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ライブバンド、チャットモンチー

2007年12月12日 | みみよりめより
「スリーピースということを強く出したかった」と、チャットモンチーの(音楽上の)リーダー、橋本絵莉子さんがいっている通り、確かにセカンド・アルバム「生命力」は「耳鳴り」とくらべ、より一つ一つの楽器の音色を大切にしている、ベースのうねりやドラムの反響、ギターのひずみなどが前面に押し出されているつくりですね。ライブを意識したつくり。このあたりはあくまで自分たちが演奏できる範囲にこだわり、キーボードもコーラスも入れたがらないゴーゴー(GO!GO!7188)に通ずる心意気ですね。

さて、「ハナノユメ」から「シャングリラ」あたりまで、いくつかニコニコ動画にライブ模様(主にこの春のツアー)がアップされています。ヨウツベと比べ音質がいいので、アナログでプレーヤーに録音しても結構楽しめます。管理人はゴーゴーとチャットモンチーの音源を録音し、通勤途中ヘヴィ・ローテーションで聴いています。 

やはりスタジオでの録音と、ライブでは音の拡がりが違いますね、そしてそれが野外になると音が抜けていくのがいい。正直言ってCDを聞いている段階では高橋久美子さんのドラムや福岡晃子さんのベースがこれだけいい音を出しているとは思わなかった。「春夏秋」や「シャングリラ」でのドラムのドスン、ドスンという響き、「とび魚のバタフライ」や「世界が終わる夜に」などでのベースの心地良いうねり。サウンド・プロデュースの段階でそういったものを意識しているのでしょうか、確かに悪く言えば音数が少なく、「音がスカスカ」なのでしょうが、プラス面をとらえれば音が空間を抜けていく余韻がなかなか心地良い。ドラムとベースがこれほど上手い、というかいい音を出しているのはCDでは気づきませんでした。テクニカルではないかもしれませんが、しっかりした音作りです。

橋本絵莉子さんのギターですが、抜群の音楽センスがなせるスローでメロディアスななソロは彼女の特徴でもあるのですが、残念ながらライブでは少しミスが目立ちますね。ボーカルはボイス・トレーニングの成果が上がり、以前と比べると声量が上がってきた気がします。かなりの腕前のリズム・セクションが彼女をしっかり支えています。これは前にも申し上げたことですが、福岡晃子さんの重低音、重厚、かつメロディアスなベースライン、高橋久美子さんわずかなタイム・ラグを感じさせながらの、たいこ類を多用する、いわば乱れ打ちのようなドラミング、いずれも音域を低く集めることにより、甲高いボーカルの声を引き立たせようとする、工夫が見られますね。そのあたり、ライブではかなり顕著です。逆に言えばあまりギターが鳴っていないという見方もあり。

まだデビューして2年足らず、これからライブを重ね、ますます上手くなっていくバンド、という気は充分します。特に最近のトップ・ランナーでの演奏はボーカルとも申し分なし。ライブで成長するバンドですね。