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四万十川水死事件に思う - 子どもを安全に

2007年12月03日 | よしなしごと
7月31日四万十川で起きた滋賀県甲賀市の2女子水死事件、31日に関係者の処分が発表されました。引率の嘱託職員が解雇と、行政にしては思い切った重い処分ですね。(毎日新聞、産経新聞)

この事件の経過に関しては京都新聞のウェブサイトにアーカイブがあり、目を通しました。甲賀市は安全対策マニュアルの充実、公表などの対策も発表しておりますが、記事に目を通す限り、これはマニュアルうんぬんの問題ではなく(もちろんマニュアルも大事ですが)、要するに危機意識の問題。まず見張りの女子職員がおぼれているのを遊んでいるのと勘違いしたのに始まり、おぼれているのに気がついて「流されている!」と叫んだ時、こんどは引率の男子職員(多分解雇になった職員)はサンダルが流されていると勘違いしたというのです。しかも当時見張りは彼女1人、男子職員とボランティア3人は子どもをほったらかし、テント設営中。

悪いけどこの職員、解雇になって当然。「サンダルが流されている」はないでしょう。流されていると聞いてサンダルだと思うその神経がどうかしている。危機意識のなさ過ぎですね。常識的に考えても子ども達が水遊びしている時に大半のスタッフがテント設営なんてこと自体あってはいけない。

その他事故後の連絡の遅れだとか、下見の不十分さだとかいろいろ指摘はされていますが、根幹は危機意識の欠如。これだけはいくらマニュアルを整備しようが、どうにもならないですね。例えば「事故がおきたらすみやかに~」とあったとしましょう、まず「事故」であるとの認識がなければお話にもならないし、お役所の言う「すみやかに」っていったいどれくらいの時間のことを言うの?

以前確か山からの下山の途中、引率の先生が遅れている子どもの前を下山してしまい、いわば置き去りでの遭難事故がありましたね。最近はすこしマシになった気がしますが、以前は小学生のクラスが電車で移動などの時、引率の先生が二人とも先に降りてしまい、子ども達は慌てて電車から降りる、おいおい何のための二人体制?と思わされることがしばしば。

それでは危機意識さえあればすべての事故という事故が未然に防げるかというとそれは無理。引率者だって24時間中子どもをリードでつないでいるわけではない。手を離した瞬間に深みにズボリだってあり得る。それはその通りですが、ちゃんとした手順さえ踏んでいれば防げる事故も多いし、起こったとしても被害や怪我を最小限に食い止めることはできます。

1.指導者が二人以上いるなら一人はかならず最後尾に、もしくは全員が見渡せる位置にいること。電車やバスから降りるときも必ず一番後。

2.子どもには必ずバディBUDDY)を組ませる。集団での移動や自由行動を伴う場合などに大変有効。この応用は水と安全について参照。

以上、たった二つ。この手順で全ての事故が防ぎきれるとは思いませんが、「もしも」の時でも、すぐ対応は取れるはず。全国のお父さん、お母さん、お子さんの友達など、子ども達を連れ歩く時にもこの二つは心得ておきましょう。損はないですよ。

(補足その1)写真は京都新聞からの転載ですが、この写真からでも川がいきなり深くなっている(水の色が違う)がわかりますね。

(補足その2)甲賀市より事故報告書や事故を受けて作成された安全対策マニュアルが公表されています。

http://www.city.koka.shiga.jp/sec/shogai/jiko/index.php