しかも根っからのライブ・アーティスト、その演奏はやはり凄い。当時ベックが多用していたトーキング・モジュレーターなど、いまとなってはもう古臭いとはいえ、彼のバカテク、多彩な音色は素晴らしい。

収録曲に「スーパースティション」(スティービー・ワンダー)や「アイム・ソー・プラウド」(カーティス・メイフィールド」があったりして、当時はブルース・ロックの色彩が強い彼も絶え間なく進化、最近はテクノ・ポップやデジ・ポップまで、その探究心、向上心は凄いですね。

でも管理人はこ難しくジャンルが分化していく以降のロックより、懐かしのメロディと言えば言え、リズム・アンド・ブルースから進化したばかりのブルース・ロックがいいですね。クリームもそう、フリーもそう。

ただ、アルバムのお目当てはもとヴァニラ・ファッジのカーマイン・アピス(ドラム)とティム・ボガート(ベース)。昔「ショット・ガン」という曲が流行ったし、GyaOの古いエド・サリバンショーのフィルムにも登場していました。(関連記事)二人のパワフルなリズム隊がすッごく印象的。この二人にジェフ・ベックが惚れこみ結成、ということですから、下手なはずがない。ジェフ・ベックはポール・ロジャース(フリー)にも声をかけていたということですから、もし彼が加入していたら手のつけられないほどのスーパー・バンドになるところでした。

聴きどころ満載のライブ、カーマイン・アピスのパワフルながら、一方小技もさえるドラミング、ティム・ボガートの歪ませるだけ歪ませた、理知的な風貌からは想像つかない、凄みの効いたベースの音色が印象的。「What shoud I care」、ああこの曲は数十年前ラジオで、渋谷陽一の解説で流れていたっけ、ライブでは延々と続くティム・ボガートとジェフ・ベックの掛合い、どちらがリード・ギター(ベース?)かわからない、ジェフがあれほど惚れこみながら、あまりにも前に出る演奏に反感(嫉妬?)を覚え、1年ほどでバンドは自然消滅。フリーの場合ポール・ロジャースとアンディ・フレイジャーの仲たがい、クリームの場合ジャック・ブルースとジンジャー・ベイカーの仲たがい、有り余る才能同志、どうしてもぶつかってしまうのでしょうね。ま、凡才には関係ないですが。

専属ボーカリストがいないため、ボーカル力の弱さが指摘される彼らですが、管理人はカーマイン・アピスのボーカル、ソウルフルでいいと思うのですが‥‥そんじょそこらの駆け出しよりずっと上手い。

ところでカーマイン・アピスとティム・ボガートが中心のバンド、カクタス(CACTUS)は延々と現在まで活動を続けており、去年、実に30年ぶりにアルバムを出したことを、情報を辿っていくうちに発見!試聴してみましたが還暦を越えた彼らのじいさんパワー炸裂、シンプルでカッコイイ。つい、注文してしまいました。「CACTUS V」。