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よみがえる名曲「木綿のハンカチーフ」 - いきものがかり

2006年06月10日 | みみよりめより
先日レビューした「HANABI」ですが、タイトル曲の「HANABI」とc/wの「甘く苦い時間」の他に太田裕美の名曲「木綿のハンカチーフ」のカバー、そして「HANABI」のインストゥルメンタルと4曲入っています。「木綿のハンカチーフ」は前作の「卒業写真」(荒井由美)に続き、ボーカリストとしての吉岡聖恵さんをフィーチャーしていますが、ものすごく出来がいい。

木綿のハンカチーフは、あの有名な「はっぴいえんど」、そのドラム担当であった作詞家の松本隆の代表作で、作曲は筒美京平。今を遡ること30年、若かった管理人、大ヒット中のこの曲をテレビで見ていますし、ラジオでも聴きました。その美声と圧倒的歌唱力に感激しましたね。女性ボーカリストの三大美声ということではまず森山良子、そして白鳥美恵子(元トア・エ・モア)、そして太田裕美でしょうね。

そういうわけで、原曲の音源も入手、聞き比べて見ました。ストリング多用でやはり時代を感じさせる原曲のアレンジ、スチールギターらしきものを取り入れたカバーの斬新なアレンジ、その違いはまあ、おいておくとして、原曲、やはり素晴らしいです。ともかく美声で、正確極まりない音程、あくまで透き通った高音、ほとんど声の芸術とさえいえますね。ただストーリー性に富んだ歌詞をやや淡々と歌いすぎている気はちょっとします。1,2年前、ご本人がテレビで歌っていましたが、衰えぬ美声に圧倒的表現力が加わり、こちらのほうがよかったですね。

一方吉岡聖恵さん、歌唱技術では劣る部分を表現力でカバー。というか、抑えた歌唱が、かえって感情をじっと滲み出させるような、その辺が絶妙。原曲では1番から4番まで淡々と歌われるのですが、カバーでは4番、

 恋人よ 君を忘れて
 変わってく 僕を許して

以降は音量もささやくよう、かえって切なさ、哀しさ満開です。目頭が熱くなります。

名曲「木綿のハンカチーフ」、いきものがかり、というか、ボーカリスト吉岡聖恵さんによって、見事によみがえっています。おまけも何もないシンプルな装丁で、しかも新人にしては1223円という微妙なお値段ですが、新人価格1050円との差173円、「木綿のハンカチーフ」でカバーして、充分お釣りがあります。

「木綿のハンカチーフ」は椎名林檎さんもカバーしております。なかなかいいのですが、個人的にはバックのデジタル、ピコピコサウンドが気に入りません。