ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った

2008年11月15日 | 映画評じゃないけど篇
世の中のうまくいかないのはすべてユダヤ人のせいという陰謀説を全面的に支持している本書には、オカルト本との噂が後をたたない。しかし、いろんな本を読んだり、TVのニュース報道なんかを見て「何かウサン臭いなぁ」と思ったことが、もしこの本のいうとおりだったとしたら「さもありなん」と妙に納得させられたのも事実。東大出の学者でもない奴の言うことなんて信用できんとおっしゃる方ほど、本書のいうロスチャイルドの罠にはまりやすい人たちなので、興味本位でも結構なので一度本書を手にとって読まれてみることをおすすめしたい。

国家や企業がプラス成長を義務づけられるのは、本来は<無>であるはずの利子を銀行家に押し付けられたせいである(あるある)。フランス革命やロシア革命は世界で差別的待遇を受けていたユダヤ人を解放するための革命だった(レーニンってユダヤ系だったの)。ホロコーストは同胞をナチスに売ったホフ・ユルゲンのせい(マジで)。銀行支配を嫌い政府紙幣を発行しようとしたリンカーンとケネディだけが暗殺されている(おー怖っ)。「不都合な真実」はユダヤ人が投資する原子力発電を活性化するためのやらせ(おーゴアっ)。郵貯民営化は日本人の莫大な貯金を市場に吐き出させるため(日本株式は今や外資保有率が7割?)。

万事こんな調子で展開される氏の論旨は、おそらく他本の受売りであることは間違いなくオリジナリティには欠けるものの、やはり読み物としては面白い。資料ばっかりで言いたいことが何なのかさっぱりわからない類の経済書に比べると、ある意味開き直った潔さを感じるのだ。しかし、本書が巻末で結論付けている地域貨幣の創設について?が残る。その地域貨幣がやがて円やドルに匹敵する通貨に成長した時、やはりロスチャイルドのような第2・第3の金融テロリストが現れるような気がするからだ。いわばロスチャイルドとは「人をアゴで使ってラクしたい」という人間の根源的欲求の具現化に他ならないのではないか。その欲から人が解放されない限り、どんなご立派なシステムを作っても結局は無駄に終わってしまうのだろう。

金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った
作家 安部芳裕(5次元文庫)
〔オススメ度 

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