goo

アメリカ大統領選のなぞ

2015年07月12日 | 英語生活ノおト
英語生活ノおト 第2巻(補)> 英語のバックグラウンド(3)> アメリカ大統領選のなぞ 


後半は前々回の大統領選挙の時の記事ですが、システムは変わっておりません。今回はブッシュとヒラリーにトランプが加わり大変なことになっております。過去に大富豪が参戦した例は1992年のブッシュ(父)対クリントン(夫)戦にロス・ペローが加わった例などがあります。

ロス・ペローはIT関係の出身者らしくクリップボードを多用したわかりやすいテレビキャンペーンを展開したことが記憶に残ります。彼曰く、「生涯でこんなに金を使ったのは初めてだ。」ことほどさようにアメリカ大統領選は資金勝負の側面があります。

さて、来年春のの予備選挙で初めて党としての候補が絞り込まれますが、すでに選挙戦は実質上始まっております。トランプが候補になることはまずありえず、かえって共和党としてはイメージダウンで困っているようです。ブッシュ(父)の敗北もロス・ペローが割り込み共和党が一丸とならなかったことも原因かもしれません。みんな資金が豊富なため、金をかけたものすごいネガティブキャンペーンになるでしょうね。当分疑惑合戦や非難応酬が続きますが、ネガティブキャンペーンはこんなものです。

大統領の任期は4年ですが、最後の1年は次期大統領選挙のためほとんど仕事になりません。オバマ政権がいろんなことを急いでいるのは、11月ごろから空白の1年が始まるからです。

……………………………………………………

4日はアメリカの大統領選挙。オバマとマケイン、下馬評ではあれほど差がついているのに、当選が確実とはいえない。なぜ?この辺がアメリカ大統領選挙のなぞでして4日の選挙も大統領を選ぶわけではなく、選挙人を選ぶ間接選挙。選挙人は「私は○×に投票する」と明言したうえ、選挙戦を戦い、その投票が4日というわけ。

さて、たとえばある州の選挙人の枠が21名だったとします。そして選挙の結果オバマ支持の選挙人が10名当選、マケイン支持の選挙人が11名当選したとしますね。そうするとその州の選挙人総数21名がすべてマケインのものとなる、総取りとなるわけです。つまりブラスとマイナスで42票差額がつく事になります。

選挙人は500人以上いますので、大きな州で僅差で勝利(大勝ではなく)することをなんどか繰り返せば下馬評など吹っ飛ぶ、浮動層次第、それがアメリカの大統領選挙です。2000年の選挙の時、ゴアはこの僅差で敗れておりますよね。特に今回は表面化こそしていないにせよ、人種問題も絡みますので、浮動層のゆくえはまったく読めない。

実はもうすこしシステムはややこしいのですが、単純化すれば以上かと。

……で、オバマの勝利。全州での開票が終わっていないのに、勝利宣言、敗北宣言を出すのも総取りが理由。未開票部分の選挙人数を分けるのではなく、単純に足せばいいわけ。全部足しても過半数にならないとわかった段階で敗北、かたや勝利。ややこしいシステムですが、当落はわかりやすくなっております。


(初出2008年11月5日)