ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いおやじの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

教授のおかしな妄想殺人

2017年12月09日 | ネタバレなし批評篇
事実上のパートナーであるミア・ファーローとの間にもうけた息子が、実はフランク・シナトラの種であることが判明し、私生活はドロドロ状態のウディ・アレン。 そんな監督の精神状態を反映しているのか、その含ませ加減が絶妙だったいつもの“毒気”が、本作においては致死量に達してしまっていて後味はかなり悪い。 自殺願望の哲学科教授エイブ(ホアキン・フェニックス)にひとめ惚れしてしまういいとこのお嬢ジル(エ . . . 本文を読む

東京難民

2017年11月26日 | ネタバレなし批評篇
『洞窟おじさん』でドメバイを苦に家出、山の洞窟で社会から隔絶された生活を送った男を演じた中村蒼。おっとりしたしゃべり方に独特の間があり、地に足のついていない感じの若手俳優とは一味違う、昭和な魅力を自然体で演じることのできる数少ない男優の一人だろう。 本作でも、母親が他界し親父が女をつくって失踪後大学を除籍、アパートも追い出されアッというまにホームレスに転落する大学生を演じている。 まずはお . . . 本文を読む

X-MEN フューチャー&パスト

2017年11月07日 | ネタバレなし批評篇
ファースト・ジェネレーションの続編にあたる本作は、今回原案のクレジットに留まっているマシュー・ボーンが9割方脚本を書き終えていた1本だ。 ストーリーの決着のさせ方をめぐって20世紀FOXと意見が対立。結果ボーンは監督を降板し、代わりに初代シリーズ監督のブライアン・シンガーがメガホンをとることになったらしい。 予告編には登場していたローグ(アンナ・パキン)も、なぜか本編からはその登場シーンが . . . 本文を読む

ノック・ノック

2017年11月04日 | ネタバレなし批評篇
タルコフスキーを気障に語った後にこの映画についてコメントするのも我ながらどうかと思うのだが、そのギャップを楽しむのもまた映画の醍醐味である。   イーライ・ロスと言えば、ホステルシリーズでもお馴染みのホラー映画監督。ハリウッド俳優でもあるイーライの作風はと言えば、ドギツイほどグロテスクな殺戮シーンで、こちらも長身イケメンの容姿からは想像もできないギャップ感。 今回はその血みどろ演出はかなりお . . . 本文を読む

完全なるチェックメイト

2017年10月29日 | ネタバレなし批評篇
米ソ冷戦下、チェス世界チャンピオンに挑む若き天才ボビー・フィッシャーの伝記映画である。 このボビー・フィッシャー、人格は完全に破綻していて、無礼きわまりなく、しかも精神に異常をきたしている相当な変人だったらしい。 宿泊ホテルがKGBに盗聴されていると疑っては電話を分解し、ゲームに集中できないと主催者側にキレては観客の咳やカメラを回す音にまでイチャモンをつける。 試合のフィーを上げなければ . . . 本文を読む

湯を沸かすほどの熱い愛

2017年10月22日 | ネタバレなし批評篇
新人監督の商業映画デビュー作とはとても思えない完成度の高いオリジナル脚本。 本作で主人公の娘役を演じた杉咲花ちゃんをあて書きしたというシナリオは、まるで監督の実体験に基づいているのではないかと思わせるくらい、母親に捨てられた女の子の気持ちが超リアルに描かれている。 ブラジャー&パンティや蟹&しゃぶしゃぶ、手話に牛乳?などの伏線を駆使しながら、学校でいじめを受けているひっこみ思案の安澄(杉咲 . . . 本文を読む

ヘイトフル・エイト

2017年10月14日 | ネタバレなし批評篇
タランティーノによれば生涯映画は10作品しか撮らないとはなっから決めているそうで、その第8作目にあたる本作は内3本撮る予定の西部劇2作目なんだって。 処女作『レザボア・ドッグス』が1992年ということは、24年間で8作品→1作品に約3年かけているわけで、結構寡作な映画監督だったのだ、タラちゃんは。 時代は南北戦争後、賞金稼ぎ、新保安官、首吊り執行人と、訳ありの8人が猛吹雪の中山小屋風服飾雑 . . . 本文を読む

アイアムアヒーロー

2017年10月06日 | ネタバレなし批評篇
人類は宇宙人とのハイブリットだった。都市伝説と思われてきた人類起源説が最近になって科学者たちの注目を集めているのをご存じだろうか。 原作者の花沢健吾氏がその起源説を信じているかどうかは知らないが、ゾンビならぬZQNの半感染者にスポットを当てた本作は、白と黒しか登場しない今までのゾンビ映画とは一味違う。 ZQNに完全感染してしまう人間と半感染して超人的パワーを得る人間との違いが映画の中ではよ . . . 本文を読む

サバイバー

2017年10月01日 | ネタバレなし批評篇
引退選手同士の興業試合のような映画と評した人がいたが、なるほど元ジェームズ・ボンドと元バイオハザードのアリスを演じた2人のアクションに往年のキレは見られない。 しかし、プロ野球OB選手たちによるモルツの試合が結構盛況を博しているように、この映画前半のロンドンを舞台にした展開はなかなかスリリングで見応えがある。 ロンドンの米国大使館でビザ申請者の審査官として働いているケイト(ミラ・ジョボヴィッ . . . 本文を読む

キャロル

2017年09月25日 | ネタバレなし批評篇
ゲイであることを既にカミングアウトしているトッド・ヘインズ。ケイト・ブランシェットに若きボブ・ディランを演じさせた時はびっくり、そしてあまりの激似ぶりに2度びっくりさせられたことも記憶に新しい。 本作はそのケイトをレズビアンにして製作されたフェミニズム・ムービーである。お相手は若手注目株のルーニー・マーラ。身長174cmのケイトと比較的華奢なルーニー。どちらがネコでどちらがタチなのか一目瞭然 . . . 本文を読む

OH LUCY!

2017年09月23日 | ネタバレなし批評篇
数年前、桃井かおり主演で平柳監督が撮った短編を、役者陣を総取っ替えして長編に作り直した1本だという。 カンヌをはじめ各国の映画祭で高評価を得た作品らしいのだが、短編を編集し直して長編にするならまだしも、ほぼ同じ内容の映画を役者陣を取っ替えてまで長編で撮影し直すというのはあまり聞いたことがない。 女流監督による女性主人公の映画ということで、昨今のフェミニズムを無理やりにでも盛り上げようとする . . . 本文を読む

ラストスタンド

2017年09月22日 | ネタバレなし批評篇
ハワード・ホークス監督『リオ・ブラボー』のパクリ、いやオマージュというよりも、むしろリメイクに近い内容だ。西部劇の流れを変えたとまで言われる名作リメイクの監督をアメリカ人がやりたがるはずもなく、さて誰にやらせるかで白羽の矢が立ったのがキム・ジウンだったのではないか。 日本ではT3以来10年ぶりとなるシュワルツェネッガーの主演映画として注目を集めた本作ではあるが、シュワ以外の脇役構成や最後の砦 . . . 本文を読む

SAFE/セイフ

2017年09月09日 | ネタバレなし批評篇
最近のクライム・アクション・ムービーの傾向として、ヨレヨレのオッサンがあることをきっかけに突如として殺人兵器に変身するパターンが非常に多い気がする。 主人公の元刑事ルーク(ジェイソン・ステーサム)がロシアン・マフィアに奥さんを殺されたことが原因でホームレスにまで落ちぶれてしまうのだが、自殺まで考えたちょうどその時、マフィアに追われる中国人少女と出会ったことで、いきなりの点火。火星13号も真っ . . . 本文を読む

カリフォルニア・ダウン

2017年09月04日 | ネタバレなし批評篇
ネバダで大地震発生。しかしそれはカリフォルニア一帯を襲う巨大群発地震の前触れに過ぎなかった。故障したヘリを輸送中レスキュー隊員のレイ(ドウェイン・ジョンソン)は、地震にまきこまれた家族を救うべく被災地へ向かうのだが… とにかくこの映画、ディザスター描写が物凄い。映画冒頭で地質学者が東北大震災を題材に講義しているのだが、間違いなく参考にしていると思われるシーンがいくつも登場する。 サンアンド . . . 本文を読む

ワンダーウーマン

2017年08月30日 | ネタバレなし批評篇
この映画を見たジェームズ・キャメロンがなぜキレたのか。 自らの持つ興業収入歴代一位の座を脅かされそうになったから?そんなチンマイ理由でアメリカ人から圧倒的指示を受けているこのカリスマ映画監督が目くじらを立てる訳がない。 キャメロンはかつて映画『アバター』においてイラク戦争を侵略戦争として描いたと評価され、本作の主人公を演じたガル・ガドットは元イスラエル女性兵士で、イスラエルによるガザ侵攻の . . . 本文を読む