Team埼玉 ブログ

自閉症教育と授業改善についての学習会

失敗から立ち直れる力

2017年10月29日 22時11分32秒 | 日記

数年前、羽生ふじ高等学園での研修会講師をしました。

テーマは、軽度発達障害生徒の自立活動についてでした。

悩みに悩み、考えた答えは、「・・・学習上又は生活上、職業上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識、技能、態度及び習慣を養い・・・」でした。

100%の就職率を目指すのではなく、0%の離職率を目指すために育成すべき力を、自立活動の領域で学ぶということ。

しかし、それから数年たち、今、考えていることは、「離職をしたっていいじゃない」ということです。

業務内容が本人の適正に合っていたとしても、職場での人間関係に問題があって、苦しい状況にあり、信頼できる人に相談しても、問題解決に向かわないのであれば、無理してつらい思いをし続けるのではなく、いっそのこと離職して、もっと自分を必要としてくれる職場で、生き生きと、ハツラツと毎日を過ごせるほうが幸せなのではないかと考えるようになりました。

「やり直せる力」。

この力を学校教育の中で、どのように育むことができるのか?

自分もまだ答えを見つけることができていません。

でも、この力をつけるための教育内容及び方法を探し求めていきたいと思っています。

(畠山)


本日の夕練。29.10.13

2017年10月14日 00時36分07秒 | 日記

本日のテーマは、応用行動分析を用いた問題行動へのアプローチと題し、ABAとは何ぞや、という理論編でした。うまく説明できず、少し難しかったかもしれません・・・。その反省を踏まえ、次回は、自分の指導映像を中心に、イメージしやすいように行動形成のための指導手続き(プロンプト&フェーディングやタイムディレイ等)について、お伝えできればと思い、不全感を抱いたであろう参加していただいた先生方へ次回予告をしました。

次回学習会のチラシも出来上がったので、本日の夕練で配布しました(本学習会のHPからチラシをダウンロードできるようにもなりました)。

子どもたちの、「どうしてこんなことするんだろう?」「この行動をしてほしくないなぁ~」「こういうことができるようになってほしいなぁ」という思いが日々の指導の中で生じたら、応用行動分析について情報を集めてみてください。何か指導のヒントが得られることと思います。

自分は学生時代から応用行動分析を学び続けていますが、この年になっても、日々、子どもたちから多くのことを考える機会を与えられ、勉強の毎日です・・・。

 畠山


子どもはそれをやろうとしているの?という問い

2017年10月07日 01時39分42秒 | 日記

大人がやってほしかったり、期待していたりしている振る舞い方について

・子どもは意味を見いだしているのか

・やりたいと思っているのか

・「やりたい」に支えられて「どのようにやろうか」考えているのか

・大人とのやりとりの中でこれらを見いだし、取り組もうとしているのか

・大人は、やろうとしている子どもの意欲(情動)や、やり方を支えているのか

避けたいのは「やらせてしまうこと」。

 

先日の筑波大学特別支援教育研究センターのセミナーで、名寄市立大学教授の瀬戸口裕二先生のご講演からの引用です。自分が勤務していた当時、センター長だった前川久男先生が研究授業を見た後に、指導助言されていた言葉です(本ブログでの引用掲載の承諾を得ております)。

 

その授業で、子どもたちは何を学んでいるのか、そういった視点で授業づくりをしていく必要を強く感じ、ハッとさせられた言葉です。

真の学びには、子ども自身の主体的な学びに向かうエネルギー・モチベーションが必要不可欠です。

「~しなさい」という指示・命令に従うことを身に付けさせるのではなく、

「次は何をするんだっけ?」と発問することによって、子どもたちはその瞬間、「次は?」と考える機会を与えられるということ。

指示に応じる受け身の成長ではなく、

主体的に自ら考え、分かって動ける人に育っていくためには、教師が指示・命令ばかりする指導をするのではなく、子どもたちの思考力・判断力・表現力を育成するための指導を心がけていかなければならないと思うのです。

「次、何するんだっけ?」だけでは動けない子どもたちには、どんな支援があれば気づき、理解して、主体的に動けるのか、そのための支援(指導方法や教材教具を用意する、過不足のない支援)を考え、提示するよう先手を打つことが必要です。

思春期を迎え、「自分はこうしたい!」という自己主張が強くなる時期の子どもたちにとっては、特に、良かれと思っての頭ごなしの指示・命令ではなく、活動に見通しを持たせる手立て(視覚支援を含む)と、それと同時に活動の選択肢の提示・提案をすることが大事なことかな?と考えています(あくまでも教員側が意図する枠組み・教育計画の範疇においてです)。

「~しなさい」ではなく、「次は?」ないしは、無言で子どもの行動を見守り、こちらの期待する行動をしたときに、「そうだね」と正しいことを伝え、賞賛すること、そうでない行動をしたときに、適切な修正手続きをとれること、正誤のフィードバックを必ず行うなどして、子どもたちが自ら考え、判断し、表現する力を伸ばしていければと思います。

 畠山


できるだけ、子どもたちにたくさんの〇をあげたい。

2017年10月04日 23時42分52秒 | 日記

「~しないと、~あげないよ!」という指導をよく目にします。

これはネガティブコントロールと呼ばれ、子どもたちを大人の思うようにコントロールしたいときにとても効果があるので、安易に指導手続きとして多用されることがあります。

この指導から、子どもたちは何を学ぶのでしょうか?

欲するもの、獲得したいものを消失しないことを目的として、そのためだけに、大人の言うことを聞く、ということでしょうか。

何かを学習する際の手続きとしては、私は、何か違う気がします。

子どもたちが何かを学ぶとき、知識や技能を身に付けるとき、実行機能を駆使し、思考力・判断力・表現力を高めるとき、必ず必要となることは、「おもしろい!」「うれしい!」「よーし、やるぞ!」というようなモチベーションではないかと考えています。

次期学習指導要領で示された資質・能力の3本柱を育成するためには、この主体的・対話的で深い学びを指導手段とした学び方を用いた授業づくりが必要不可欠であり、この学び方を推進する動力は、子どもたち自身の内発的なモチベーションであり、この動機づけをいかに高めるべく仕掛けづくりができるかにかかっていると考えています。

そのために、子どもたちにとってたくさんの〇を提供できる存在でありたいと思うし、〇をあげられるように、必要な支援を考えていきたいと思っています。

 畠山

 


次世代を担うということ。

2017年10月02日 01時08分44秒 | 日記

先日、学区再編のため転校した生徒に会いに文化祭へ行ってきました。

小1で担任をした児童3名。5月の運動会は、本校の体育祭とブッキングしていて行けなかったので、中1となり、おおよそ半年ぶりに会いました。

練習の成果も見られ、学校は違えど、子どもたちのがんばっている姿に、なんかじーんっときて、同じ場にいて子どもたちの感じている世界を共有できたような気持ちになりました。

その午後、以前所属していた筑波大学特別支援教育研究センターのセミナーに参加し、その後、当時センターでご一緒させていただいた先生方との同窓会に参加させていただきました。

これまでの特殊教育の先人たちが心血を注いできた障害児教育のたすきをつないでいるのは日々教育実践している今の自分たちでもあり、今後、次世代を担う若い人たちがその歴史を引き継いでいくであろうということ。その歴史の中に自分たちがいて、だからこそ、一生懸命、ひたむきに努力していかなければならないということを。

酔いながら、多々失言をしてしまいましたが(猛省・・・)、歴代のセンター長含め、当時、多くのことを学ばせていただいた先生方から熱いパッションを受け、この水準で仕事をしていかなければと、していきたいと改めて思いました。

 畠山